長崎はここ9試合無敗。堅守が好調を支えている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J2リーグ38節]長崎1-1名古屋/10月21日/トラスタ

 3位につける長崎と、直接対決での逆転を狙う4位の名古屋。リーグ残り5試合で迎えたJ1自動昇格圏を巡る上位決戦は、互いのスタイルをぶつけ合った末に1-1のドローで終了した。
 
 長崎はDF高杉亮太が4試合ぶりにスタメンに復帰し、現時点でのベストメンバーを揃えた3-4-2-1で挑み、名古屋は故障のMFガブリエル・シャビエルに代わり、FWシモビッチがリーグ戦で6試合ぶりに先発出場しての4-4-2で試合はスタート。
 
 前半から、細かくボールをつなぐ名古屋に対して、連動したプレスと背後を狙う攻撃でペースを握った長崎だったが、名古屋のGK武田洋平、DFイム・スンギョムの好守もあって得点を奪うには至らない。
 
 後半に入っても、前半同様にタイミングよくプレッシャーをかける長崎が有利に戦いを進めていくが、名古屋がシステムチェンジで対応すると、試合は互いに攻め合う展開へと移っていく。
 
 どちらもチャンスを掴みながら得点できないまま時間が過ぎていくなか、名古屋はMF青木亮太がエリア内で倒されPKを獲得。これをシモビッチが決めて88分に0-1とリードすることに成功。決定的とも言える時間帯での得点に名古屋の勝利は間違いないと思われたが、今季ホームで圧倒的な強さを見せる長崎が底力を発揮した。
 
 アディショナルタイム、左サイドを突破したMF翁長聖のクロスをFWファンマが高い打点のヘディングで合せると、これが決まって1-1。長崎は今季最多12,923人の観客の前で名古屋から勝点1を奪い取り、3位をキープすることに成功した。
 
 両チームともにあらためてスタイルが浸透していることを示した試合だったが、そのなかでも際だったのが長崎のプレスのタイミングと連動性だ。
 
 名古屋も個人能力の高さを生かしてショートパスをつなぎ、ワンタッチのプレーでプレスを剥がそうとしたが、最後まで長崎の守備を崩しきることはできなかった。
 
 長崎は「ドローだがウチの良さが出た。守備の入りはここ最近で一番良い試合だった」(郄杉亮太)という言葉どおり、リーグ終盤に入ってチームの連係・スタイル・イメージ共有がより高まっており、「結果が出て自信になっている」(前田悠佑)ことでチームの士気も高い。
 
 残る対戦カードを考えれば2位を争う福岡、名古屋より有利な状況で残るリーグ戦を戦うことができる点も強みだろう。リーグ戦残り4試合、今の勢いや流れを壊さず、目の前の試合に集中して戦うことができれば、長崎が逆転でJ1に自動昇格する可能性は十分にある。
 
取材・文:藤原裕久(サッカーライター)