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「どうして。」衝撃的なキャッチコピーでとともに現在、上野の森美術館で開催中の「怖い絵」展。ポール・ドラローシュが描いた「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が目玉作品です。この処刑の舞台となったのが、ロンドンにある世界遺産『ロンドン塔』。前回登場したビッグ・ベン君とリサちゃんがデートで「怖い絵」展を訪れています。話題は自然とロンドン塔のことになって……。

○ビッグ・ベン、リサのバイタリティーについていけるか!?

リサ: 「この絵はポール・ドラローシュの代表作『レディ・ジェーン・グレイの処刑』ね。この絵が日本で観れてうれしいわ。ジェーン・グレイは9日間の女王って呼ばれていて、16世紀にたったの9日間だけ王座についたんだけど、その後、反逆罪で処刑されたの。この絵はその処刑のシーンを描いたものなの」

ビッグ・ベン: 「(美術館に入った途端リサちゃんが生き生きしてきたぞ。かわいい)へぇそうなんだ」

リサ: 「この場所はこないだあなたも行ってきたんじゃない? ロンドン塔でカラスを見てきたって言ってたわよね。ロンドン塔はいまでこそ観光地だけど、かつてはこうした高貴な人たちの処刑場だった時代があったの。女王ジェーン・グレイの前には、王妃アン・ブーリンが王の寵愛を失って処刑されているし、そのもっと前には、少年王エドワード5世が政変によって兄弟とともに幽閉されて行方が分からなくなっている」

ビッグ・ベン: 「ロンドン塔、行ったよ。入場料が高かったけどせっかくだったし。あそこでそんなことが行われてきたなんて……。黒地に赤い線の入った服を着たガイドさんがいろいろ説明してくれたけど、英語だから全然分からなかったよ。飛べないカラスは分かったけどさ」

リサ: 「そのガイドさんも、ヨーマン・ウォーダーズと呼ばれる名物衛兵なのよ。ロンドン塔の囚人監視を担ってきて、かつては庶民には貴重な牛肉を給与として受け取っていたから、『ビーフイーター』なんて別名もあるのよ」

ビッグ・ベン: 「(詳しいなぁ)へぇ、そうなんだ」

リサ: 「そんなこと言ってたら、なんかお肉が食べたくなってきちゃった。ステーキ食べたいな〜」

ビッグ・ベン: 「(肉食系女子……!)」

リサ: 「その前に一杯やりに行かない? ビーフイータージンでギムレットなんて乙でしょ?」

ビッグ・ベン: 「(酒飲み系女子……!)行こう!」

肉食系リサちゃん、魅力的ですね〜。ほとんどリサちゃんが解説役のようでしたが、以下、用語解説です。

ロンドン塔でカラスを見てきた

ロンドン塔に6羽のカラスがいなくなると英国に災いが起こる、との言い伝えから現在もロンドン塔には飛べないよう羽を切られたカラスが飼育されている。レイブンマスターと呼ばれる飼育専属の「ヨーマン・ウォーダーズ」もいる。

アン・ブーリン

16世紀イングランドの最盛期を現出したヘンリー8世の2番目の妃。前王妃を追放する形で妃の座についたが、男子が生まれなかったことでヘンリー8世から不義の嫌疑をかけられ、ロンドン塔で処刑された。以来、ロンドン塔にはアンの亡霊が目撃されるようになったと言われている。

エドワード5世

若干12歳で王座についた少年王は、王位を狙う叔父の姦計によって弟とともにロンドン塔に幽閉された。兄弟のその後の消息は分かっておらず、ロンドン塔内で亡くなったとされる。「レディ・ジェーン・グレイの処刑」を描いたポール・ドラローシュは、やはりロンドン塔での悲劇に関心をもっていたようで、幽閉されたこの兄弟の絵も描いている。

入場料が高かった

多くの美術館が無料のロンドン。しかし、英ポンドが高いため、観光にはなかなかお金がかかるもの。ロンドン塔の入場料は2017年10月現在24.8£。日本円でおよそ3,700円。そして見どころが多いので、時間はたっぷりとって訪れたい。

ヨーマン・ウォーダーズ

15世紀後半に編成された国王つきの衛兵で、時代が下った現在は退役軍人の組織としてロンドン塔で観光ガイドを務めている。かつて給付金を貴重な牛肉でもらっていたため、「牛食い」を意味する"ビーフイーター"という別名がある。

ビーフイータージン

誰もが見たことあるであろう、赤い服を着た衛兵のジンのパッケージ。描かれているのはヨーマン・ウォーダーズだ。名前もそのまま「ビーフイーター」ジン。

○世界遺産データ

『ロンドン塔』。文化遺産。1988年登録。英国。

○筆者プロフィール: 小俣 雄風太(おまたゆうた)

「世界遺産検定」事務局の編集広報部員。自転車ロードレースに魅せられ本場フランスに一年留学。その後イギリスのサイクリングアパレルブランドで広報を務め、世界各地で自転車に乗るうちに世界遺産を強く意識するようになる。検定を通じて世界遺産の魅力と意義を広めたいと奮闘中。

○世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。

主催: 世界遺産アカデミー

開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)

開催地: 全国主要都市

受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円

解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)

申し込み方法: インターネット又は郵便局での申し込み

その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて。

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