23日、死期の迫った患者が心肺蘇生術などの延命治療を拒否したり、中断させることで「尊厳死」を選択できるようにする制度が韓国で試験的に施行された。資料写真。

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2017年10月23日、死期の迫った患者が心肺蘇生術などの延命治療を拒否したり、中断させることで「尊厳死」を選択できるようにする制度が韓国で試験的に施行された。アジア経済などが伝えた。

韓国の保健福祉部は22日、患者の意思により延命治療を中断できる「延命治療決定法」(尊厳死法)を23日から来年1月15日まで試験的に施行し、来年2月から本格的に施行すると明らかにした。同法により中断が可能になる延命治療は「心肺蘇生術、人工呼吸器の装着、血液透析および抗がん剤投与の医学的治療」だ。

同法が試験的に施行された初日の23日、試験事業機関に選定された団体には多くの人が詰めかけ、事前同意書を作成したり、関連の相談を受けたという。事前同意書を作成する理由としては「家族に負担をかけたくない」が最も多かった。しかし、尊厳死への関心が高まる中、同制度が悪用される危険性を懸念する声も出ている。試験事業機関関係者は「専門のカウンセラーを育成し、制度の趣旨を正確に説明する必要がある」と話している。

尊厳死について、韓国のネットユーザーからは多様な意見が寄せられている。

尊厳死を認めることに賛成するユーザーらは「人間らしく死ぬことができるし、家族に迷惑をかけずに済むから気が楽」「情で人をこの世に繋ぎ止めてはいけない。穏やかに見送ってあげよう」「自分で死を選択するというのは先進国らしい発想で良い」などの反応を見せている。

一方、「回復が可能か不可能かはどうやって判断するの?いくら自分の意思とはいえ、人の人生は予想外なことだらけなのに」「心理的不安による自殺は悪いことなのに尊厳死は良いの?それは詭弁(きべん)だよ」など否定的な意見を示すユーザーもいる。

また、一部のユーザーは「尊厳死」にとどまらず、患者の希望により薬の投与などの方法で死期を早める「安楽死」を施行すべきと主張している。そうしたユーザーは「安楽死法も成立させて。家族に意味なく大変な思いをさせてまで生きたくない」「安楽死も可能になればいいのに。年老いて病気になり、金もなく、ただ苦しむくらいなら楽に去りたい」などのコメントを寄せている。

日本でも「尊厳死」に関する議論は繰り返し行われてきた。現在は法的には認められていないものの、患者の苦痛や死期の切迫性、本人の意思、苦痛を除去する方法の有無などによって許容の可能性が残されている状態だ。(翻訳・編集/堂本)