小池代表(左)は衆院選公示日から東京10区の若狭氏の応援に入った(2017年10月10日撮影)

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衆院選で落選した希望の党若狭勝氏にとって、「選挙戦で様子が違う」と思ったタイミングは小池百合子代表による「排除」発言からだったという。投開票から一夜明けた2017年10月23日、「とくダネ!」(フジテレビ系)に生出演して語った。

一方、政権交代をめざす時期を「次の次」とした若狭氏自身の発言が、自身にも党にも逆風を吹かせたという見方はメディアで根強い。インターネット上でも「自分の『小池氏、次の次出馬』失言が原因だったことも、いまだに分からんのか」と若狭氏の自省を促すような声があがる。

「『排除』発言は引いてしまうという方が少なからずいた」

若狭氏が立候補した東京10区は、小池氏が衆院議員時代に地盤を築き、16年10月の補欠選挙で若狭氏が継承した希望の党「本丸」の選挙区。だが、補選は得票率60%超で大勝したのに対し、今回の衆院選では自民党候補に大差で敗れた。若狭氏は比例区での復活もかなわず落選した。

「選挙戦で様子が違うと思ったのはいつか」。「とくダネ」で尋ねられた若狭氏は、合流予定だった民進党の一部を「排除する」とした小池氏の発言をあげた。

「小池さんを支持していた方々が私のところに来て、『排除』発言は引いてしまうという方が少なからずいた。その辺りから私としても『風』がだいぶ違ってきていると実感した」

また「選挙は結果がすべて。完敗だと認める。ただ、『風』というのがいかに要因となるかを実感する選挙だった」とも述べている。

若狭氏は落選確定直後の22日深夜にも、「排除」発言を引き合いに出した。事務所で「小池氏の発言を含めて希望の党に向いていた『風』をどう感じるか」と問われ、「『排除』という言葉はそういう意味では若干強すぎる言葉だった。それを受け止めた有権者が希望の党ではなく立憲民主党にいったのは否めないと思う」と話した。

小池氏について若狭氏は「とくダネ」でもう1点、「希望の党に引き続き期待をもってもらうには2つの条件があると思っていた」とし、

「1つ目は民進党の人たちをみんな受け入れる。2つ目は小池さんが衆院選に出馬する。その2つが満たされないと、期待が高まっても、衆院選に出ないとなった段階で逆に期待がドンと下がる」

と述べた。いずれも小池氏の言動を一定程度念頭に置いていたとみられる。

「次の次」発言の影響

一方で、希望の党が政権交代をめざす時期を「次の次ぐらい」の衆院選だとし、その場合「今回の選挙に(小池氏が)出なくても構わない」とした若狭氏自身の発言が落選と党全体の失速につながった、との見方は根強い。

朝日新聞(ウェブ版)は23日、「若狭氏の『政権は次の次』発言、小池氏の戦略を狂わす」と題した記事を公開。「この発言で小池氏が今回の衆院選を政権選択選挙と位置付けていないとの受け止めが広がった」と、党勢に関連づけた。

日刊スポーツも23日、「代表の『排除』発言に加え、若狭氏がテレビ番組で『(党として政権奪取を目指すのは)次の次』と発言したことで小池代表の不評も買い、有権者も失望させていった」との見方を示した。

前出の「とくダネ」の中で若狭氏は、こうした自身の発言の影響について言及することはなかった。ツイッター上では若狭氏が「排除」発言を引き合いに出していたことに対し

「責任転嫁男」
「自業自得だよ」
「自分の『小池氏、次の次出馬』失言が原因だったことも、いまだに分からんのか」
「若狭が落選したのは排除の言葉だけじゃなく彼自身の軽薄さだって事を何で気付かないのだろう」

と厳しい声が相次いでいた。