希望の党の小池百合子代表(写真:AFP/アフロ)

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 第48回衆議院議員選挙は10月22日に投開票が行われ、連立政権を組む自民党と公明党が3分の2を超える313の議席を獲得した。この結果を受けて、11月1日にも第4次安倍晋三内閣が発足する。

 自公大勝の一因となったのが、野党の分裂だ。東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党は当初の勢いを失い、枝野幸男代表率いる立憲民主党が野党第一党となった。経済評論家の渡邉哲也氏は、今回の選挙をこう振り返る。

「安倍首相が目標としていた『自公で過半数』を軽くクリアし、自民党単独で『絶対安定多数』といわれる261議席以上を獲得した。自民党は公示前と同じ284議席を獲得しており、そもそも前回と前々回の衆院選が勝ちすぎていたこと、今回は区割りの改定による定数削減があったことなどを考えると、まさに大勝といえる。

 また、立憲民主党が15議席から55議席と躍進した代わりに、共産党が21議席から12議席に減らして大敗した。小選挙区で選挙協力を行ったという事情もあるが、比例の票が立憲民主党に流れた煽りを食ったかたちだ。希望の党も公示前の57議席すら維持できず、野党の分裂を生んだだけであった。一言でいえば、自民党と立憲民主党が勝った選挙といえるだろう」(渡邉氏)

 当初は「政権交代を狙う」としていた希望の党だが、民進党の合流をめぐって失速し、22日は小池代表が都知事の公務でフランス・パリに出張していることも波紋を呼んだ。その小池代表は「今回は完敗」「おごりがあった」と語っているが、一部の海外メディアからは「逃亡中の女王のようだ」と報じられている。

「投開票日に責任者が不在ということで、希望の党内部からは不協和音が聞こえてきている。同党は25日に両院議員懇談会を開く予定だが、この場で小池代表の責任問題が問われることは不可避だ。場合によっては、解任などのかたちで“排除”される可能性もあるだろう。

 また、民進党も24日にも両院議員総会を開く予定で、参議院からは前原誠司代表の責任追及と解党中止を求める声が広がっている。すでに、再々編に向けた動きがみられる」(同)

●希望の党は分裂、民進党の再結集が濃厚か

 希望の党に合流、立憲民主党に参加、無所属で立候補、と3つに分裂した民進党だが、選挙戦が進むにつれて「選挙後に再び民進党が結集」という観測も流れていた。実際のところ、どうなるのだろうか。

「約100億円といわれる党資金と組織体制がそのまま使えることを考えると、民進党を軸に再結集というのは現実的な選択肢のひとつだ。選挙制度上、立憲民主党や希望の党から民進党に移ることはできる。希望の党から立憲民主党へは、選挙区当選はOKだが比例当選はNGだ。

 そのため、再結集するのであれば、希望の党の比例当選組は一度民進党に移り、民進党と立憲民主党が合併するという方法もある。党名を変更するなどの可能性はあるが、資金も施設もそれなりに潤沢な民進党を存続させるというのは合理的な選択といえるだろう」(同)

 さらに、渡邉氏は安倍政権の悲願である憲法改正について、以下のような見方を示す。

「そもそも、希望の党は創設メンバーの保守系と合流組のリベラル派で割れる可能性が高く、後者は立憲民主党に合流するとみられる。また、前者は日本維新の会と会派を結成して改憲勢力として存在する可能性がある。

 仮にこのような構図になれば、自民党は維新・希望と組むことで公明党を抜きにしても改憲勢力3分の2を保つことができ、憲法改正に向けた選択肢は広がることになる」(同)

 安倍首相が2018年9月に行われる自民党総裁選挙で3選を果たせば、安倍政権は21年まで続く可能性がある。そうなれば、日本憲政史上最長の政権の誕生だ。その先に憲法改正があることは明らかだが、どのようなかたちで結実するのか、注目される。
(文=編集部)