『どうしてコレが選ばれた!? 日本三大○○調査隊!』(もぐら/竹書房)

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 松島・天橋立・宮島といえば「日本三景」。がん・心疾患・脳血管疾患であれば「日本三大死因」など、日本人は何かと「日本三大○○」を作りがち。そんな様々な「日本三大○○」を取り上げているのが、『どうしてコレが選ばれた!? 日本三大○○調査隊!』(もぐら/竹書房)だ。

 本書は「日本三大怪談」や「日本三大ドけち」「日本三大うどん」など、一度は聞いたことがある三大○○だけでなく、「誰がそんなこと言ってるんだ!」と思わずツッコミたくなってしまうものも紹介している。そこで本書に取り上げられているものをいくつか以下に挙げてみたい。

■日本三大美人

 日本の三大美人とは、佐々木希や鳥居みゆき、壇蜜らを生んだ「秋田美人」。安田美沙子や鈴木えみを輩出した「京美人」に、橋本環奈や山本美月が育った「博多美人」の3つ。確かに秋田・京都・福岡は美人が多い印象だ。

 ちなみに、秋田は年間を通して湿度が高く、日照時間が短いため、「秋田美人」にはしっとりとつやつやした黒髪・白い肌の女性が多く、縄文系の遺伝子が色濃く、彫りが深いと言われている。

「京美人」は洗練されたしぐさに、伝統に裏打ちされた教養が魅力。「博多美人」はもつ鍋や鶏肉などコラーゲン豊富な郷土料理を食べて育ち、流行に敏感なのだそう。

 とはいえ、冷静に考えて、上記に挙げたことが理由で多くの美人が生まれるというのは、正直疑わしい。実は「日本三大美人」にはカラクリがある。それは、夜のお仕事が関係しているという。京都はかつて島原という夜の街があり、福岡には有名な歓楽街・中洲がある。このように夜のお姉さまたちが活躍する環境があったことが理由の一つではないか、とのこと。加えて、東京に出稼ぎに来ていた若い女の子が多かったことも「日本三大美人」に影響を与えた可能性があるそうだ。

■日本三大がっかり名所

「有名な場所だから、きっと素敵なところなのだろう」と期待を込めて訪れたら「え? これだけ?」「思ったよりも小ぶりで…」とがっかりすることがあり、こんな名所は人知れず“がっかり名所”と呼ばれているとか。この日本を代表する3つのがっかり名所が時計台(北海道)・はりまや橋(高知)・オランダ坂(長崎)であるのをご存じだろうか。

 なぜこの3つが“がっかり名所”になってしまったのか。それはひとえに有名だから。時計台は北海道の旅行パンフレットを見ればメインを飾るほど大きな写真が使われている。そして、はりまや橋はよさこい節で歌われ、オランダ坂もさだまさしの「絵はがき坂」で有名に。

 つまり、有名になり過ぎてしまったがため、ハードルが上がり過ぎてしまった、というのが仮説だ。地元の良さをPRできていない地方にとっては、“がっかり名所”というレッテルは贅沢な悩みなのかもしれない。だからこそ、あえて“がっかり名所”として宣伝するのは、きっとアリだろう。むしろ、面白いので是非行ってみたい。

■日本三大祭り

 日本三大祭りといえば神田祭(東京)・祇園祭(京都)・天神祭(大阪)。だが、本書ではあえて花王ヘアケア祭り・東映まんがまつり・ヤマザキ春のパンまつりを挙げている。しかも、「花王ヘアケア祭り」と「東映まんがまつり」は現在行われていないため、参加(?)できるのは「ヤマザキ春のパンまつり」のみ。そう、このテーマはほぼネタ回なのである。

 後は、数ページにわたって「ヤマザキ春のパンまつり」の説明やもらえるお皿の素晴らしさ、効率的にポイントを集める方法が親切に書かれている。

 他にも、うどん県こと、香川県の県民がうどんに懸ける想いや「日本三大夜景」が選ばれる基準など、読んでいて思わず笑ってしまうもの、「へぇ、そうなんだ!」と新たな発見ができるものが多い。しかもマンガ仕立てで書かれているので、スラスラ読める。移動中のちょっとしたスキマ時間のお供におススメだ。

文=冴島友貴