WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 2016-2017シーズンが終了したと思ったら、あっという間に2017-2018シーズンが開幕したPGAツアー。新シーズンは早くも3戦を消化したが、改めて前シーズンを振り返ってみたい。

 2016-2017シーズンは終わってみれば、メジャー1勝を含む年間5勝を挙げて、フェデックスカップの年間チャンピオンにも輝いたジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)のひとり勝ちだった。

 最後に1000万ドルのボーナスを手にしたトーマスは、目まぐるしいツアー3年目をこう振り返った。

「昨年の10月、開幕戦(セーフウェイオープン)の初日は『75』も叩いたのに、翌週はマレーシア(CIMBクラシック)で優勝。本当にこの1年はクレイジーだった」

 実は、昨シーズンが始まる前にトーマスは、詳細な目標をいくつか掲げていた。そして、その目標のひとつひとつが、トーマスのスマホに打ち込まれていたという。そのことについては、シーズン中も記者たちから何度となく聞かれたが、彼は「今季が終わったら、教えるよ」とずっと秘密にしていた。

 そうして、最終戦のツアー選手権を2位で終えて年間チャンピオンになると、トーマスはようやくその内容を公表。どれだけ目標が達成できたのか、教えてくれた。その詳細は、以下のとおりである。

◆ジャスティン・トーマスが掲げた『2016-2017シーズンのゴール』
●ツアー選手権に出場する→達成
●メジャーの最終日に、最終組から2組以内でプレーする→達成(全米オープン、全米プロ)
●メジャーに勝つ→達成(全米プロ)
●プレジデンツカップに出場する→達成
※補足すると、トーマスは前年のライダーカップ出場を惜しくも逃している。
●パッティングのストロークゲイン(スコア貢献度)を0.25以上にする→達成(0.289)
●ティーからグリーンのストロークゲインを1以上にする→達成(1.330)
●オールアラウンド(※)のスタッツでトップ10入り→達成(5位)
(※平均スコアやパット数など、主要スタッツの順位を合計して算出したもの。ゴルフの総合力、万能さを表す数値)
●パー3、パー4、パー5のそれぞれでアンダーパー→達成できず(パー3=3.04)。達成(パー4=3.94、パー5=4.60)
●スクランブリング(寄せワン)でトップ30入り→達成できず(54位)
●出場試合の半分はトップ10に入る→達成できず(出場25試合でトップ10入り12回)
●平均スコアを70より下にする→達成(69.359)

 ツアー選手権後の会見で、トーマスはこうした詳細な目標をひとつひとつ読み上げて、そのほとんどが達成できたことを発表すると、満足そうな笑みを浮かべた。実際、これらの数字を見てみると、トーマスがこの1年、どれだけ安定したプレーを見せて活躍してきたのかがよくわかる。

 そして先日、ツアーメンバーらの投票によって決定する、PGAツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにもトーマスが選出された。


プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも輝いたジャスティン・トーマス

 全米プロでは松山英樹(25歳)を退けて戴冠を果たしたものの、おそらくその時点では、全英オープンを制したジョーダン・スピース(24歳/アメリカ)、WGC(世界選手権シリーズ)2勝を含めてツアー3勝の松山、世界ランキング1位となったダスティン・ジョンソン(33歳/アメリカ)と、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにおいては4人で僅差の争いをしていたと思う。

 そうした状況の中、トーマスはプレーオフ第2戦のデル・テクノロジー選手権で優勝し、最後のツアー選手権でも2位となって年間王者の座に就いた。シーズン序盤の勢いさながら、終盤戦でも凄まじい追い込みを見せたことが大きかった。

 ところで、新シーズンに向けてトーマスはどんな目標を立てるのか。

「それが、本当に難しくなる。(周囲と自らの)期待とどうやって向き合っていくのかが大変だ」

 新シーズンの話に及んだ途端、トーマスはそう言って不安そうな声を出した。

 メジャー勝利のあと、大成功を収めたあと、スランプに陥る選手は少なくない。モチベーション、目標の持ち方がどうしていいのかわからなくなってしまうことが多いようだ。

 だが、トーマスにはここにも”秘策”がある。

 現在、トーマスの自宅はフロリダ州のジュピターにある。そこには多くのトッププロ、タイガー・ウッズ(41歳/アメリカ)をはじめ、スピース、ロリー・マキロイ(28歳/北アイルランド)、リッキー・ファウラー(28歳/アメリカ)といった面々が暮らしている。つまり、彼らとは”ご近所”付き合いができるということだ。

「自宅に帰ったら、すぐにタイガーに会いに行く。もちろん、親友のジョーダンとも話をしたい。彼らは、僕よりもずっと大きな成功をして、その翌年もずっと活躍することができた。彼らとじっくり話をして、僕なりの新しい目標を作りたい」

 はたして、偉大なるプレーヤーたちからトーマスへ、どんな話が伝えられるのか。シーズンが終わったら、また聞いてみたいと思う。

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