【いくつ知ってる?】オアシスからYESまで”洋楽アニソン”のオススメ曲8選

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これまでに、数多くの名曲、良曲を生み出してきたアニソンの世界。その中でも、洋楽アーティストによる楽曲が、その長い歴史に刻まれていることをご存知でしょうか?

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決してその数は多くないものの、印象的な楽曲が多い"洋楽アニソン"の楽曲たち。超大物バンドの代表曲を引用したものから、実力派アーティストによる書き下ろし曲まで、特にオススメの楽曲をご紹介いたします。

ジャン=ジャック・バーネル『You won't see me coming』(『巌窟王』ED)

アレクサンドル・デュマの文学作品『モンテ・クリスト伯』をべースに、GONZOが新たな解釈を加えて映像化したアニメ作品『巌窟王』。

古典文学にSF設定を持ち込んだ斬新な世界観や、当時としては画期的だったテキスタイル的な切り貼りを用いた色彩表現など、その独特な作風とデザインは、コアなアニメファンの間でも話題となりました。

英国のパンクロック、ニューウェーヴシーンにおけるパイオニアの一人であり、The Stranglersのメンバーであるジャン=ジャック・バーネルが主題歌や劇伴に書き下ろしの楽曲を提供するなど、音楽面にも、その特異な作風は現れており、意外性のある大物アーティストの起用とそこから生み出された音楽の数々は、この作品の存在感をより一層印象深いものにしています。

ニューウェーヴ的な浪漫溢れるメロディが魅力の『We Were Lovers』も素晴らしいのですが、エンディング曲の『You won't see me coming』のロックなサウンドも捨てがたく、本稿では後者を紹介させていただきます。

美しもどこか脅迫的なニュアンスを感じさせるストリングスや浮遊感のあるシンセサイザーのフレーズに、バキバキと鳴り響く強靭なリズム感を有したベース音と耽美的なヴォーカルが一体となったこの曲は、まさに、"パンクロック"であり"ニューウェーヴ"の旨味がタップリと詰まったナンバーです。

高いインテリジェンスとパンクスとしての獣性が混在した内面を持つジャン=ジャック・バーネルというクリエイターの音楽性を端的に伝えてくれる楽曲といえるでしょう。

ウォーレン・ウィービー『Human Touch』(『機動新世紀ガンダムX』ED)

アメリカ人ヴォーカリストによるAOR的なナンバーで、歴代ガンダムシリーズ主題歌の中でも異色の楽曲。『機動新世紀ガンダムX』のエンディング曲として、シリーズの序盤と最終話に使用されました。

本作のエンディング曲は、先ず、全編英語歌詞によるこの曲のオリジナル・バージョン、続いて、歌詞を日本語に訳したカバー・バージョン、そして、終盤で使用された『銀色Horizon』と次々に移り変わっていったのですが、大人びた雰囲気たっぷりのこの曲が当時の視聴者層に残したインパクトは絶大でした。

今回、取り上げている楽曲は、そのほとんどが2000年代以降に作られた作品ですが、1996年に放映されたアニメ作品で英詞の曲を使用するという意欲的な試みが、如何に画期的なことであったかを今になって改めて思い知らされます。

The Delgados『THE LIGHT BEFORE WE LAND』(『GUNSLINGER GIRL』OP)

相田裕先生の同名漫画を原作としたアニメ作品『GUNSLINGER GIRL』の主題歌に引用されたのが、スコットランドのインディーロックバンド、The Delgados『THE LIGHT BEFORE WE LAND』です。

The Delgadosは、日本でもファンの多いMogwaiやArab Strap、Bis(日本の同名アイドルグループではなく、女性メンバーを擁したキッチュな音楽性が特徴のポップロックバンド)といったバンドも音源をリリースしていたインディーズレーベル、ケミカル・アンダーグラウンドを運営しており、いわば、スコットランド音楽シーンの中核を担っていた存在でした。

そんなバンドの楽曲を主題歌に使用していること、また、『GUNSLINGER GIRL』が放映された当時は、洋楽をアニメ作品に引用すること自体が珍しく、この曲の存在は本作に独自の作品性を付与し、特別な煌めきを与えています。

楽曲自体も、幻想的でアブストラクトなバンドサウンドに女性ヴォーカリストの淡い歌声が乗るシューゲイザーやドリーム・ポップを思わせるストレートなインディーロックであり、良い意味でマニアックなそのサウンドは、当時のアニメ主題歌の中で異彩を放ちました。

Franz Ferdinand『Do You Want To』(『Paradise Kiss』ED)

