痛み止めを予防の為に使っていない? 間違った使い方は危険!

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走る前に飲む痛み止めはNG!

ロキソニンを飲んで走ったり、バンテリンのような痛み止めを事前に塗って走るというランナーが多いようです。しかし、ロキソニンなどの消炎鎮痛剤は、レース中の痛みを緩和させてくれる効果がありますが、実際に内服したり塗布しても痛みを薬で感じなくさせているだけです。つまり、痛みのサインを消して患部に負担をかけることになるため、かえって痛い部分の症状が悪化する可能性があり、おすすめできない方法です。

また、薬の影響やレースによる脱水などで腎臓に負担がかかり、場合によっては腎不全を起こすことも知られています。そのため、レース中の痛みに関しては、アイシングなどで対応するのがベストです。消炎鎮痛剤をはじめから使用しないと完走できないくらいなら、そもそも痛みの原因を知り、その対策をしないかぎり改善しません。

もしレース中に痛みが出て走れなくなったら、完走するために消炎鎮痛剤を使用するのではなく、リタイアした後に帰宅するまでの痛みを改善させるために、お守りがわりに持っておくくらいの使いかたが望ましいでしょう。

ライター:楠田圭子(RUNNING style)
出典元:RUNNING style.95「ランナーにいいこと、悪いこと」/監修:蔵本理枝子(日本整形外科学会認定専門医・日本整形外科学会認定スポーツ医)