もし日経平均の上昇記録が途絶えたら、その後はどうなる?(写真:まちゃー/PIXTA)

日経平均株価が上がり続けている。前回の記事(10月11日)では「日本株の上積みは限定的」と見立てていたが想定以上だった。過去最長の14連騰超えに成功、10月24日でついに16連騰となった。そこで、過去の連騰後の動きを比較したうえで、テクニカル面から今後の見通しを探ってみた。

12連騰以上はこれで7回目、連騰終了後も上昇する?

テクニカル指標のひとつに、12日間の騰落日数から相場の強弱感を推し量るサイコロジカルラインがある。上昇したら「勝ち」、下落なら「負け」。通常、「9勝3敗」は買われすぎ、3勝9敗は売られすぎとみなす。なお、当日終値が前日比変わらずの場合、「引き分け」か「勝ち」でカウントする。

このサイコロジカルライン(通称サイコロ)を見ると、1949年5月(東証再開)以降の68年間を振り返っても、「12連騰以上」は今回も含め、7回のみにとどまる。12勝0敗は、理論上から買われすぎの異常値であるものの、過去の連騰後の動きをみるとその後も高止まりをみせている。1952年や1953年(いわゆる朝鮮特需)の12連騰後なども、しばらく高値圏でのモミ合いが続いた。

今回の最長記録については、好調な企業業績に加え、衆院選の与党圧勝を受け現行政策が継続されるという安心感から海外勢が買っているもようだ。10月の売買代金も1日当たり2.45兆円(10月24日時点)と比較的堅調だ。なお、16連騰の出現確率は6万5536分の1。年間立会日数(245日)で割ると、おおよそ267年に1回の歴史的事象となる。

過去の長期連騰ではその後も高値が続いたと書いたが、実際のところはどうなのか。日経平均株価の連騰終了日を100として、30営業日後の動きを調べてみた(ただし、戦後の勃興期や高度経済成長期は除外)。
  
1986年や88年(バブル経済)の連騰後は4.8〜7.1%高となっている。仮に2017年10月24日終値(2万1805円)に当てはめると、2万2800〜2万3300円までの上昇も想定される。この価格は、1996年6月につけた平成バブル崩壊後の戻り高値2万2666円を上回る。

安倍政権の政策の新鮮味は乏しい

その一方で、2015年(アベノミクス相場)の連騰後は2.3%安となったうえ、その後に中国の人民元切り下げをきっかけに下げが加速した。2017年の連騰後の動きはどうか。足元は衆院選の結果から現政権への期待感が根強いものの、政策の新鮮味は乏しい。「アベノミクスの継続」というだけでは上値は買いにくい。

また米国株と日本株の2017年の年初来騰落でみると、日本株の修正余地も縮小している。9月末時点でNYダウが13.4%高、日経平均株価が6.5%高に対し、直近ではNYダウが17.8%高(10月23日時点)に比べ、日経平均株価が14.1%高(10月24日時点)と、日本株の出遅れ感が薄まっている。

海外勢の売買動向をみても、少し違和感を覚える。7月中旬以降に9週連続で計1.6兆円を売り越していたが、9月下旬以降に3週連続で計1.3兆円買い越しへ転じている。つまり、買いペースが速すぎることから、日本株の出遅れ修正一巡から海外勢の買いも一服すれば、上値追いも限られそうだ。

最後にテクニカル面からみた当面の上値メドを高い順に5つ挙げておきたい。

2万2000円前後で上げ一服、再び北朝鮮情勢に警戒?

2万2666円(1996年6月高値)

2万2497円(2016年末値1万9114円+17.7%)
※1990年以降の上昇年の平均上昇率は+17.7%

2万2133円(約3カ月の売買コストである75日線+10%)

2万1981円(2016年末値1万9114円+15.0%)
※1949年以降の酉年の平均騰落率+15.0%

2万1910円(一目均衡表で見たN計算値=2016年安値1万4952円+上げ幅6958円で計算)
※2014年安値1万3910円→2015年高値2万0868円の上げ幅6958円
を2016年安値に足しこんだもの


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足元では連騰記録に焦点が集まっている。ただ、日々の動きはオーバーシュート(行き過ぎ)やいわゆるダマシのような動きも多く、あまり一喜一憂しない方が良いだろう。なるべく長期チャートを使い、年間騰落率や値幅計算等から客観的分析を行うのが重要だ。

さて、このあとは10月末から11月初旬にかけて日銀金融政策決定会合、米FOMC(公開市場委員会)が控えている。

さらに、11月3日からドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪が始まり、同6日には日米首脳会談が開催される。北朝鮮情勢の緊迫化も想定されており、連騰後の反動安になる局面もあるかもしれない。

この間、10月31日には、もともとは秋の収穫を祝う宗教的な行事であるハロウインが米国を中心に世界各地で行われる。その合言葉は『Trick or treat』で、お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ、といった意味だ。今年の10月の株式市場では、相場の神様なら『Trick or trade』というだろうか。奇妙な連騰相場に目を奪われる前に、いったん利益確定が必要な局面が近づいていると思われる。