台風21号は列島各地に大荒れの天気をもたらし、週明けの交通機関に大きな影響を与えました。大雨や暴風、大雪の記録をまとめました。


週明けに列島直撃

16日午前3時にカロリン諸島で発生した台風21号「ラン」は、発達しながら北上し、21日には超大型で非常に強い勢力になりました。その後も勢力を維持したまま北上を続け、23日午前3時頃には超大型で強い勢力で静岡県御前崎市付近に上陸。本州の広い範囲を暴風域に巻き込みながら関東地方を通過しました。なお、「超大型」での上陸は1991年以降(※)、初めてのことです。
※1991年以降に、上陸時の強風域の大きさが観測されるようになりました。


記録的な大雨に

◆大雨
本州の南海上に前線が停滞したため、九州から東北は台風の接近前から広く雨が続きました。22日の昼頃からは台風本体の活発な雨雲がかかりはじめ、23日の朝にかけて近畿から東北のあちらこちらで非常に激しい雨に。三重県尾鷲市では、わずか24時間で580ミリを超える雨を観測し、10月1位の記録に。和歌山県新宮市では48時間雨量が900ミリ近くと、観測史上1位の記録を更新。そのほか近畿や東海、北陸の、あちらこちらで観測史上1位の雨量を更新しました。これらの記録的な大雨により、土砂災害が発生した所も。多くの河川が氾濫危険水位を超えて、名張川などで氾濫が発生しました。
◆暴風
台風は超大型だったため、風の影響は広範囲におよびました。兵庫県神戸市の最大瞬間風速は45.9メートルと10月1位に。風にあおられて転倒するなど、強風によりケガをした人もいました。台風が本州から離れた後も全国的に風の強い状態が続きました。飛行機の欠航や列車の運転見合わせが相次ぎ、週明けの交通機関は大きく混乱しました。
◆季節が一気に進む
台風が北から寒気を引き込んだため、23日は北海道で広く雪が降りました。札幌は初雪を観測。旭川は積雪が3センチに達するなど、平地でも雪の積もった所がありました。釧路市阿寒町阿寒湖温泉の積雪は23日正午に0センチでしたが、その後、一気に降り積もり、夜10時には23センチと10月1位の記録となりました。