187センチの大型FW原大智。「もともと、サッカーセンスと気持ちもあった」と佐藤一樹監督も賛辞を送る。写真:田中研治

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 FC東京U-18に所属する選手として、真っ先に名前が出てくるのはU-17ワールドカップ出場組の久保建英(1年)や平川怜(2年)だろう。

 前者は説明不要のタレントであり、後者は高校2年生ながらU-23チームでJ3に出場している有望株。彼らの将来性に誰もが期待を掛けているのは間違いない。

 そのなかで、彼らに負けずとも劣らない3年生ふたりが、来季からトップチームに昇格することが決まった。FW原大智(3年)とMF品田愛斗(3年)である。
 
 原は手足の長さを生かした懐の深いボールキープと、足下の柔らかさを併せ持つ187センチの大型FW。すでに2種登録選手としてU-23チームでJ3デビューを果たし、16試合に出場して4ゴールを奪っている。夏以降はU-18日本代表にも定着。11月4日からモンゴルで始まるU-19アジア選手権予選(2019年に行なわれるU-20ワールドカップの1次予選)のメンバーにも選出されており、活躍が期待されるところだ。

 一方の品田は洗練された技術が売りのゲームメーカー。ボランチを主戦場とし、正確なキックで攻撃を司る。昨季はJ3に1試合しか出場できなかったが、今季はすでに14試合を経験した。そのプレーぶりが評価され、9月上旬にはU-18日本代表の候補合宿に召集された逸材だ。
 
「試合に出ればしっかりとやってくれる」とFC東京U-18の佐藤一樹監督からも高く評価されるふたりには共通点がある。最終学年になって、花が開いたという部分だ。
 
 今でこそ、眩い輝きを放っているが、昨年まではU-18で絶対的な存在ではなかった。主戦場はU-18のBチームが参戦するT1リーグ(東京都リーグ1部)だったのだ。
 
 昨年の今頃、原はフィジカル強化に励んでいた。なぜなら、急激な肉体の成長に身体が付いていけなかったからだ。それが起因で1年時の夏には左ひざを負傷。夏休み明けに退院をしたが、その期間だけでもさらに身長が伸びており、復帰後は身体作りから始めることを余儀なくされた。

 一気に変化したボディをいかに動かすか。この課題と向き合いながら、2年時はT1リーグでプレーを続けた。そして、迎えた高校ラストイヤー。プレミアリーグに参戦するAチームで出場機会を得ると、コンスタントに結果を残していく。J3も経験し、夏のクラブユース選手権では得点王に輝く活躍ぶりでチームを優勝に導いた。すると、直後に行なわれた8月中旬のSBS杯で初めて日の丸を経験する。

「代表でいつもやったことがない人と連係を取りながらやることができたので、そこも大きかった。自信を持って、今は戦えている。代表に選ばれたことで自信を持てた」(原)

 これが原にとって何より大きかった。

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 また、品田も昨年にJ3を1試合経験したとはいえ、T1リーグが主な舞台。中学時代から将来を嘱望されていた司令塔だったが、メンタル面が弱く、とりわけ戦う姿勢の欠如は課題として度々指摘を受けるほどだった。

「1年生の時は戦おうと思っていたけど、なかなかうまく表現できなかった。だから、感情をむき出しにしてやってみたりもしたけど、うまくいかなかった」
「自分のプレーをなかなか出せなかったし、サッカーがつまらない時期があった」

 本人も当時をこう回想する。
 
 そんな彼を変えるきっかけとなったのが、シーズン開幕前に行なった佐藤監督との面談だった。「本当に戦えるようにならないとトップ昇格は出来ない」と指揮官に言われ、最終学年になって自覚が芽生えた。

 そこからというもの、2年時までは行なっていなかったサッカーノートをつけるようになり、映像を見ながら自らのプレーを細かくする作業にも取り組んだ。その結果、ユニホームを真っ先に汚すような選手へと変貌し、今では中盤で欠かせないプレーヤーとなった。

 10月22日に行なわれたJユースカップ2回戦の札幌U-18戦(2-2/5PK4)でも逞しいプレーを披露。台風の影響で劣悪な環境、自身は前日にJ3の琉球戦にフル出場という強行日程というハンデはあったが、それでも途中出場ながら存在感を見せ付けたのはさすがだった。
 
 地道に積み重ね、トップ昇格を掴み取った原と品田。サッカーと真摯に向き合ったからこそ、今がある。

「プロはレベルが高い選手が多いので、いろんなものを盗みたい。そこでレギュラーを取れれば、また成長できると思う」(原)

「まだフィジカル的に足りないところがあるので、そこを1年目に強化していくしかない。プロで生きていくので、J1を目指して頑張りたい」(品田)

 来季はJ3からキャリアをスタートさせるが、まずは一歩ずつこれまでと同様の取り組みで、ひたむきに努力を続けていく。

取材・文:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)