脂肪腫を5年放置ー豆粒大の皮膚のしこりがピンポン玉サイズに(体験談)の後半、手術から現在に到るまでを綴ります。初めは豆粒大だったしこりが5年の月日をかけて肥大化。中規模の病院ではこれ以上は診られないと言われて向かった専門医。人生初の手術は思いがけなくやってきました。

■紹介状を渡され大学病院へ、そこから手術に至るまで

整形外科や形成外科を渡り歩いた結果、中型病院から紹介状を渡され、専門医がいる大病院へ行くことになりました。初めは自宅近くの大学病院を紹介されましたが、術前・後の通院を考えると職場に近い方が便利。エリアを変えて病院を探しました。「軟部腫瘍」を検索すると、熱心に研究されている先生がいることがわかり、この先生に診て欲しい!と思い、まずは電話で問い合わせをしました。その病院はがんの治療を専門とする病院ですが、整形外科には骨軟部腫瘍の外来が設けられており、似たような症状を抱えた患者がたくさん受診しているとのこと。応対も丁寧で素晴らしく、こちらの病院に即決しました。

■検査結果を見て手術を決断、クリスマスを病院で

まずは、以前の病院からの診断書とMRIの画像データを元に問診と触診を。続いてエコー検査を受けました。この病院に来て初めて受けたエコー。これが専門病院なのか!
検査の結果、かなり深層部に入り込んでいるとのことで、後日、造影剤を投与してのMRI検査を受けることに。この病院でも生検はナシ。腫瘍ができた場所によってできないこともあるようです。MRI検査の結果、良性の腫瘍という診断がつきました。医師によれば「このままでも腫瘍自体には問題はないが、指への痺れが気になる場合は摘出するしかない」とのこと。ならばと手術を決断。
全身麻酔で手術を行うとのことでしたので、数日の入院を要することもあり長期休みがとれる年末にしました。診察から2ヶ月後の12月24日の入院が決まりました。クリスマスは病院で過ごすことに……。

■手術が決まってからやったことと準備

入院、手術が決まると様々な準備に追われました。入院、手術をするにあたって病院に提出する複数の書類に記入、家族のサインも必要です。また、全身麻酔の手術は付添う必要があるとのことでスケジュール調整もお願いしました。また、支払う医療費が高額になるので、加入している健康保険に問い合わせて高額医療費控除の手続きを、個人で加入している医療保険には保険料申請の書類を取り寄せました。また入院に必要なパジャマや上着、靴、洗面道具一式など細々したものを揃えてトランクに。
同時に、手術に向けて術前検査を受けなければなりません。血液検査にはじまり心電図、呼吸機能検査、レントゲンなど一通りの項目を受けました。準備をすすめるにつれてどこか他人事だった手術が現実味をおびてきました。

■入院から手術前日までの流れ

12月24日、いよいよ入院です。受付を済ませて病棟へ上がるとまずは担当の看護師に挨拶。同室の患者さんにも挨拶を済ませ、検温や体調について問診を受けました。続いて術前最後のMRI検査へ。病室へ戻ると、今度は手術についての説明。スケジュールや着衣のこと、朝必ず歯磨きをすることなど細かな案内を受けました。手術中に血栓を予防する専用のタイツが必要だと言われて売店へ。あたふた忙しい……。
続いて、麻酔科医から麻酔についての説明を受けて書類にサイン。整形外科の若い医師からは、手術箇所の最終確認。マジックで切開箇所をマーキングされました。
夕食を食べ終えると、今度は主治医の先生がやってきて面談。雑談を交わしながら手術にあたっての説明を受けて書類にサインをしました。そして就寝前には座薬を入れて便を出し、腸内を空っぽに。水分補給は病院から渡されたOS1のみ許されました。長年見続けていた「明石家サンタ」も病床からひっそりと視聴。目覚めたらいよいよ手術です。

■全身麻酔で眠くなり・・・3時間の手術から退院まで

手術当日は朝7時に起床。指示通りに歯磨きを済ませ、検温をして裸眼で待機。看護師さんのナビで歩いて手術室へ移動しました。なんども名前を確認されながら手術室へ。
ピッピッピッ…自分の心拍数が聞こえる中、オペナースとのたわいもない会話のおかげでリラックスできました。その間も手際よく準備が進んでいきます。「ちょっと冷たくなりますよ」と麻酔が投与されると、「わー、眠くなってきました。このまま寝ちゃいそうです」と直前までベラベラ喋っていたのを覚えています。「いいですよ」という看護師さんの声を聞いたところでスヤァ……。
「●●さん!起きてください」。誰かの呼びかけで声で目を覚ますと主治医の顔が。無事に目覚めたのだとひと安心。再び強烈な眠気に襲われてスヤァ……。気がついたら自分のベッドにいました。

■手術から完全に回復するまで半月。術後は思ったよりも休養が必要

「2時間のはずが3時間かかったんだって」付き添いの家族と少し話をしていると本格的に目が覚めてきました。腕には点滴、左腕にはぐるぐるに巻かれた包帯。そこからドレーンが伸びていました。3時間ほど経過してトイレに立ち上がるとちょっとフラフラ。摘出した腫瘍の画像をみせてもらうと横4cm×縦3cmほどの大きなものでびっくり。
痛み止めが効いているせいか、それほど痛い思いをすることもありませんでした。1日でドレーンが外れ、左腕も自由が効くように。ただ、夜中になるとシクシク痛むことと微熱が下がらないことから入院が延び、トータル5日間で退院しました。痛み止めや感染予防の薬を半月分処方され、全て飲みきるように言われました。
全身麻酔のせいか、時折ぼーっとしてしまうことがあり、完全に回復するまで半月ほどかかったと記憶しています。術後は思ったよりも休養が必要で、手術のタイミングは大事だと思いました。入院費用は、高度医療申請を出した上で実質負担8万円ほど。この他、入院に必要なパジャマなどの細々したものを揃えたので、今回の入院ではおおよそ10万くらいの出費となりました。

■1年が経過しても手にしびれが残るなどの後遺症

その後も1ヶ月に一度の検診が続き3ヶ月ほど経ったところで診察は終了。病理検査の結果も良性とのお墨付きをもらいました。ただ、血管を巻き込んで大きく育っていたこと、筋肉の間に沿うようにして深層部に及んでいたこともあり、1年が経過しても手にしびれが残るなどの後遺症は残っています。また、術跡の一部がケロイド状になってしまい、1年後に同じ病院の形成外科にて表皮をキレイにする手術を受けました。局部麻酔で3万円ほど。日焼けをしないよう、術後2年ほどはテーピングが必要で、現在も続けています。

■まとめ

だれにもできやすいといわれている脂肪腫。原因は不明なんだそうです。しこりを見つけたらまずは医師の診察を受けて、経過観察をしたほうが安心です。場所にもよりますが、腫瘍が小さいうち&健康なうちに摘出する方が負担が少なくて良いのではないかと思います。
術後から2年が経過しましたが、季節の変わり目に痛みが出るなど些細な症状はありますが、摘出してからは快適に暮らせています。ただ、もっと小さなうちに摘出すれば体への負担、手術費用の負担が少なくて済んだのではと少し後悔しています。
(文/亀井満月)