20〜24歳と70〜74歳の死亡事故を起こす確率はほとんど同じ

 自動車というハードウェアの進化のおかげで、ここ数年にわたって交通事故は減っている。2017年上半期のデータを見ても、交通事故による死者数は1675名と10年前(2007年の同時期は2686名)から比べて4割減となっている。30日以内死者数も1980名と前年比でも8.9%も減っているほどだ。交通事故自体の発生件数も23万351件と前年比で3.3%ほど減っている。つまり、交通事故が減り、それによって命を落としてしまう人も少なくなっているのだ。

 ちなみに、交通事故被害によって亡くなってしまった方(運転していたとは限らない)の年齢別の統計をみると、もっとも多いのは80〜84歳の211名でもっとも多い。また45〜49歳は前年比で28.0%も死者数が増えているのは気になるところだ。もっとも、年齢層によって母数となる人口比が異なるので、絶対数だけで判断することはできない。

 では、交通事故を起こしやすい年齢というのは統計として存在しているのだろうか。じつは警察庁交通局の出している交通死亡事故統計の中には「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数」という項目がある。この数値を見れば、死亡事故を起こしやすい年齢層というのは明らかになるといえるだろう。

 ちなみに「第1当事者」とは、事故当事者のうち最も過失の重い者を指す用語だ。そして、各年齢層において上記の統計データを眺めていると、80歳以上と16〜19歳が突出して多いことが一目瞭然。2017年上半期のデータでは、85歳以上の死亡事故を起こした数値は免許保有者10万人中6.74件となっている。全体の数値が1.80件であるから高齢者は死亡事故を起こしやすいという批判は大旨合っているであろう。

 その対策として「サポカー」の愛称で呼ばれる先進安全装備の普及を目指すというのは間違っていない。冒頭記したように、この10年でも死亡事故の発生件数が増えているのは、プリクラッシュセーフティシステムの進歩と普及が役立っていることだろうと想像できるところでもある。

 では、必ずしも高齢者になるほど死亡事故を起こしやすいかといえば、さにあらず。免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を見ていると、20〜24歳も2.29件、25〜29歳でも1.89件とけっして少なくはない。70〜74歳の同数値が1.85件と全年齢での数値に近いことを考えると、交通死亡事故を減らすためには、肉体的な衰えが明確になってきた高齢者と運転や交通社会での振る舞いに不慣れな若年層と、いずれにも対策していく必要があることがわかる。

 しかし、死亡事故を起こしている絶対数でいえば45〜49歳が157件と突出して多い(20〜24歳の起こした死亡事故は109件、85歳以上が起こした死亡事故は38件)。団塊ジュニアが属する年齢層ということで母数が多いこともあるが、この年齢層が起こす死亡事故が前年比でも増えている点は、今後の事故を減らす対策として注目すべきポイントとなりそうだ。