『コードギアス 反逆のルルーシュ』総集編の意義とは? 11年間衰えない人気の理由に迫る

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 テレビアニメ版1期と2期の全50話を3部作で再構成した、劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ』。その第1部「興道」が、10月21日より劇場公開となった。

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 劇場3部作の公開が発表されたのは、テレビ版の放送から10周年となる昨年のこと。同時に、アニバーサリーイベントや新グッズの販売なども広く展開されていった。

 『コードギアス』シリーズは、これまでにもスピンオフ『亡国のアキト』のほか、小説や漫画、舞台といったメディアミックスにも積極的だった。そのため、製作陣はこうしたプロジェクトの展開に際して、テレビシリーズを一度まとめあげる必要性を前々から感じていたという。

 テレビ版と劇場版の両方でメガホンを取った谷口監督も、本作がテレビ放送から10年を経たということで、「タイトルは知っていても観たことがない人や、当時まだ小さくて観ることができなかった人に対して、配信などがあるとはいえTVシリーズ全50話を観てくださいというのはちょっと酷」と語る(引用:V-STORAGE/メインスタッフインタビュー第1回「谷口悟朗」)。こうした経緯から、当初は総集編を1本の映画にまとめる予定だったそうだが、情報量の多さもあって、3本立てとなったそうだ。

 そして昨年11月に劇場版の公開が発表されてから、往年のファンを中心に再び大きな話題を呼んだ『コードギアス』。本作は、10年以上の時を経て、なぜこれほど多くの人々に愛され続けているのだろうか。

 『コードギアス』の魅力といえば、やはり、とことん救いのない不条理なストーリーにあるだろう。頭のキレるダークヒーローという意味では、同時期に連載された『DEATH NOTE』にも類似しており、また、『School Days』や『ぼくらの』といった、同時期放送のアニメに多数見られた「鬱展開」もふんだんに盛り込まれている。

 さらに、ツートップにはルルーシュとスザクという対照的なキャラを置き、彼らを人気声優の福山潤と櫻井孝宏が務めたとあって、女性からの支持は抜群。もちろん、魅力的な女性キャラも多く登場し、ハーレム要素も存分に孕んでいるため、男性ファンの心もグッと掴んでいる。このように、男女問わず支持を得やすい人物構成も、『コードギアス』のヒットの一因となっていただろう。

 加えて、本作は二次創作も大いに盛り上がりを見せていた。舞台設定やルルーシュのギアス発動シーンなどは、見方によっては中二病感満載なため、これらを揶揄した同人動画などが多く制作されたのだ(知らない人は、ひとまず「合衆国ニッポンポン」で検索してみてほしい)。「MAD」と呼ばれるそうした動画がニコニコ動画などに多くアップされたことで、アニメを見ていないネットユーザーにも広く作品の名が認知されていった。

 そのような歴史を経て、今秋公開された劇場版は、シリアスな展開とバトルシーンを濃縮した仕上がりとなっていた。アニメ版では、日常パートや学園パートといった息抜きシーンも多く、緩急のついた展開も見どころのひとつだ。劇場版ではそうした“遊び”の部分は大幅にカットされていたため、少々物足りなくも感じられたが、初見層へのアプローチとしてはこれが最適解だったのだろう。

 また、アフレコも全て再録ということで、キャストの現在の演技も存分に楽しめるほか、キャラ同士の距離感もテレビ版とは少々異なる仕上がりとなっている。往年のファンは、そうした差異にもぜひ注目してほしい。

■まにょライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。