野菜ジュースを飲んでるから大丈夫! と言いながら野菜を食べずに野菜ジュースばかり飲んでいる方はいませんか? 今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、著者で総合診療医ドクターである徳田安春先生が、ジュースやスムージーで野菜を摂取することとは新鮮な野菜を摂ることの代わりにならない理由について、現役医師として詳しく解説しています。

ジュースやスムージーはOK?

前回は、果物と野菜の医学的真実についてご紹介しました。今回はその続きです。前回お話ししたように、果物と野菜はフレッシュな状態で摂ると身体に良いというのは事実です。では、ジュースやスムージーの形で摂るのはどうでしょうか?

フレッシュな果物や野菜を食べる暇がないとき、コンビニなどで売られている野菜や果物のジュースやスムージーを飲んでみたくなる人も多いと思います。野菜ジュースの商品パッケージの面には「一日に必要な野菜が摂れる!」と書かれたものもよく見かけます。

もしもフレッシュな果物や野菜がその皮や中味、芯なども含めて丸ごとそのジュースやスムージーにブレンドされているのなら確かに果物や野菜の良質の栄養分とファイバーを採ることができるでしょう。

ジュースによるカロリー取りすぎのリスク

しかしながら、ジュースやスムージーは一気に飲み干すことがたやすくできます。そのため、カロリー取りすぎのリスクがあります。大量の果物からできたジュースではカロリーも高くなってしまいます。比較的カロリーの高いバナナやアボカドをたくさん含むジュースのカロリーは特に高くなってしまいます。

一方で、そのまま丸ごとの果物や野菜は食べて消化し吸収するまでの時間がかかりますので、満腹感を感じやすくなります。フレッシュな果物や野菜を摂ることはカロリーの取りすぎを防いでくれています。

商品に依りますが、ジュースやスムージーには他の内容物が入っているものもあります。砂糖や脂肪などです。前回お話しした加工糖です。加工糖の摂りすぎは糖尿病や肥満のリスクになります。

ジュースやスムージーの製造過程では、果物や野菜の重要な栄養成分が除かれることがよくあります。ファイバーや微量栄養素です。

100%ジュースであってもこれらが除かれることが多いのです。

ジュースによる糖尿病のリスク

ファイバーを含まないジュースやスムージーの形で果物や野菜を摂ると、身体は容易に消化吸収してしまうので、血糖が急激に上昇してしまうことになります。胃腸の中に残る部分がほとんどなくなりますので、満腹感は得られにくくなります。

さらには、この急激な血糖の上昇に反応して、膵臓からインスリンが分泌され、血糖を下げてしまうために、脳内の摂食中枢が刺激されて、またもやお腹が空いてしまうことになります。喉が渇きやすい暑い夏には、大量のジュースを飲んでしまうこともありますので気をつけましょう。ダイエット中でしたら、果物ジュースは一日1杯までとしましょう。

最近の医学研究によると、果物のジュースをよく飲む人は太りやすくなり、糖尿病にもなりやすくなるといわれています。一方で、ブドウやリンゴ、ブルーベリーなどのフレッシュな果物をそのままでたくさん食べている人は、糖尿病になりにくくなります。

有名な哲学者のルソーは、自然に帰れ、と述べました。これは、医学でも進化医学という形で支持されています。狩猟採集の頃、人類の祖先は長い間、果物をそのままフレッシュで食べていました。そのような食生活を何万年も経て適応し進化してきたわたしたちにとって、果物はやはり自然なフレッシュで食べるのがベストですね。

文献

Mozaffarian, D., et al. Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men. N Engl J Med 364: 2392-2404.

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/Nejmoa1014296

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