犬に落ち着く場所を与える必要性

どのような場所が犬にとって「落ち着く場所」であるかを知る前に、犬に落ち着く場所を与えることの必要性を考えていきましょう。落ち着く場所というのは安心できるというメリット以外にも様々な必要性があるのです。

1.1人になれる空間でストレスフリー

まずは先ほども話した通り、犬にとって安心感のある場所を与えてあげることで、リラックスすることができるという効果が挙げられます。

犬は飼い主と一緒にいることに幸せを感じることが多く、スキンシップをとったり一緒に遊んだりしてもらうことが大好きです。しかし、そんな犬も1人になりたい時があります。

ちょっと疲れた時や落ち着いて眠りたい時に自分だけの場所があれば、ストレスを感じずに休むことができますよね。「家族のことは好きだけれど、たまには1人でのんびりしたい時もある」という人間の心理と似ています。

このように犬にとって「落ち着いて休みたい」と思った時、いつでも安心できる場所を与えてあげることで、安心感を得ることができるのです。

2.縄張り意識を常に働かせない

先ほどの「安心感」に繋がってくる理由として、もう1点挙げられるポイントが「縄張り意識を常に働かせない」というものです。これは犬が安心して休むに当たってとても重要です。

元々犬は縄張り意識が強い動物です。そのため、自由に家の中を歩き回れることは悪い事ではありませんが、その反面、「敵が来ないかどうか」を常に意識してしまっている可能性があるのです。

自分だけのテリトリーではなく、家族全員の住まう家という広い空間を自由に行き来させることで、自分の縄張りが広がってしまうため、休みたいのに縄張り意識が邪魔をしてしまい、十分に休むことができなくなってしまうのです。

犬がしっかり落ち着く場所を作ってあげることで、自分の縄張りスペースが狭まることに繋がり、その結果、縄張り意識を持つ時間が少なくなります。それにより縄張り意識を持たずに安心して休める時間を増やしてあげることができるのです。

3.問題行動を減らすため

次にさらに先ほど話しました「縄張り意識」に繋がってくる落ち着ける場所の重要性をご紹介します。実は落ち着ける場所を与えてあげることは、犬と共に過ごす上で重要な「しつけ」に関わる問題行動を減らすという効果も発揮します。

犬は縄張り意識が強いという話をしましたが、常に警戒している状態だと、警戒心の強い子や攻撃性の高い子に育ってしまう可能性も高まってしまいます。この性格が災いし、吠えたり噛んだりする癖が付いてしまうことも少なくありません。

したがって、縄張り意識を薄くさせるための方法と同様に、落ち着く場所を提供し、安心感を与えてあげることで、警戒する必要がないと教えることができます。そうすることによって、吠えたり噛んだりという攻撃性のリスクも低くすることができるのです。

4.上下関係をハッキリさせるため

また、あまりにも自由に行動させてしまうことで、犬が上下関係を勘違いしてしまい、自分の方が飼い主よりも上の立場だと思ってしまうことが度々あります。

犬にとって「落ち着ける場所」を与えてもらうということは、自分の居場所を与えられることと同義です。自由に行動できる範囲を決めてあげるだけでも上下関係の逆転リスクを抑えることが可能なのです。

具体的にお話しすると、広い範囲を常に自由に歩かせてしまうということは、飼い主と同じ場所を共に自由に動き回れることを意味しているため、犬に対して飼い主と同等の立場である事を示していることになります。

しかしこの時点ではまだ大きな問題ではありません。その後、可愛いからという理由で甘やかしてしまうことにより、上下関係に変化が生まれてしまい、最終的に「自分がこの家のリーダーだ」と勘違いしてしまうことに繋がるのです。

これを事前に阻止するために、愛犬に「落ち着ける場所」として愛犬だけの居場所を提供してあげることは効果的なのです。

こんな場所が落ち着きます

犬に「落ち着く場所」を与えることの必要性について考えたところで、どのような場所が犬にとって落ち着けるのかというポイントについてお話しします。代表的な2点をご紹介しますので、これを踏まえて愛犬に落ち着ける場所を作ってあげてくださいね!

隅っこなどの狭いスペース

まずは隅っこなどの狭いスペースが挙げられます。周りに何もない場所では、野性時代の名残を持っている犬からすると、いつ、どこから敵が襲ってくるかわからないという防衛本能が働き安心して休むことができません。

したがって、できるだけ四隅のどこかにケージやサークルを設置し、犬が「敵が来てもここだけを見ていれば大丈夫」と安心できるような環境作りを心がけてください。

また、隅っこに設置しても「落ち着ける場所」となるケージやサークル自体が犬の体格に比べて広すぎてしまうと、それだけでも「落ち着ける場所」ではなくなってしまいます。

本来、犬は狭いところを好む習性があるので、「広い方がゆったりできて良いだろう」ではなく、小型犬ならば小型犬用の物を、大型犬ならば大型犬用の物を選び、広すぎず、狭すぎないケージやサークルを選ぶようにしましょう。

家族の様子が見える場所

1人になりたいことがあると言っても、本当の意味で1人になりたい犬は少ないです。どういうことかと言いますと、「少し1人で落ち着ける場所には行きたいけれど、家族の皆の姿は見える安心できる場所で休みたい」という感覚なのです。

飼い主さんの姿を確認していたいという犬は意外と多く、傍にいなくとも見えているだけで安心できるという子も多いのです。

したがって、先ほどご紹介した「隅っこの狭いスペース」と「家族が見える場所」という条件が揃う場所であれば、犬にとって最高の落ち着ける場所となるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。なぜ犬にとって落ち着ける場所が必要なのか、そして落ち着ける場所とはどのような場所なのかをご紹介して参りました。

人間の感覚では自由に動ける方が嬉しいと思いがちですが、犬からすると自分だけの居場所を与えてもらえた方が安心する子が多いのです。

今まで家の中を自由に歩かせていたという人も、なるべく早くケージやサークルを作ってあげ、いつでも愛犬が安心して休める場所を作っておいてあげることが大切です。