秋田ひろむと豊川真奈美によるamazarashiが10月19日に、東京・中野サンプラザで全国ツアーワンマン『amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」』の振替公演をおこなった。3月にリリースされたベストアルバム『メッセージボトル』を引っさげておこなうというもの。ツアーは8月の地元青森公演でファイナルとなったが、6月23日に開催された同公演はサポートメンバーの体調不良によりライブ半ばで中断、今回はその振替公演。「空に歌えば」や先日先行配信された「フィロソフィー」など全19曲を披露した。透過スクリーンを使用したステージで、現実世界から解き放たれるような感覚を与え、オーディエンスをamazarashiの持つ世界観で満たし、「メッセージボトル」ツアーの幕は閉じた。【取材=村上順一】

新曲「フィロソフィー」を披露

(撮影=木村篤史)

 中野サンプラザに入った瞬間、既に通常のライブとは違った空気感を感じる。去る6月23日におこなわれた同公演が中断。終演を余儀なくされ、約4カ月後のこの日に、満を持しての再演。秋田ひろむもMCで心のどこかでこの公演のことが胸に突っかかっていたと話していた。

 開演時刻になり会場は暗転。透過スクリーンに映像が映し出され、その奥には秋田ひろむと豊川真奈美、サポートメンバーの姿が見える。生々しい言葉を紡いでいく「ポエジー」でライブの幕は開け、畳み掛けるように「ヒーロー」へと繋がる。アグレッシブなバンドサウンドに、独特なエモーションを持つ秋田の歌声。声を発する度に空気感が変わっていくのがわかる。

 ギターの豪快なフィードバックから始まったのは「ヨクト」で扇情させ、「隅田川」では、歌の表情を変え新たなサウンドスケープを見せる。そして「ワンルーム叙事詩」で、スクリーンには圧巻の炎で埋め尽くされる。映画のワンシーンを見ているかのような、息を飲むステージ。

 特に社会派を強く感じさせるシリアスな詞が印象的な「メーデーメーデー」。メロディックな部分とフロウする部分では激情型ともいうべき2面性でメッセージを叩きつけていく。そして、代表曲「つじつま合わせに生まれた僕等」では、MV映像と同調したサウンドと歌で、視覚、聴覚と刺激していく。

 まさに衝動とも言えるような言葉をぶつけた「後期衝動」から、12月にリリースされるタイトル未定のニューアルバムから新曲「フィロソフィー」を放つ。“哲学”という意味を持つ楽曲は、さらに昇華した鮮烈な歌詞と歌で、中野サンプラザを席巻していく。観客もそのamazarashiの放つ熱を浴びるかの、静かに身体を委ねるように聴き入っていた。

 そして、「空に歌えば」では、スクリーンいっぱいに蒼天の空が広がっていく。<必然 必然 なるべくしてなる未来だ それ故、足掻け>と、投げかけていく秋田の歌と、光が差すかのような豊田のコーラス、突き抜けるようなサウンドが合間って、化学反応を起こしているようだった。「しらふ」で言葉を紡いだあと、ライブは終演へ向けて進んでいく。記憶のかけらとも見える無数の物体がスクリーンを上昇していく「美しき思い出」。そこに、思い出のビジョンが降り注ぐ。映画を見ているかのような臨場感。

ずっと胸に突っかえているものがあるような...

(撮影=木村篤史)

 ここでMCを挟む。秋田は「今日で終わりを迎えることができそうです。ずっと胸に突っかえているものがあるような感じだったんですけど、今日このメンバーでやれて、なんか終わるのも勿体無いなって思いながらやってました」と話し、アマチュア時代にやっていたライブがこの『メッセージボトル』だと説明。「7〜8年前と比べると、会場も大きくなって人もたくさん来てくれる。でも当たり前のように辛いことあるし、死にたい夜だってある。それでも皆さんの顔が見れてこのメンバーでやれて良かったんじゃないかなと思いました。ありがとうございました」と今日再びこの場所に集まってくれた観客へ感謝を告げる。その言葉に大きな拍手で返す観客。

 続いて、「このツアーのテーマソングのようになってしまいました」と語り始まったのは「たられば」。スクリーンにはダイヤモンドダストのような輝きを放つ。<失敗も後悔もしないように でもそれは果たして僕なんだろうか>と最後の歌詞が、考えさせられる。この先もamazarashiにとって重要な曲になっていくことを予感させた。

 「命にふさわしい」では、上昇していく“心”の文字が印象的に目にやきつく。強いメッセージと音の相乗効果、ステージ上からは、その相乗効果ともいうべきエネルギーが渦巻いていた。ラストは「スターライト」。スクリーンには銀河が広がり、その中を汽車が走り抜けていく。壮大な世界観で中野サンプラザを包み込み、エンディングに相応しい希望感に満ちたなか、『メッセージボトル』ツアーの幕は閉じた。

(撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史)
(撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史)
(撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) 6月23日の『amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」』の振替公演をおこなったamazarashi(撮影=木村篤史)
(撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史)
(撮影=木村篤史) (撮影=木村篤史)

セットリスト

01.ポエジー
02.ヒーロー
03.ヨクト
04.隅田川
05.ワンルーム叙事詩
06.奇跡
07.メーデーメーデー
08.ピアノ泥棒
09.つじつま合わせに生まれた僕等
10.少年少女
11.後期衝動
12.フィロソフィー
13.空に歌えば
14.ひろ
15.しらふ
16.美しき思い出
17.たられば
18.命にふさわしい
19.スターライト
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