BCリーグの村山哲二代表取締役【写真:広尾晃】

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BCリーグ村山代表取締役に聞く課題と今後の取り組み

 今年の独立リーグは10月18日に徳島・JAバンク徳島スタジアムで行われたグランドチャンピオンシップ第5戦でシーズンの幕を閉じた。四国アイランドリーグplus総合優勝の徳島インディゴソックスが、ルートインBCリーグ総合優勝の信濃グランセローズを2-1(6回コールド)で下し、通算成績を3勝2敗とし、日本一に輝いた。

 ルートインBCリーグにとって今季はどのような収穫と課題があったのか。徳島で村山哲二代表取締役に話を聞いた。

――今年はどんなシーズンでしたか?

「今年、球団が2つ増え、10球団になって公式戦が300ゲームから390ゲームに増えて、でもスタッフの人数は同じだった。そういう意味ではストレスの多いシーズンでしたね。みんな厳しい労働環境でやっていて、スタッフの方々には負担をおかけしたなと思っています。平均観客動員は、昨年と同じ600人台です。全体としてはチームが増えた分、観客動員は増えました。

 一番観客動員が多いのは例年通り新潟アルビレックスBCですが、入っているチームと不入りのチームの差が大きかったのは問題でしたね。新しくできた栃木ゴールデンブレーブスは、最初からしっかりと運営してくださったので観客動員は2位でした。お客さんを集めることも含め、地域密着の方法論や自治体との取り組みなど、先輩球団に学んでくれたのが良かったのではないでしょうか。

 栃木県では小山市の市長が非常に熱くて、協力的でした。同じく新チームの滋賀ユナイテッドも頑張ってくれましたが、滋賀県はナイターがやれる球場が少なくて。皇子山球場という立派な球場があるのですが、あそこの使用料がすごく高くて興行的に厳しかった。平日のデーゲームが多かったから苦労しましたね。それから巨人、楽天の交流戦はお客さんが入ります。福井でやった巨人戦は、過去最多の5000人を動員しました。やっぱりすごい。一番人気は川相監督でした(笑)」

――有望な選手が今年も出てきていると思いますが?

「今の段階で、うちの選手に来ている調査票(ドラフト指名を前提としてNPB球団から独立リーグ球団経由で選手に送付する書類)が50枚を超えました。一番多い選手は、8球団から来ていました。去年が40枚に少し足りなかったですが、育成枠で5人が指名された。今年は50枚を超えたので、大いに期待できますね。それと、今季は高卒ルーキーに活躍の場を多く与えることができました、NPBの球団がほしいのは、やはり若くて将来性のある選手ですから」

――課題は何でしょうか?

「一方で富山サンダーバーズは前期優勝して、選手も活躍して、外国人選手もいい働きをしたんですが、観客動員が伸びなかった。独立リーグは強いだけではお客は呼べないんです。僕らにとって一番価値のある選手、チームとは何なのか、改めて考えさせられました。スポーツビジネスは強化と普及が両輪ですから」

悩んだ末に来季から“26歳定年制”導入、オーバーエイジ枠は5人

――来シーズンはどのようになるでしょう?

「来シーズンから、ルートインBCリーグは年齢制限を設けます。26歳を迎えるシーズンが上限になります。それを過ぎれば基本的には卒業させます。27歳、28歳の選手を、二遊間とセンターとピッチャーに置くと、独立リーグって勝てるんですね。一番こなれていて、能力があって。でもその選手たちがお客さんを呼べるかというと、そうではないんです。もっとフレッシュな、大卒、高卒1年目の子が僕たちのところに来て一生懸命やる方がお客は喜ぶんです。だから26歳を定年にすることにしたのです。ただしカラバイヨのように能力も人気もある選手は、オーバーエイジとして当面はプレーができるようにする。

 悩み抜きました。中には“そういうことは、球団に任せてくれ”という人もいましたが、議論をし尽して決めました。リーグ全体からすれば、もっと若々しい選手が出場できるようにしたい。でも27歳、28歳のいい選手がいれば、指揮官は勝たなければいけないから使ってしまう。そのジレンマの解消が最大の目的です。僕らの方でレールを敷いてあげるわけです。

 それに僕らは月給を平均で15万円しか支払っていない。それで27歳、28歳をつなぎ留めておくのはよくないとも思うんです。とりあえず今年のオフからオーバーエイジ枠を5人からスタートしようと思っています。その後の枠については仲間で相談します。いつでも、フレッシュなプレーをお見せする。そしてNPBにも若い人材を輩出する。そんなルートインBCリーグになりたいと思っています」

 朝6時半に新潟を出て、740キロを車で走って徳島に。ハンドルはずっと村山代表が握っていたというが、運転は苦にならないという。

「今日(試合当日)も信州から徳島にたくさん来てくださっています。長野でやったグランドチャンピオンシップの第2戦は1800人が来てくださいました。独立リーグの試合がなければ、こうやって四国と信濃の人たちが一緒に野球の試合を見ることなんてないと思うんです。ローカルとローカルのつなぎをやるのも、僕たちの大切な使命だと思いますね」(広尾晃 / Koh Hiroo)