CKから先制&決勝ゴールをお膳立て。様々な役割をこなした宇佐美が勝利に大きく貢献した。(C)Getty Images

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[ブンデスリーガ2部 11節]デュッセルドルフ 1-0 ダルムシュタット/10月20日/エスプリ・アレーナ
 
 デュッセルドルフの宇佐美貴史が20日のダルムシュタット戦で3試合ぶりに先発し、CKから決勝点をもたらすなど活躍。今季最長の80分間プレーし、リーグ首位を行くチームの勝利に貢献した。
 
 4連勝中のデュッセルドルフだったが、前節から宇佐美、スウェーデン代表の194センチの長身FWクヨビッチと先発ふたりを入れ替えて臨んだ。すると、この起用が的中。開始2分、「午前中に練習していた形が驚くように、そのまま出た」という宇佐美の右CKをニアサイドに駆け込んだフィンクが後ろにそらし、フリーになっていたクヨビッチが強烈なヘッドを叩き込み先制に成功した。
 
 4-2-3-1の左サイドハーフで先発した宇佐美は、「ウチは1点とると、さらにイケイケになりすぎて、息切れしたり、バランスを崩したりすることがある。そのあたりを考えながらプレーした」と、相手ボールになると必ずリトリートするなど献身的に守備をこなし、さらにタイミングを図ってドリブルで仕掛けるなど、メリハリをつけたプレーを見せた。
 
 試合はそのままホームチームが1-0で勝利。試合終了の笛が鳴ると、揃って途中交代していた宇佐美とクヨビッチががっちり握手をかわし、ふたりを中心に歓喜の輪ができていた。
 
 すると……クヨビッチが宇佐美に何やら話しかけると、宇佐美が首を振って否定した。さらに詰め寄って確認してくるクヨビッチに、宇佐美は大きな声で拒否し説明していた。
 
 この日の勝利の立役者であるふたりが口論に? その真相を聞いてみると、宇佐美は笑って答えた。
 
「勝利すると試合後にサポーターやスポンサー向けのイベントがあり、選手が参加するんです。今回はエミール(クヨビッチ)が参加することになっていたんです。それで『タカシ、活躍したし代わりに出ないか?』と聞かれたんで、僕は家族がドイツに来ていてこのあと予定があったので、今日は無理だと言ったんです。それでも『タカシのほうがいいだろ』と言ってきたんで、お前が決めたんだからそのほうがいい、と断ったんです」
 
 宇佐美は他の選手とも試合終了後に戦術的な確認をとり、インタビューにもドイツ語で応じていた。ドイツ挑戦通算5年目、そういったコミュニケーションの面でも成長がうかがえる。このまま先発の座を射止めた、蓄積してきた経験の真価を発揮したい。

取材・文:塚越 始