キノコがおいしい季節です。身近な存在であるキノコですが、じつはその生態は意外と知られていません。

「野菜の一種と思われがちですが、正しくは菌類。もとは“菌糸”という糸のような状態で地中に生息し、子孫を残すために“子実体”というよく見るキノコの形になって地上に顔を出し、胞子を飛ばしています」

こう教えてくれたのは、キノコの製造や研究などを行うホクトが運営するサイト「きのこらぼ」の伊藤里紗さん。おいしいだけでなく栄養もたっぷりというキノコについて、詳しく伺いました。


余すことなくキノコの栄養を取るには調理法も大切!ミックスすればうまさアップ

現在発見されているキノコはほんの一部。実際には、なんと約50万種以上あると推定されています。植物や動物の死体を分解し、土に戻す働きがあることなどから、地球に不可欠な存在です。

「形や色、大きさもさまざま。レースをまとったような姿のキヌガサタケ、傷がつくと肉の部分が黄色から青色に変色するコウジタケ、ひと株で重量が180kgにもなるニオウシメジなど、変わり種がたくさんあります」

栄養素も豊富です。家庭料理への登場率も高い、シメジ、マイタケ、エリンギ、シモヒラタケについていうと、まず食物繊維が豊富。そして美肌や糖質や脂質の代謝に不可欠なビタミンB群も豊富だという特長があげられます。また、キノコ特有の食物繊維の一種、ベータグルカンは免疫力を高めてくれる働きも。

「注意したいのは調理法です。キノコに含まれるビタミンB群やカリウムは水溶性なので、ゆでると染み出て流れてしまいます。ただし、スープや味噌汁などの汁ものにして飲むのであれば、栄養をもらさずとることができます」

キノコは60〜70℃でうま味成分が増えるので、みそ汁やスープにいれるときは水からじわじわ煮たほうがいいそう。

「キノコのうまみ成分はおもにグアニル酸とグルタミン酸から成り立っていて、その配合バランスはキノコによって違います。グアニル酸とグルタミン酸は合わさると相乗効果でうまみが増すので、キノコは数種類をミックスして調理することで、よりおいしくなるんですよ」

ちなみに秋の味覚の王者・マツタケ。驚くべきことに、いい香り、おいしいと感じるのは、日本独特の感覚なのだとか。

「外国でも採れますが、『靴下のにおいがする』『くさい』などと言われ、不人気なんです」

知れば知るほど奥深いキノコの世界。お好みのキノコについて調べてみるのもおもしろいかもしれません。

<イラスト/macco 取材・文/ESSE編集部>