【最高の遊び、こだわりの道具。】

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“遊びに生きる”を憧れだけで諦めない! 無理なく家族を巻き込む方法を教えます。

父親である前に男子である――。だからこそ、自分ならではの最高の遊びは譲ることはできない。とはいえ、日常の家族との時間だってもちろん大切だ。だからこそ答えはひとつ。それは遊びを満喫しつつ、そこにしっかりと家族も巻き込んで、こだわりの道具なんかもちゃっかり手に入れて、自分と家族両方の時間を楽しいものにすること。欲張ったっていい。それが現代の父親が目指す正しい姿だと本誌は提案したい。ここでは実際にカッコよく遊ぶ父親8人が、どのようにして自分の趣味や遊びの領域に自然と家族を巻き込み、最高の遊びのスタイルを確立しているかを紹介しよう。



CASE:MOUNTAIN BIKE

MTB好きのお父さんが“いつか一緒に山を走りたい”と思いながら、出掛けているのが公園での親子ライド。お邪魔してみましたが、これがかなり素敵な時間でした。

マウンテンバイク(MTB)歴は20年以上というベテランライダーの佐藤真吾さんが最近ハマっているというのが、娘のららちゃんと公園に行って自転車に乗ること。ららちゃんはペダルの付いていないキックバイクだが、マーカーコーンを置いてある程度のコースを決め、走り回るのがお気に入りだ。

「最初はもちろん私が連れて行きましたが、最近はむしろ娘が『行こう』と言った時にしています。何をするかも基本的には娘に考えさせます。『こんなこともできるよ』と見せることはありますが、基本的には子どものやりたいことを一緒に楽しむ時間にしています」

「いつかは一緒に山道を走れたら」という希望は持ちつつも、焦って練習を強制したりすることはない。

「自転車は、父親が教えられる数少ないことの1つですが、スパルタになってしまうと子どもは自転車が嫌いになってしまうかもしれない。だから、まず『自転車に乗るのは楽しい!』と感じてもらうことが重要だと思います。私も子どもの頃、親に連れられて行ったキャンプが楽しかったので、今もアウトドアアクティビティを続けています。娘にとってそういうものになったらうれしいですね」

ヘルメットとプロテクターを装着し、マーカーを並べたスラロームコースを走ったり、持ち運べる木製の台を登り降りするららちゃんの腕前はなかなかのもの。とはいえ、当然子どもなので飛んでいる虫や花に気を取られたり、オヤツが食べたくなったりと移り気な面も。

「それも含めて一緒に楽しめればと思っています。公園は季節も感じやすいですし、ほかの親子連れや掃除をしている人など色んなものに興味を持ちます。その瞬間こそ『何かを考えるための気づきの場』になります。大人はついつい自転車に乗せることばかり考えてしまいますが、そういう体験まで含めて娘の成長にプラスになればと考えています」

子どもの視点になって何でも一緒に楽しむこと。それができれば、子どもは自転車大好きな父親との趣味を、一緒に楽しんでくれることだろう。

楽しみながら親子関係もスキルもアップする6つのポイント



近所の公園とはいえ、娘さんとのライドを全力で楽しむため、佐藤さんは多くの工夫をしている。心がけていることから、用意する道具まで、楽しむためのポイントを聞いてみた。楽しみ方は人それぞれだが、このポイントを押さえれば、より親子関係も上手く行くことだろう。

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いきなりハードルを上げず、子どものペースに合わせる





佐藤さんが心がけているのは“いきなりハードルを上げすぎない”こと。「年齢的にはそろそろ補助なしの自転車にも乗れるのかもしれませんが、本人がキックバイクを気に入っているので、今はこれでいいと思っています」と話す。そのためには「上達した瞬間に一緒に喜び、できないときは休憩をとること」が大事だとか。休憩時にはお菓子やサンドイッチを食べたりお子さんに“楽しかった! また来たい”と思わせることが重要だ。

Point02

課題を与えるのではなく一緒に楽しむ!





自転車に乗るのが“練習”になってしまうと子どもは飽きてしまう。無理に課題を与えるのではなく、一緒に遊ぶという気持ちが大切だ。見ていても8の字を利用して追いかけっこをしたり、ららちゃんが「お花の周りをグルグル回ろう」と言ったら一緒に回ったり。本人も楽しんでいることが伝わってくる。

「子どもと一緒に公園で、というと大人は付き合うだけになりそうですが、実はこれがいい練習になるんです。狭い場所でスラロームや8の字練習を繰り返したおかげで、よく行くMTBコースのタイムがかなり縮まりましたから(笑)」と、実は自分の練習にもなっているらしい。

Point03

大切にしてほしいから道具は良いものを選ぶ





ららちゃんが乗っているのは、スペシャライズドというメーカーのペダルが付いていないキックバイクと呼ばれるもの(残念ながら現行モデルはない)。佐藤さん本人が乗っているのはヴァッサーゴというブランドの『VerHauen』というモデルをシングルスピードにしたマニアックな仕様。「整備は基本的に自分でやっています。物を大事にすることも娘に見せたいと思っているので、できるだけいつもキレイにしているようにして、出発前にはきちんと空気圧を測ったり、そういう姿勢を見せるようにしています」

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道具を上手く活用してスキル&モチベーションアップ





いつも持って行くのは100円ショップで買ったというラジコン用(?)のマーカー。8の字やスラロームの目印にするのに最適で、風で飛ばされにくく、踏んでも壊れたりバランスを崩したりしないのがいいところだとか。もう1つが写真の「PORTABLE TRAIL(ポータブルトレイル)」。で購入したもので、手軽に持ち運べるのがいいところ。基本は大人用だが「子どものチャレンジ心をくすぐるようで、通りがかりの子まで『やらせて!』と言ってきます」

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時々、お父さんの”デキる”ところも見せてあげる





子どものやりたいことが最優先なのは言うまでもないが、どうせ親子で出掛けるなら、ちょっとカッコイイところも見せたいのが父親心。「遊びの合間に『父ちゃんはこんなこともデキるんだよ』というところも少しだけ見せるようにしています。それを真似して楽しんでくれればいいし、友達と『お父さんはこんなことができるんだよ』と話題にしてくれればもっといい。娘の自慢のタネになれれば最高ですね」

Point06

映像を共有してやる気アップにつなげる





ミニ三脚にスマホを固定して動画を撮影することも。帰ってからお母さんに見せたり、YouTubeにアップしているという。「友達の親が見て『ららちゃんスゴいね』と言ってくれるのがうれしいようです。あと、投稿に『いいね!』が付くとやる気になるよう。私のブログ(blogs.yahoo.co.jp/st

sg0325 )にもアップしています

※『デジモノステーション』2017年11月号より抜粋。

text増谷茂樹

photo向殿政高