ジンバブエのロバート・ムガベ大統領。訪問先の南アフリカ・プレトリアで(2017年10月3日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は21日、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)を親善大使に指名しようとしたことに世界中から非難が殺到したことを受け、この判断を「再考する」と発表した。

 テドロス事務局長は先週、ジンバブエの独裁者ムガベ大統領に、アフリカ全土における心臓まひや脳卒中、ぜんそくなどの非伝染性疾病との闘いを支援する親善大使への就任を要請していた。

 しかしこの判断は活動家や主要なWHO加盟国の当惑や怒りを招いた。活動家はジンバブエの医療制度は他の公共サービスと同様、ムガベ政権下で破綻していると指摘している。

 テドロス事務局長はツイッター(Twitter)に「みなさんの懸念は私の耳に入っている。WHOの価値観に照らし、この提案を再考する」と投稿した。

 かつてエチオピアの保健相を務めていたテドロス氏は今年7月、アフリカ出身者としては初めてWHO事務局長に就任した。

 テドロス事務局長は先週、ウルグアイの首都モンテビデオ(Montevideo)でムガベ大統領にWHO親善大使への就任を要請する声明を発表。ジンバブエを「国民皆医療保険制度や健康増進を政策の中心に位置づけ、全国民に医療を提供する国」と絶賛していた。

 ムガベ氏のWHO親善大使指名に対する非難の声は広がり、21日には英国、カナダ、米国も加わった。

 カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相はこの指名について「絶対に受け入れられない」、「ぶっちゃけてしまうと……たちの悪いエープリルフールのジョークだと思った」と述べた。

 ジンバブエの活動家で人権弁護士のダグ・コルタート(Doug Coltart)氏は「自分でジンバブエの医療部門を破綻させておいて、治療のためにシンガポールに飛んだ男がWHOの親善大使だって」とツイートした。

 1980年からジンバブエの実権を握っているムガベ氏は体調を崩しがちになっており、定期的に外国で治療を受けている。
【翻訳編集】AFPBB News