先の衆院選では280議席超えと圧倒的な強さを見せつけた安倍総理率いる自民党。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者の北野幸伯さんもこの結果を喜ばしく思っているようですが、一方で「今後の日本には多くの課題がある」とし、その対策について持論を展開しています。

自民圧勝!安倍総理、今後の課題は?

皆さんご存知のように、選挙で自民党が圧勝しました。日本のために、とても良いことだと思います。昔からの読者さんはご存知ですが、私は今まで、選挙前に「○○党支持です」と書いたことはありませんでした。しかし、今回初めて「安倍総理続投を願っている」とず〜っと書き続けてきました。「まぐまぐニュース」には、「これほど外交が良好なのに、それでも選挙で日本をリセットすべきか」を書いています。この記事の中で、「理想の選挙結果」について触れています。

日本を「リセット」するのはもったいなさすぎです。私は日々世界情勢を追っていますが、日本ほどいい状態の国はありません。ですから、私は「日本のリセット」を望みません。ということで、今回の選挙、理想の結果は、

 

第1党=自民党:安倍総理が続投できるほど勝つ第2党=希望の党:消費税引き上げを阻止するためにがんばる

具体的に「どこの党が何議席」とは言いませんが、結果的に

 

安倍続投消費税引き上げ阻止

両方実現できれば理想的と言えるでしょう。

希望の党は、思ったよりもかなりボロボロでしたが、「安倍続投」が実現するのは、大変良いことだと思います。あと、「消費税引き上げ阻止」が実現すればいいですね。今回は、安倍さん、今後の課題について考えてみましょう。

直近の大問題は北朝鮮

外交、安全保障分野で直近の問題は、やはり北朝鮮でしょう。ここで重要なのは、「アメリカと歩調を合わせていく」という一点です。韓国の文さんみたいに、勝手に動くと、アメリカの信頼を失っていいことがありません。

普段アメリカに従順な日本。それでも、時々、しかも変な時に「独自外交」をすることがあります。たとえば日中国交回復を電光石火で成し遂げた田中角栄さん。キッシンジャーは激怒して、「ジャップは最悪の裏切り者だ!」と絶叫しました。たとえば、中国に行き、「私は人民解放軍の野戦軍司令官だ!」と全世界に宣言した小沢一郎さん。

独自外交は、いい時もあるし、悪い時もあります。北朝鮮については、「アメリカと一体化して動く」ことが最も重要です。

では、「アメリカが北朝鮮攻撃を決めたら、日本もそれを支援するのですか?」。当然です。日本は、アメリカの軍事同盟国なのですから。もちろん、自衛隊が北朝鮮を直接攻撃することはないでしょう。しかし、後方支援は、全力でやらなければならない。

ここで逃げたらどうなるのでしょうか? 日本は第1次大戦時、イギリスの「陸軍派兵要求」を断り続け、一兵も出しませんでした(海軍は、大活躍したが)。結果、戦後、日英同盟は破棄されることになった。イギリスはその後、反日に転じてしまいました。同じように、今回日本が日米安保を裏切れば、同盟は危機に陥るでしょう。日米同盟が破棄されれば、尖閣のみならず、沖縄も中国に併合されます。

というわけで、「北朝鮮」が大きな試練ですね。私たちは、「北朝鮮は、まさに日本の問題」であることを深く自覚している必要があります。北朝鮮の核ミサイルは、まだアメリカには届かない。しかし、日本にはバリバリ届くのです。北朝鮮を非核化するのは、まさに日本の国益です。もちろん、対話で解決できればいいですが、そうならないことも想定しておく必要がある。日本政府と日本国民の覚悟が試されます。

長期で最大の課題は、中国

私が安倍総理続投を願う最大の理由は、中国です。習近平と安倍総理は、ほぼ同じ時期にトップに立った。習の1期目は2012年11月に始まった。安倍総理が総理に返り咲いたのは、同年12月です。

当時の状況を振り返ってみましょう。2012年9月、民主党の野田総理が、尖閣国有化を決めました。それで、日中関係は、「戦後最悪」になってしまいます。習氏がトップに立った11月、中国はモスクワに代表団を派遣。ロシアと韓国に、「反日統一共同戦線」構築を呼びかけました。もう100万回書きましたが、この戦略の骨子は、

