フラメンコ映画の巨匠、カルロス・サウラの最新作は「ホタ」の魅力を巡る至福の共演

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 「フラメンコ三部作」を始めとした、スペイン舞踊音楽作品の数々を送り出してきたカルロス・サウラ監督の、5年ぶりの最新作、映画『J:ビヨンド・フラメンコ』が日本上陸。スペイン・アラゴン地方発祥とされる「ホタ」の魅力と歴史を辿る旅への誘いだ。

 フラメンコのルーツのひとつであるといわれる「ホタ」。民俗音楽であり、舞踊であるこの「ホタ」は、サウラ監督の故郷、アラゴンが発祥ではあるが、それだけに留まらずスペイン各地に散在する曲種であるという。

 映像はアラゴンのホタの基礎ステップを学ぶダンス・クラスの練習風景から始まり、「カランダのホタ」「アンドラのホタ」「アルバラテのホタ」「サラゴサのホタ」と各地のホタを次々に見せてゆく。時に過去の映像を交えながら綴られる「ホタ」の歴史と広がりから、この曲種がプロのダンサーやアーティストの為だけにあったのではなく、人々の生活の中に溶け込んでいたものだったことを体感的に知ってゆくことができるだろう。

 もちろん、カルロス・サウラ監督作品ならではの豪華アーティスト陣の集結には注目だ。現代最高と名高いバイラオーラ、サラ・バラスと、ホタ舞踊の第一人者、ミゲル・アンヘル・ベルナが白熱した競演を繰り広げる“フラメンコ風ホタ”は圧巻だ。またリズムや舞踊に共通点の多い曲種ファンダンゴも、ボッケリーニの力強い無伴奏チェロ曲として登場。競演するのはスペイン舞踏界のスター、バレリアーノ・パニョス。

 ガリシアが生んだ天才バグパイプ奏者カルロス・ヌニェスがリードする“ガリシアのホタ”、世界的に活躍するギタリスト、カニサレスによる"タレガのホタ"、そしてホタをモダンなスタイルで歌うカルメン・パリスなど、フラメンコを含むスペイン舞踊ファンはもちろんのこと、ワールドミュージック・ファン、クラシック・ファンも見逃せない、そして聴き逃せない顔ぶれと言えるだろう。映画『J:ビヨンド・フラメンコ』は11月25日、Bunkamuraル・シネマ他、全国順次ロードショー。 text:yokano