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●テーマは、「THE EDGE OF NEXT」

米テラデータは、2017年10月22日〜26日(現地時間)、米カリフォルニア州アナハイムのアナハイムコンベンションセンターにおいて、「Teradata PARTNERS Conference 2017」(通称・PARTNERS)を開催している。

今回で32回目となるPARTNERSは、テラデータのユーザー企業によって構成されるPARTNERS運営委員会(PARTNERS Steering Committee)が、企画および運営を行っているのが特徴だ。

「データ」と「アナリティクス」のグローバルイベントとして、IT部門のみならず、経営者、事業部門、マーケティング部門など、全世界55カ国から、900社以上、約4000人のユーザー企業などが参加。日本からも約40人が参加した。

今年のテーマは、「THE EDGE OF NEXT」。「次に起こることの瀬戸際まで行くこと」を示し、「データとアナリティクスを活用することで、IoT、データサイエンス、スマートシティ、コネクテッドカー、ハイブリッドクラウド、AIなどから、新しいビジネスモデルを創出する最先端の取り組みを指す」という。

会期中には、200以上のセッションやワークショップが開催され、そのうちの半分以上がユーザー企業の事例に基づくセッションとなっているのも、PARTNERSの特徴だ。金融や流通、製造、通信、運輸をはじめ、各業界におけるデータ活用事例が紹介され、日本の企業によるセッションも用意された。じぶん銀行、楽天トラベル、JCB、住信SBIネット銀行などが、セッションを通じて、個別に事例を紹介した。

10月23日午前9時から行われたオープニング・ゼネラルセッションでは、進行役をエミー賞を受賞したTVパーソナリティーのKatie Linendoll氏が務め、会場を盛り上げたほか、ゲストスピーカーとして、マサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボの伊藤穰一所長が登壇し、インターネットや仮想通貨の広がり、AIや自律化システム、自動運転などによって、時代が大きく変化していることに触れながら、自らの研究への取り組みなどについて説明した。

米テラデータのビクター・ランド社長兼CEOは、「テラデータのミッションは、顧客を手伝い、成長を支援し、ローリスクで展開できるようにすることである。アナリティクスは将来の中核であり、ニーズがあることを理解している。拡張性を持っていること、新たなものに対応できること、迅速に実装し、利用できることがテラデータの特徴。これは他社にはないものである。また、テラデータは世界はどこに行くのかを予測し、そこに投資をしている。テラデータの顧客が、それを使いたいと思ったときにすぐに使えるように準備している」と語った。

今回のPARTNERSでは、Teradata Everywhereの考え方を、さらに進化させたことが特筆される。

同社は、昨年のPARTNERSで「Teradata Everywhere」を打ち出したが、これまでがプラットフォームを対象とした考え方であったのに対して、ソフトウェア、サービスにまで考え方を拡張している。

Amazon Web Services、Microsoft Azureといった複数のパブリッククラウドをはじめ、Teradataマネージドクラウド、プライベートクラウドのVMware仮想化ソフトウェア、またオンプレミスのTeradata IntelliFlexのプラットフォーム上で、Teradataの超並列処理分析データベースの利用が可能になるのに加えて、ソフトウェアに関しても、ひとつのライセンスで様々なプラットフォームで利用できるようにし、さらにサービスにおいても同様の考え方を持ち込んだ。

米テラデータのオリバー・ラッゼスバーガーエクゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・プロダクト・オフィサーは、「最先端を行く企業は、データとアナリティクスを活用している。これを支援するのが、Teradata Everywhereとなる。俊敏性と柔軟性があるデータとアナリティクスを、ビジネスニーズの変化にあわせて提供することができる考え方である」としながら、Teradata Everywhereでは、どんな分析ツールにも対応し、拡張に優れた「Analyze Anything」、柔軟な展開オプションを提供する「Deploy Anywhere」、ソフトウェアの購入オプションを多様化した「Buy Any Way」、投資の保護と移動性を実現し、様々な環境構築を可能とする「Move Anytime」という4つの特徴があることを示した。

「Analyze Anything」では、すべてのデータにアクセスでき、カスタマエクスペリエンスにつながる分析が必要であるとし、そのためには、ひとつの分析エンジンでは対応が不可能であると指摘。その解決に向けて、Teradata Everywhereの主要コンポーネントのひとつとして、Teradata Analytics Platformを発表した。TeradataとAsterのテクノロジーを統合し、データサイエンティストが活用する高度な手法を実行。これによる分析機能のほか、Spark、TensorFlow、Gluon、Theanoなどの主要な分析エンジンや業界で推奨される分析ツール、言語のほか、豊富なデータタイプをサポート。単一のワークフロー内で、データを、迅速かつ正確に作成し、分析できるようにする。

「ひとつのモダンなアーキテクチャーによって、あらゆるニーズに対応できるのであれば、それを活用したいというユーザーは90%に達する。実際、作業時間の8割はデータ移行に使われ、分析やモデル化に時間が使われていない。それを解決する必要がある。Teradata Analytics Platformは、業界最高のスケーラビリティ、弾力性、パフォーマンスを組み合わせることで、顧客にとって優れたビジネスインサイトを提供することができる」(テラデータ オリバー・ラッゼスバーガーエクゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・プロダクト・オフィサー)

「Deploy Anywhere」では、様々な展開オプションを用意し、同じコードでありながら、AWSやAzureなどのパブリッククラウドでも、テラデータクラウドでも、テラデータハードウェアでも、コモディティ化したハードウェアでも展開できると語り、「これができるのはテラデータだけであり、他社のソリューションでは、この機能はこの環境でしか使えないという制約がある。だが、Teradata Everywhereでは、どの環境でも同じ機能が同じように使える。ユーザー自身でクラウド環境を選択できる」とした。

