タバコの副流煙が犬に及ぼす悪影響

近年、日本国内でも禁煙化が進んでいます。その大きな理由として、人体への悪影響が挙げられます。しかし、これは人間だけの問題ではありません。

受動喫煙という言葉が周知されるようになりましたが、吸っていない人でも周りに吸っている人がいることで副流煙の影響を受けてしまい、肺がんなどの病気を患うリスクが高まるというものです。

実はこの副流煙こそ、犬も例外とは言えず、犬の体にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。まずはタバコの副流煙について考えていきましょう。

副流煙はリスクが高い

そもそもタバコは吸っている本人が病気になりやすいと言われていますが、実は主流煙よりも副流煙の方がリスクが高いということをご存じでしたか?

副流煙には主流煙に比べてニコチンの量が約3倍も含まれていると言われており、がんを誘発する発がん物質に関しては約2〜130倍も含まれているというのです。本人が吸っていないだけに驚きの結果と言えるでしょう。

これは人間にも言えることですが、犬を始めとしたペットも例外ではなく、副流煙によって体にこれらの悪影響をもたらされてしまうのです。

ある調査では、飼い主がタバコを吸ってる場合、飼っている愛犬の発がん率は、そうでない犬に比べて1.6倍高いということが判明しています。

副流煙により起こる症状

副流煙により悪影響を受けてしまうと、まず始めに咳やくしゃみなどの風邪と似たような症状が現れ、鼻の周りが腫れるなどの変化が見られるようになります。

その後、放置してしまうと重症化してしまい、喘息や気管支炎などを発症し、息が苦しそうな様子が見られますので、速やかに病院へ連れて行き、獣医さんに診てもらうようにしましょう。

最終的には副鼻腔がんや肺がんになってしまうリスクが高まりますので、最初の鼻が腫れ、風邪と似たような症状が見られるようになった時点で病院へ行き、処置してもらうことが大切です。

長頭犬種や短頭犬種は要注意

すべての犬にとって副流煙は非常に危険なものですが、中でも鼻の部分が長い長頭犬種と言われる犬種や、反対に鼻の部分が短い短頭犬種と言われる犬種の場合には、特に注意が必要となります。

長頭犬種の場合、鼻に副流煙が溜まってしまうことで副鼻腔がんになる可能性が一気に高まってしまいます。長頭犬種の代表としてはコリーやダックスフンドなどが挙げられます。

そしてパグやフレンチブルドッグなどの短頭犬種の場合には、マズル(鼻)の部分が短いこともあり、副流煙が直接肺に達しやすくなっています。そのため、肺がんになる恐れが非常に高いのです。

誤飲の危険性

タバコが犬に悪影響を与える原因は副流煙だけではありません。最近ではマナーが向上しており、タバコをポイ捨てする人も減ってきていますが、未だにポイ捨てする人がいるのも事実です。

したがって、飼い主がタバコを吸っておらず「副流煙は大丈夫」と安心するのはまだ早いのです。散歩の際、道路にタバコがポイ捨てされている可能性も考えられるため、注意が必要です。

また、もしも飼い主の誰かがタバコをすっているのであれば、家の中でも注意が必要となります。例えばタバコを吸った後の吸い殻や買ってきたタバコを犬の見える位置に置いてしまうのは危険です。

特に飼っている犬がまだ子犬である場合、犬は知らない物を口にすることで何であるかを確かめようとする習性がありますので、タバコの吸い殻を咥えてしまったり、タバコの箱を噛み千切って中身を食べてしまう恐れもあるのです。

誤飲でニコチン中毒

もしも上記で取り上げたようにタバコやタバコの吸い殻などを誤飲してしまうと、愛犬がニコチン中毒になってしまう恐れがあり、大変危険です。副流煙も悪影響を与えますが、それ以上にタバコそのものを食べてしまう方が遥かに危険です。

また、タバコそのものではなく、タバコの吸い殻を捨てるため、水に漬けているという場合は要注意です。誤って犬がその水を飲んでしまう可能性もあり、その場合でもニコチンを摂取してしまうことになるからです。

犬がニコチン中毒になってしまうと、異常なほど興奮してしまったり、震えるなどの症状が発生します。さらに痙攣や嘔吐などの症状を確認されることもあり、一目で異常事態だとわかるでしょう。

もしも誤飲してしまったら

では、もしもタバコやタバコの吸い殻、タバコの吸い殻を捨てた水を誤飲してしまった場合は、どのような対処をすれば良いのでしょうか。

まずは応急処置として吐かせることが大切です。しかしこの時、吐かせるためと水や牛乳を一気に飲ませてしまうと、吸収が早まってしまったり、手前で止まっていたタバコを小腸へと押し流してしまう恐れがあります。

基本的には異物が体内に入ってしまった際、犬自身が吐き出そうとします。その行動によって吐き出せることが多いのですが、もしも吐き出せなかった場合には、すぐに獣医さんの元へと連れて行きましょう。

「実際に食べているところを見ていないけれど、もしかしたら誤飲してしまったかもしれない」という状況の場合は、「様子見しよう」ではなく、すぐに病院へ連れて行きましょう。症状が出てしまい、何かあってからでは遅いのです。

まとめ

このようにタバコは人間だけでなく、犬を始めとした愛するペットにも悪影響を及ぼしかねません。喫煙者の方に「タバコを止めなさい」とは言いません。しかし、愛犬のためにも誤飲をしないように見張ったり、見えない場所に置いておく、すぐに捨てるなど、工夫をするようにしましょう。