ソラマチで開催された「eスポーツ体験イベント」の様子。画像提供:SHIBUYA GAME

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 あいにくの天候のなか投票日を迎えた衆議院議員選挙は、自民党の圧勝という結果となった。その投票日からさかのぼること1週間、東京スカイツリータウン「ソラマチ」にて開催された、東京選挙管理委員会主催のPRイベントが注目を集めた。

 イベント名称は「eスポーツ体験イベント」、eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、コンピューターゲームの対戦を競技として呼ぶ名称である。

 選挙×ゲームという異色のコラボイベント「eスポーツ体験イベント」について、東京都選挙管理委員会へ取材を実施した、eスポーツに特化したWebメディア『SHIBUYA GAME』の編集長、石川龍氏は開催の経緯をこう説明する。

「若い人への投票の呼びかけや投票期日の周知に、課題意識があったようです。そこで、先日の東京ゲームショウで『e-SportsX』(イースポーツクロス)という競技大会が若者に人気だったeスポーツに注目、白羽の矢が立ったのでしょう」

 eスポーツ体験イベントに登壇したプロゲーマーの一人、どぐら選手は大阪を拠点とするプロゲーミングチーム「CYCLOPS athlete gaming」に所属するプレイヤーだ。

 プロゲーミングチーム「CYCLOPS athlete gaming」の運営企業、eスポーツコネクト株式会社の代表取締役社長、伊草雅幸氏にどぐら選手のイベントへの派遣について聞いた。

「一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)を通じてオファーが来ました。東京都の選挙イベントに、大阪のチームの選手が招集されるのは珍しいと思います。どぐらは、つい先日台湾で開催されたTWFighter Major 2017のストリートファイターVで優勝を果たした選手でもあります。そういった実績が認められて声がかかったのでは」

 イベントブースでは、投票用紙を投票箱へ入れる「投票体験企画」や、選挙ポスターの掲示、ノベルティ配布なども行い、若い世代へ選挙を身近に感じてもらう取り組みも実施されていた。当日の盛況ぶりに、伊草氏は従来のイベントとは異なる手応えを感じているという。

「これまで、eスポーツイベントの観戦者はコアなゲームファンが中心でした。しかし今回のイベントは、ソラマチという観光スポットでの開催だったこともあり、従来のゲームファンに加えて、一般の家族連れや外国人観光客といった、これまでのイベントではリーチしづらい層も多数参加していました。eスポーツという競技を幅広い層に認知してもらう良い機会となりました」

 このほかにもプロゲーマーチームを運営する立場として、「今回のようなコラボイベントには期する部分がある」と伊草氏は語る。

「eスポーツは、ゲームパブリッシャーや、PCおよび周辺機器メーカーといった、ゲーム関連企業のスポンサードによって支えられている部分が多いです。今回のイベントで、eスポーツが集客チャネルとして有効であるという認知が進めば、一般企業や団体とのコラボレーションが増えるものと考えます。そこから新たなスポンサードの話も生まれてくるでしょう」

 そう次なる展開への期待を寄せている。

 若者層にリーチしたい選挙管理委員会と、一般層への認知をはかりたいeスポーツ、両者の思惑が一致したことで実現したイベントは、盛況のうちに幕を閉じている。

 その反響や盛り上がりは、伊草氏の見立て通り、eスポーツが市民権を獲得しプロゲーマーの活躍を身近に感じる機会が増えることを確信できるものだった。

<取材・文/栗林 篤>

【栗林篤】
元IT企業のサラリーマン。年収300万円以下生活の傍ら、株式投資と不動産投資をはじめて、セミリタイアしてフリーライターに。優待株100超を保有、区分1貸家5アパート1を運用。公式ブログ「節約×株主優待×不動産投資でセミリタイアしたブログ 」更新中。著書『サラリーマンのままで副業1000万円』発売中