「Buy Any Way」では、「ユーザーの85%がビジネスにフォーカスしたいと考えているが、基盤にフォーカスしてしまう傾向が強い」と指摘。Teradata Everywhereでは、Enterprise、Advanced、Base、Developerの4つの製品を用意し、それぞれのニーズにあわせた選択肢を用意したことで、「基盤を意識せず、小さく導入して、大きく育てることができる」とした。また、Intelli Cloudを新たに発表し、「これは、Performance as a Serviceという考え方に基づいたもので、最大の投資効果を実現するためのものになる。セキュリティもサービスとして提供することになる」と述べた。

「Move Anytime」では、将来の変化にあわせたり、必要に応じて展開すしたりといった場合にも、柔軟に、財務的負担をかけることなく展開できる環境を実現できる点を強調。エンタープライズで求められるパフォーマンス、拡張性、弾力性、自動化に対応できるようにしていることを示した。

さらに、100万のクエリーを同時に処理したときに、クラウドデータベースでは、60万ドルの費用がかかったものが、Teradata Analytics Platformでは、60ドル以下で済んだことや、クウラドデータベースでは構築に9カ月を費やしたものが、Teradata Analytics Platformでは10分で構築できたことを示した。

●Teradata IntelliSphereを発表

一方、費用効果が高く、拡張性を持った分析エコシステムを実現するTeradata IntelliSphereを発表。分析に必要なソフトウェアポートフォリオを、エコシステムとして統合した製品と位置づけており、企業は、シンプルなサブスクリプションベースのソフトウェアライセンスを1つ活用することで、アクセス、展開、管理に必要なすべてのコアソフトウェアを利用できるという。また、Teradata IntelliSphereは、Teradata EverywhereとTeradata Analytics Platformを補完する製品になると位置づけている。

Teradata IntelliSphereは、Teradata Listener、Teradata Data Lab、Teradata QueryGrid、Teradata Unity、Teradata Hybrid Cloud Manager、Teradata AppCenterなど、10種類のソフトウェアコンポーネントで構成。さらに、将来的には新しいソフトウェアソリューションがリリースされる予定であり、IntelliSphereを通じて、新たなソフトウェア製品にもアクセスできるという。ちなみに、ヤフー・ジャパンが、全世界の最初のユーザーとして、IntelliSphereを採用している。

また、データサイエンスのスキルと分析の専門知識を、体系的で再現性の高い分析機能を提供するサービスとして、TeradataのAgile Analytics Factoryを提供。Analytic Ops Acceleratorや、業界データモデルを含むTeradata Business IPを活用することでし、深層学習モデルの生成、検証、展開、および管理を容易にするという。

Agile Analytics Factoryは、TeradataのVelocityサービスポートフォリオの主要なプラクティスとIPを活用。Velocityでは、分析戦略のアドバイス、分析的なロードマップの作成、多様な分析的なエコシステムの構築と実装により、ビジネス価値を最大化し、分析のあらゆる段階の企業を支援することができるという。

さらに、同社のAIへの取り組みとして、AI as a Servicesについても説明。不正検知や製造パフォーマンスの最適化、リスクモデリングなどにおいて、AIを活用することで、クライアントを支援。Financial Crimes AcceleratorやAnalytic Ops Acceleratorのほか、AI Rapid Analytic Consulting EngagementやAI Foundation Serviceなどにより、迅速なビジネス結果の提供と、AIからの実装リスクの低減を可能にしながら、AIをすぐに活用できる環境を提供するという。

「データサイエンスに関しては41%のCIOがスキルが足りないと言っている。その一方で業務の改革のために、AIに多くの投資が行われており、80%の企業がAIに投資をしているとの回答があるが、AIに適切な基盤がないという回答が42%、AIの必要なスキルが揃っていない企業が34%となっている。ITおよびビジネス意思決定者の91%が、AIの実現に障壁があるとみている。こうしたギャップを取り払うのが、Velocityであり、AI as a Servicesである」(テラデータのリック・ファネルシニアバイスプレジデント)と位置づけた。

事例として、北欧の金融機関であるDanske Bankを紹介。2016年秋から、Think Big Analyticsチームが協力して、Financial Crimes Acceleratorを不正検知に活用することで、すでに誤検知率を60%削減。リアルタイムで何100万ものオンラインバンキング取引データから、深層学習によって潜在的な特徴を導きだし、効率化と数100万ドルのコスト削減につなげているという。

 ファネルシニアバイスプレジデントは、「コールセンター、航空機業界、海運輸送、金融といった幅広い業界に対して、VelocityとAnalytic Ops Acceleratorを提供することが可能であり、企業にとっては、ゲームチェンジにつなげることができる」と述べた。

 ラッゼスバーガーエクゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・プロダクト・オフィサーはまとめとして、「将来に向けたビジネスの準備や、意思決定や決断のリスクを軽減するためには、Teradata Everywhereを活用してほしい。常に変化するビジネスニーズに対しても俊敏に対応でき、アナリティクスのイノベーションにも取り組むことができる。しかも、アナリティクスを拡張できる。テラデータは、ビジネスアウトカムを最大化するために、テクノロジーを強化し、イノベーションをエッジまで進めている。企業の問題解決に対して、サポートすることに尽力しているのがテラデータである」と締めくくった。