泣く赤ちゃんをあやす母親(2010年9月7日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】赤ちゃんの泣き声を聞いた母親の脳では、運動と言語に関連する特定の部位が活性化されるとした研究論文が23日、発表された。世界数か国の母親を対象とした調査の結果は、生物学的な母性本能が存在するとの説を補強するものとなった。

 米国立衛生研究所(NIH)が行った今回の研究では、文化の違いに関係なく、母親は泣いている自らの子どに対して、愛情を示したり、注意をそらしたり、世話をしたり、抱き上げて抱っこしたりといった、何らかの反応を示す可能性が高いことが明らかになった。

 研究チームは、母親の脳に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使用して、母性行動に関する一連の調査を実施した。

 調査では、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、カメルーン、フランス、イスラエル、イタリア、日本、ケニア、韓国、米国の11か国の新米母親と生後5か月の第1子の684組を対象に、各家庭での母子の交流を1時間にわたって観察した。

 その結果、赤ちゃんの泣き声が、運動と言語に関連する脳の部位を刺激するだけでなく、言語発声と音声処理に関与する部位を活性化することが、fMRI画像で判明した。

 また、別の女性グループにfMRIを使用した調査では、赤ちゃんの泣き声が、新米の母親と子どもを育てた経験を持つ母親の脳に、同様の活動を引き起こすことも分かった。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文の執筆者らは「全体的に見て、幼児の泣き声に対する母親の反応は人の脳に組み込まれており、文化を超えて一般化できることを今回の研究結果は示唆している」と結論づけている。

 今回の研究は、幼児の鳴き声に対する反応が男性と女性の脳で異なることを示した別の研究を踏襲している。
【翻訳編集】AFPBB News