[鵬捨看靴琉豐穃映像制作のススメ]Vol.04 一眼動画用三脚=写真用三脚+ビデオ雲台という選択

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一眼動画用三脚の筆者的持論

三脚は何を使っていますか?という質問を受けることがある。これは、一眼動画用三脚で悩んでいる方が多いということだろうと理解しているが、筆者的にこの部分は持論があって他人の機材を参考にしたことがない。

主力の撮影機材である一眼(レフ)カメラ+カメラケージ+ズームレンズ程度の組み合わせの場合は、マンフロットの055シリーズのカーボン三脚に、同社純正のレベラー438+LibecのTH-Xのヘッドの組み合わせがお気に入りで、カメラ+単焦点レンズでシンプルに使うならマンフロットの190GOシリーズのカーボン4段に、スリックのレベラー+マンフロットのMVH500を組み合わせて運用している。

シングルチューブの三脚は、開脚によってローアングにも対応するし、ちょっとしたアングルの上下にはセンターポールが活躍する。とにかく手早く微妙なアングルに対応するなら多少の安定性を犠牲にしても、これらの組み合わせで撮影してしまうことがほとんどである。風が強い時はレンズの手ぶれ補正をONにするなど、多少乱暴ではあるが時間優先で現場を回すことに注力している。ただし、雑に撮るとかというわけではなく、ローからハイまで、アングルを変えながら手早く撮るための運用なので、そこは勘違いしないでいただきたいところだ。

マンフロットの055、190の各現行モデルの大きな特長の一つが、90°センターポール仕様で、真俯瞰の撮影にも柔軟に対応できる。この機能でアングルの自由度が高まることはご覧の通りだ

写真と動画は思った以上に似て非なる業種であるがゆえに、両方をこなすハイブリッドカメラマン以外では機材の流用は乏しいのが現状である。しかしながら、お互いにとって便利な機材というのは山ほどある。三脚という部分でも、お互いの機材利点はなんとなく理解していても、両方を使ったことがあるという方は少数だと推測する。そのような中で、筆者なりに両カテゴリーの機材を融合させた、一台二役や三役になる機材の組み合わせをご紹介したい。

マンフロットの190GO 4段と、055 3段の比較

昨年導入したカーボン三脚、マンフロットの190GO 4段と055 3段。高さと収納高だけで判断しがちだが、シングルチューブ故のねじれにも配慮した選定で、高さを稼ぎたい055はあえて3段として、ハイアングル時の足の捻れに配慮。190GOは4段を選択、捩れには多少目をつぶり機動性を重視した選択だ。

手頃な価格のアルミ製ではなく、あえてカーボン製を導入している。触れば一目瞭然なのだか、シングルチューブが故に捻れ剛性には大きな違いがある。これは雲台を操作した時の安定感を大きく左右する要素で、重さの安定感=アルミ製のメリットはあるが、剛性感=パン・チルトの安定感では圧倒的な差が生じる。小型の190GOであえて4段としているのは、電車移動やバックパッキングでのコンパクトさを優先しているわけだが、カーボン製にすることで少しも剛性をあげて動画用に最適化しているのだ。軽さという点も無視できないが、それ以上に剛性をカーボン三脚には求めている。

階段や段差などに対応しやすいのがシングルチューブのメリット。足の開脚と組み合わせれば、あらゆるアングルから撮影が可能となる未だ課題の残るレベラー部分。強度が高いものは重く、必要以上に重心が高くなってしまう。小型軽量なものは、締め付けが甘く、雲台のパントルクに負けて水平がズレていくことも。この辺は今後改善された製品が出て来るのを待つしかないフラットタイプの雲台のバリエーション不足も大きな課題で、選択肢は非常に限られている。マンフロットのナイトロテックN8の登場(日本国内では11月1日発売)で、レンズ交換やアクセサリーで重量バランスが大きく変化する一眼動画への不満が一気に解消されることに期待したい。下段のナイトロテックN8の写真はNAB 2017取材時のものNAB 2017の取材の際に触れた新機構のカウンターバランスシステムのナイトロテック雲台。0kgから8kgまでカウンターバランスが調整できることで、レンズやアクセサリーの組み替えで重量バランスが大きく変化する一眼動画機で格段に使い易くなっているレベラーとフラッドヘッドの組み合わせでは、こういった副次効果もある。レベラーの上にスライダーを乗せ、フラッドヘッドでサンドイッチ。筆者はクランプと自在アームで片側を支えて、レベラーへの負荷を低減させている。現場によってはこのままで移動しながら大抵のカットに対応している

ご紹介した機材はビデオ店で定番の取り扱いがないアイテムも多いが、視野を広げて探せば便利な機材はたくさんある。使いこなしには個人の想像力と工夫が必要ではあるが、カメラが軽く小さくなった恩恵はこういった部分に生きてくるというのが筆者の持論である。これを機に、カメラワークの核となる三脚と雲台について、自分に最適な機材が何なのかを一度見直してみてはいかがだろうか?

今後も機会があれば、我流ではあるが現場のノウハウを少しずつ書いて行きたい。