韓国のファンサイト

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フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦のロシア杯で、総合2位に終わった羽生結弦。

羽生にとっては五輪シーズンの第2戦となり、4回転ルッツを初成功させたことも話題を呼んでいるが、今大会の結果についてはお隣・韓国でも報じられている。

「優勝候補だった羽生はショート(2回)とフリー(3回)で計5回も4回転ジャンプを試みたが、成功率が落ちたことで銀メダルに満足しなければならなかった」(『聯合ニュース』)などで、『SPOTV NEWS』などは「男子シングルはネイサン・チェンが、男子シングル歴代最高点保持者の羽生を退け優勝した」と、優勝したネイサン・チェンの快挙よりも2位に甘んじた羽生のほうに重きに置くような報じ方だった。

韓国選手の報道にも登場する「羽生」

そもそも羽生は、韓国でも知名度が高い。

ネット上にはファンサイトも存在し、韓国で付けられた「ウセンキョルヒョン」]という別名で検索すると、様々な反応を見ることができる。
(参考記事:韓国でも有名な羽生結弦、別名「ウセンキョルヒョン」とはどんな意味?

今季初戦となった9月のオータムクラシックの際も、韓国メディアとフィギュアファンたちが飛びついていた。

この大会、羽生はSPで世界歴代最高得点をたたき出した一方、フリーではミスが目立ち2位に終わっただけに、韓国の反応も感情の起伏が激しかった。

ただ、それだけ今シーズンも羽生の注目度が高いことの証明でもあったといっても間違いなさそうだ。

韓国選手に関する話題にも、羽生の名はたびたび登場

韓国で有望株と呼ばれるチャ・ジュンファンに関する報道を見てもそうだ。

彼は昨年12月のISUジュニアグランプリ・ファイナル銅メダルを獲得し、韓国男子選手としては初めて同大会の表彰台に立った実力者でもあるが、羽生との意外な接点がある。

羽生が師事するブライアン・オーサーが指導しているという文脈で彼に期待をかけるメディアが少なくないのだ。

チャ・ジュンファンについて「羽生と似ている」と評価したオーサーの発言などは、複数のメディアが大きく取り上げている。

ほかの男子選手に関する報道も同様だ。

羽生や宇野昌磨ら日本人選手とも交流が深いことで知られているキム・ジンソが今年2月の四大陸選手権に出場したときには、スポーツ専門メディア『SPOTV NEWS』が「キム・ジンソ、“羽生が韓国語で挨拶”」とわざわざ羽生の名前を見出しに取り上げて紹介していた。

スター不在だがフィギュアは人気…韓国のジレンマ

韓国がそれほど羽生に注目していることには、韓国男子フィギュアの低迷が関係しているだろう。

例えば、9月のネーベルホルン杯でイ・ジュンヒョンが5位入賞を果たし、平昌五輪出場権をなんとか1枠確保したことが、韓国では「快挙」として伝えられている。

2002年のソルトレーク五輪以来16年ぶりの出場であることを踏まえれば無理はないが、それは同時に、韓国男子フィギュアが世界から後れを取っていることを示したともいえるだろう。

さらには練習環境の劣悪さも指摘されており、『NAVER SPORTS』でフィギュアに関するコラムを連載している『マニアリポート』のイ・ウンギョン取材部長は、「日本でさえ羨ましい」と嘆いているほどである。

ただ、その一方で、フィギュア競技自体は高い人気を誇っている。

韓国文化体育部が9月に発表した「第4次平昌オリンピック及びパラリンピック国民世論調査」によれば、全競技の中でフィギュアの入場券を購入したいと答えた人々の割合は、韓国でメダルが有力視されているスピードスケートに次いで2番目に多かった。

ちなみに文在寅大統領も、平昌五輪のフィギュア競技チケットをインターネットで自ら購入したことを自身のSNS上で明かしている。

フィギュア人気は高いが、スターは不在。そんなジレンマを抱えているからこそ、韓国は羽生結弦というカリスマに関心を持たざるを得ないのかもしれない。

今季は五輪シーズン。まして開催国は韓国・平昌だ。開催国の関心事として韓国は今後も羽生に熱い視線を送っていことだろう。これからも、韓国の反応については注目していきたい。

(文=慎 武宏)