中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくる中ロ韓で、日本の領土要求を断念させる断念させる領土とは、北方4島、竹島、尖閣・【沖縄】日本に【沖縄】の領有権はない【アメリカ】を反日統一共同戦線に引き入れるべし

新しい読者さんは、下の絶対証拠を必ずご一読ください。

● 反日統一共同戦線を呼びかける中国

中国の戦略は、「アメリカ、ロシア、韓国と組んで、日本をぶちのめそう!」。この戦略を無力化させるために、安倍総理は、アメリカ、ロシア、韓国との関係を改善させてきました。特にロシアについては、オバマさんの反対を押し切って、改善させてきた。これは、「いい独自外交」の例です。結果、日本は、アメリカ、ロシア、韓国との関係を良好に保ち、習氏の「反日統一共同戦線戦略」は、無力化されているのです。

しかし、一時も油断はできません。安倍総理は、引き続き、アメリカ、ロシア、韓国との関係を深めるよう努力を続ける必要がある。さらに、インド、EU、台湾、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなどの関係もとても大事です。

まもなく2期目に突入する習近平氏。彼+「反日統一共同戦線戦略」との戦いは、まだまだ続いていきます。

必要な後継者教育

私は、安倍総理ができるだけ長く政権にとどまることを願っています。しかし、永遠に総理の座にいることはできない。それで、今から「後継者教育」をしておく必要があるでしょう。

現在、「次期総理候補」と言われているのは、岸田さん、石破さん、野田聖子さんだそうです。この中で、もっとも良いのは岸田さんでしょう。というのも、岸田さんは2012〜17年、外務大臣だった。つまり、総理と二人三脚で外交をされてきた。「反日統一共同戦線」を無力化したのは、安倍総理の実績ですが、岸田さんの実績と言ってもいいでしょう。

安倍さんは、岸田さんに、知っていることをすべて教え、知っているすべての有力者と会わせ、岸田さんが立派な総理になれるよう、育てていく必要があります。

消費税引き上げ中止を

日本経済は、好調です。この好景気は、外国で大きな問題が起こらない限り2019年10月まで続くでしょう。しかし、2019年10月に、大きな一撃が待っています。そう、消費税が8%から10%に引き上げられる。これで消費が落ち込むことは間違いありません。そして、2020年の夏、次の大きな一撃がやってきます。そう、五輪バブルの終焉。この二つで、2020年代のはじめ、景気は厳しい状況になるでしょう。

五輪バブル崩壊は、仕方ありません。しかし「消費税増税ショック」は回避できます。そう、消費税引き上げをやめればいい。このこと、安倍総理に是非お願いしたいと思います。

少子化対策が超重要

1番、外交、安保2番、経済

「3番目は何?」と聞かれれば、「少子化対策」をあげるでしょう。まだ、まったくマイナーな案ですが、私は、「3人子供を産んだら、国が住宅ローン2,000万円まで肩代りします」というのをやったらいいと思います。「2,000万円!」と聞くと、仰天し、「財源どうするんじゃ、ぼけ!」と怒られそうです。しかし、国は、「2,000万円の住宅ローンを、3人子供を産んだ家族にかわって、【30年かけて】返済していく」。だから、月々の支援額は、大したことないのです。

「子供が生まれるよう支援する」のは、「浪費」「消費」ではありません。支援した子供達は、やがて成長し、働き、40年間にわたって税金をおさめてくれる存在になるのです。これは、とても立派な「投資」です。

安倍総理は、後5年〜7年がんばってください!

安倍さんは、5年間総理をされて、「長すぎる!」などと言われます。世界水準でみると、まったく長期とは言えません。

たとえば、アメリカ大統領は、クリントン、ブッシュ(子)、オバマ、皆8年やりました。メルケルさんは、12年も首相をされています。プーチンは、14年。2018年3月に大統領選挙があり、後6年やるのは、確実でしょう。習近平は、5年の1期目が終わり、まもなく後5年の2期目が始まる。

こうみると、安倍総理の5年は、まったく長くありません。私としては、最低習近平の2期目が終わる5年後までがんばっていただきたい。できれば、さらに2年がんばって2025年まで首相でいてほしい。その頃になると、世界の様相もだいぶ変わっていることでしょう。

何はともあれ、自民大勝と安倍続投。今の日本にとっては、「最善の選択」なのです。

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