ロシアの首都モスクワにあるラジオ局「モスクワのこだま」の建物内で、女性司会者を刃物で切り付けて警察に取り押さえられた男(2017年10月23日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】(更新、写真追加)ロシアのラジオ局に23日、男が侵入し、女性パーソナリティーの首を刃物で刺す事件が発生した。

 襲撃があったのは、政権に批判的な「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」の局内。アレクセイ・ベネディクトフ(Alexei Venediktov)編集長はAFPに対し、「何者かが警備員にスプレーを吹きかけて建物に侵入し、われわれのフロアにまで上がってきた」「パーソナリティーのタチアナ・フェルゲンガウエル(Tatiana Felgengauer)氏の首をナイフで刺した」と明かした。

 ベネディクトフ氏は、「警備員らが男を取り押さえて警察に引き渡した」と話している。フェルゲンガウエル氏は病院に搬送されたが、命に別条はないという。

 現地メディアは後に、建物への侵入者は2人いたものの、ラジオ局のオフィス内に入り込んだのは1人だけだったと報じた。

 同局の職員はツイッター(Twitter)に、黒ずくめの服装で、着衣が乱れた男の写真を投稿した。

 フェルゲンガウエル氏は同局副編集長の一人で、朝のニュース番組の司会を長く務めてきた。反政権派の集会にも積極的に関与しており、フェイスブック(Facebook)上には多くのフォロワーがいる。

 モスクワのこだまは、反政権派のゲストを定期的に迎えており、国営ガスプロム(Gazprom)が筆頭株主であるにもかかわらず、政権批判を展開することで知られる。

 ロシアではジャーナリストを標的とした襲撃が頻発。米ニューヨーク(New York)に本拠を置く国際非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」によると、1992年以降で52人が死亡しているという。またジャーナリストに対する脅迫は放置され、襲撃事件の捜査も進んでいない。

 同じく同局でパーソナリティーを務めていたユリア・ラチニナ(Yulia Latynina)氏も、自家用車や自宅への襲撃が相次いだことを受けて、今年に入って同国を離れている。
【翻訳編集】AFPBB News