このほど、米国の市場調査会社CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)がまとめたレポート(PDF書類)によると、米国における、米アマゾン・ドットコムの有料会員プログラム「Prime(プライム)」の会員数は、今年7〜9月時点で9000万人となった。

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堅調に増加を続けるPrime会員

 これに先立ち、CIRPが公表していた今年4〜6月時点のPrime会員数は、8500万人だった。国連機関である国際通貨基金(IMF)の推計によると、2017年における米国人口は3億2500万人。つまり、同国では約3.8人に1人がPrimeに加入している計算だったが、この比率は7〜9月でさらに拡大。今、同国では実に3.6人に1人がPrime会員となっている。

(参考・関連記事)「アマゾンのPrime会員、米国で8500万人に到達」

 CIRPによると、米国のPrime会員は、1年前の約6500万人から38%増えた。また2年前の4700万人との比較では91%増と、ほぼ倍増している。アマゾンがPrimeを米国で始めたのは2005年2月だったが、それ以来、会員数は右肩上がりで伸び続けている(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 この7〜9月の前の四半期と比べた伸び率は6%と、幾分小幅な伸びにとどまるものの、「アマゾンは着実にPrimeの会員数を増やしている」(CIRP共同創業者のジョシュ・ローウィッツ氏)。また、アマゾンのeコマース全顧客のうち、Prime会員は63%を占めると言う。この勢いで推移すれば、Primeの米国会員数が1億人に到達するのは、そう遠い未来のことではないと言えそうだ。

会員特典を続々追加

 米国のPrimeには、追加料金なしで商品が2日後に届く「Two-Day Shipping」や、1回の買い物金額が35ドル以上になれば、同じく追加料金なしで商品が即日届く「Same-Day Delivery」といった特典がある。

 さらに、有料の1時間以内配送「Prime Now」、生鮮食料品を配達する「AmazonFresh」、映画・テレビ番組が見放題になるストリーミングビデオサービス「Prime Video」、聴き放題の音楽ストリーミングサービス「Prime Music」、電子書籍を無料でレンタルできる「Prime Reading」、写真を無制限にクラウドストレージに保存できる「Prime Photos」などもあり、アマゾンはこれらを日本でも提供している。

アマゾンに巨額をもたらすPrime

 また、同社は、毎年7月、会員向けの大型セール「Prime Day」を行っている。3回目となった今年は7月10日〜11日に世界13カ国で開催した。米インターネットリテイラーの推計によると、その売上高は、前年比約60%増の24億1000万ドル(約2740億円)。このうち、米国の売上高は約15億6000万ドルで、その大半を占めた。

 Prime会員はアマゾンに巨額の収入をもたらしている。CIRPによると、1人のPrime会員が1年間にアマゾンで買い物をする金額は1300ドル(約14万8000円)。これは非Prime会員の700ドル(約8万円)を大きく上回っている。

 単純に会員1人当たりの年間支出額にその人数を乗ずると、1170億ドル(約13兆3076億円)になる。また米国におけるPrimeの年会費は99ドル。Primeには、月額制料金プランや、低所得者向けの手頃なプランもあり、料金体系はさまざま。しかし単純に、この99ドルに会員数を乗ずると、89億ドル(約1兆134億円)。アマゾンは会費だけで、これだけの金額を得ているというわけだ。

筆者:小久保 重信