覗けば深い女のトンネルとは? 第45回「女子の足元事情」

 

「靴を脱ぐなら言ってくださいよ!」と女子から怒られたことがあります。和久井が合コンをセッティングしたときのことです。お座敷のお店を予約してました。

 

寒い日だったので彼女はブーツを履いていたんですが、そのなかは派手柄の五本指靴下。「見えないからいいか」と思ったそうです。「足にこういう柄がついてるんですってことにすればいいんじゃない?」とか言ってごまかしましたが、靴を脱ぐ必要があるかどうかは当日のおしゃれを大きく左右するんですね。申し訳ないことをしました。

 

先日、美術館デートしました。お宝の山をうろうろ観て歩いて、そこからランチの店を探して街を縦断し、なんだかんだ4時間くらい歩きっぱなしだったでしょうか。

 

美術館デートなのでそもそも歩くことが前提です。楽な靴を履いて行ったので、何時間歩こうが問題ありません。歩きながらのおしゃべりは、仲のこなれていない男女にもオススメです。景色が変わるので話のネタが見つけやすい。他愛もないこと、考え方、いろんな話をしました。歩くと脳が活性化されるらしいので、黙ってカフェで座っているより話が弾むようです。

 

だけどそれは「歩くつもり」があるからできることです。

 

つま先やヒールの細い華奢な靴で1時間も歩くって、ピラニアのいるドクターフィッシュに足突っ込んでるような感じですかね。

 

シンデレラはガラスの靴を履いてたらしいですが、あんな固くてフィット感がなくて融通の利かないもの履いてダンスとか、靴擦れでずる剥けが想像できて寒気がします。走って逃げたらそりゃ脱げますよ。

 

和久井はヒールで連続10分も歩いたら、頭の中は足の豆の痛みでいっぱいになります。デートとかどうでもいいから早く帰りたい。

 

その上、歩く理由が「どの店にしよっかー」「ここはちょっとなー、あ、あそこは?」とかだったらどうでしょう。「最初から決めてこい!」と思います。

 

こちとら、綺麗だって思ってほしくて、いいとこ見せたくて、華奢な靴を履いてがんばってるんです。ヒールの靴のほうが、断然女らしくてかっこいいですもん。その心意気の返事が、店も決めてないノープランですか、と。

 

ロングブーツなら多少ヒールが高くても痛くならないですが、ブーツって蒸れるので臭いんですよね。タイツやストッキングといった合成繊維は、消臭スプレーごときじゃ太刀打ちできない臭いを発生させするんです。「今日の店はお座敷だからやめておこう」ってすることも多いです。脱着面倒だし。

 

というわけで、女は行き先によって靴を選ぶことがけっこうあります。靴から全身のファッションを決めることも少なくありません。

 

だからデートのプランは、できれば前もって教えてくださいね。

 

ちなみに少女マンガでは、ヒールが壊れた、足を怪我したなどで歩けなくなる女子の話が結構あります(「失楽園に濡れる花」(冬森雪湖)、「The B.B.B」(秋里和国)など)。そんなときは間違いなくヒーローたちが、主人公を抱きかかえたりして助けてくれます。男子の筋力や懐の深さ、機転の利くところを証明する見せ場のひとつです。

 

和久井も過去になんどかデート中に足を痛めたことがあります。例によって「どの店にしようかなー」とかいってウロウロ歩いているうちに靴擦れを起こしたんです。

 

「足が痛い……」とかわいらしく言ってみました。

 

返事は「なんで?」です。迷惑そうな顔をしてました。「なんで足が痛くなるような靴を履いてくるの?」みたいな。

 

少女マンガと現実のギャップを目の当たりにして世知辛かったです。