その生理不順、ストレスのせいかも⁉ トレ女の保健体育3

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生理不順とストレスの関係

Q. ストレスと月経の関係を教えて下さい。

月経と脳はとても密接に関係しています。だから、ストレスは月経に大きく影響するんです。そのメカニズムを説明しましょう。

月経を起こすエストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌されますが、分泌には脳からの指令が必要なんです。

まずは脳の視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、それが信号となって脳下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンが分泌されます。さらにこの二つのホルモンが卵巣への指令となり、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。分泌されたホルモンの量は視床下部と脳下垂体にフィードバックされ、分泌量が多いと減らすように、少ないと増やすように指令をコントロールしています。

視床下部は、ホルモン分泌の指令を出すと同時に、自律神経も支配しています。身体的、精神的なストレスを感じると、視床下部は交感神経と副交感神経のバランスを取ろうとしますが、ストレスが強くなるとこのコントロールが混乱してしまいます。

つまり自律神経が乱れている時は、視床下部がうまく働かないため、女性ホルモンを分泌させる指令にも影響し、月経周期が乱れるのです。エアコンが利きすぎている現代は、夏も冬も屋外と室内の気温差が激しく、30分単位で夏と冬が入れ替わっているような状態。昼夜も逆転しがちで、自律神経にとってシビアな環境です。身体的にも精神的にもストレスを抱えすぎないように心がけましょう。

 

ライター:平地紘子
出典:『Yogini』Vol.56 「女性ホルモンについてきちんと学ぼう」
監修:高尾美穂/産婦人科専門医。スポーツドクター。女性のためのクリニック「イーク表参道」副院長。イーク表参道ではマターナル(周産期)ヨガを提供している