痛みの治療で最も多く使われる「星状神経節ブロック」とは?

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ペインクリニックの治療でおもに使用される「神経ブロック」は、神経のそばに薬液を注入することで、神経の伝達を一時的に遮断(ブロック)する治療法です。それによって痛みをとったり、血流を改善したりします。その中でもペインクリニックでもっとも多く用いられているのが「星状神経節ブロック」です。頸椎の横に張りだした「横突起」の前方には神経節がいくつか並んでおり、そのなかのひとつが星状神経節になります。ここでは、星状神経節ブロックの具体的な治療効果をご説明します。

直接痛みを止め、血流をよくします

星状神経節ブロックには大きく分けて2つの効果があります。1つめは、神経の興奮を抑えて直接痛みを止めること。2つめは、血流(末梢の血流、脳の血流、臓器の血流)を改善することです。たとえば、ストレスによる頭痛や肩こりが長いあいだ続いている場合、星状神経節ブロックをおこなうと、とくに上半身の痛みの信号が脊髄に入ることをブロックすることができるので、痛みの悪循環の始まりとなる部分を断つことができます。

星状神経節ブロックで花粉症やアトピーの症状を軽くします

花粉症などのアレルギー性鼻炎、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、自律神経や免疫システムの異常で起こる病気です。星状神経節ブロックは、これらの疾患にも効果があります。ただ、これらの疾患は、痛みに対する治療より時間がかかります。1回や2回の治療では効果がでないため、30回を目標に治療をおこなっていきます。

アトピー性皮膚炎のかゆみも抑えます

星状神経節ブロックは、アトピー性皮膚炎のかゆみも抑えることができます。皮膚を掻かなくなることで、「皮膚症状の悪化でかゆくなる→皮膚を掻く→掻いた刺激でさらに皮膚症状が悪化する」という悪循環を断つことができます。
この、かゆみを抑える作用と自律神経のバランスを改善させる作用によって、自律神経失調症を合併している慢性の湿疹や、全身に広がってしまう自家感作性皮膚炎も治療することができます。 即効性は期待できませんが、粘り強く治療することで効果が期待できます。

星状神経節ブロックは他の病気にも有効です

星状神経節ブロックは、その他にもさまざまな病気や症状に効果を発揮します。手のひらや足の裏に膿がたまった皮疹(膿疱)が無数にできる「掌蹠膿疱症」、「月経困難症」「過敏性腸症候群」に効果があります。また「睡眠の質の悪化」も改善します。急性の「顔面神経麻痺」「突発性難聴」にも有効です。顔面神経麻痺や突発性難聴は、早めに治療をしないと神経の働きがもとに戻らなくなるので、一刻も早く治療を始めることが大切です。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、星状神経節ブロックの様々な効果についてご紹介しました。星状神経節ブロック は、頭、顔、頸部、肩、腕など上半身の痛みやしびれに対しておこなう神経ブロックです。腰痛にも有効です。頚椎ヘルニアや頚椎症のように、首や肩、腕といった頚神経が支配する場所に痛みが出ているときに星状神経節ブロックをすると、痛みがとれてとても楽になります。
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参考書籍:河手眞理子著『「痛みの名医」が教える 体の痛みがスッキリ消える』(二見書房)

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