『ご近所物語』や『天使なんかじゃない』『NANA-ナナ-』などの大ヒットで知られる少女漫画家、矢沢あい先生の名作漫画をノイタミナ枠でアニメ化した『Paradise Kiss』。

本作で監督を務めたのが、ロックやパンク、ファッションなどのユースカルチャー、ポップカルチャーを巧みに取り入れた作風で知られる小林治氏で、本作でもロックバンドのメンバーに劇伴を任せるなど、原作漫画のスタイリッシュな雰囲気にプラスして、その音楽的なこだわりを垣間見ることができる作品となっています。

エンディング曲には、Franz Ferdinandの代表曲を引用。ダンサンブルなロックサウンドで、日本でも一躍人気バンドとなったFranz Ferdinandですが、その曲をアニメ作品の主題歌に使用するという思い切ったアイデアは如何にもおもしろく、また、実にノイタミナ作品らしいセンスも同時に感じられたものでした。

『Do You Want To』は、この作品の他にも、大手家電メーカーが発売した携帯音楽プレーヤーのCMソングとして使用された為、そのメロディとリズムを耳にした方も多いはず。

キャッチーなコーラスと跳ねるリズムがメロディと歌をグイグイと引っ張る同バンドならではのポップセンスが感じられるナンバーです。

OASIS『FALLING DOWN』(『東のエデン』OP)

こちらも、ノイタミナ枠で放映されたアニメで、洋楽をその主題歌に起用した作品。

2009年に放映された神山健治監督によるオリジナルアニメ『東のエデン』は、記憶を失った青年、滝沢朗とヒロインが偶然に出会ったことから始まる謎めいたストーリーを描いた作品で、テレビシリーズの終了後に総集編を含む3本の劇場映画も公開されました。

ミステリアスかつ国家や社会といった巨大なモチーフを作品内に据えた壮大なスケールで描かれるストーリーに加えて、人気漫画家の羽海野チカさんがキャラクターデザインの原案を務めたことでもアニメファンの話題を集めた本作。

やや難解な作品性と同様に、その主題歌もやはり一筋縄ではいかず、そのテーマ曲には、何とOASISの楽曲が使用されています。

英国を代表する超メジャーアーティストとして、そして、とてつもなく美しいメロディを持つ代表曲の数々と中心人物であるリアムとノエル兄弟の毒舌で知られるOASISですが、バンドは『東のエデン』が放映された2009年に解散した為、この『FALLING DOWN』が収録された『Dig Out Your Soul』は、バンドにとってのラストアルバムとなっています。

どこかうら寂しく退廃的な風景を中心に繰り広げられるオープニングアニメーションと共に、改めて、そのメロディの魅力を噛み締めたくなる1曲です。

ジョン・サイクス『CAUTIONARY WARNING』(『課長王子』OP)

1999年にWOWOWで放映された『課長王子』からは、この曲を。本作は、ロックスターになる夢を持ちながら、今ではしがない会社員となった元ギタリストの中年男性が、大規模な宇宙戦争のキーパーソンとなってしまうという一風変わったストーリーのSFアニメ。

ロック……しかも、ハードロックがストーリーの中で重要なモチーフとなっており、劇中にも様々な音楽にまつわる小ネタや楽器ネタが登場した作品です。

その作品性に合わせてかオープニングにもバリバリのハードロックが使用されており、WHITESNAKEやThin Lizzyといった有名ハードロックバンドを渡り歩いた名ギタリストのジョン・サイクスが楽曲を提供。ハードかつスピーディーなサウンドで、作品を盛り上げてくれました。

ド派手でテクニカルなギターソロや、ただただ"カッコ良い"としか言い様のないギターリフ、そして、パンキッシュなテイストすら感じられる吐き捨て型のヴォーカルと、ひたすらに"燃える"要素が比較的コンパクトな尺の中にギュッと詰め込まれた楽曲で、ハードロックならではの魅力を存分に味わえるナンバーです。

ハードロック、ヘヴィメタルファンならばその名を知らぬ者はいない有名ギタリストではありますが、その曲をアニメの主題歌にしてしまうという思い切った発想が当時のアニメファンと洋楽ファンを大いに驚かせた本作。

大ヒット作となった『けいおん!』を筆頭に、"バンドアニメ"が数多く制作されている今だからこそ改めて再評価したい作品であり、主題歌です。

Duran Duran『グラビアの美少女』(『SPEED GRAPHER』OP)

MTVが誕生し、数多くの洋楽ヒット曲が日本でも生まれた80年代。そんなエイティーズ・ヒッツの代表的アーティストの一つであるDuran Duranの楽曲『グラビアの美少女』(原題は『Girls on Film』)を主題歌に用いたアニメ作品が、『SPEED GRAPHER』です。

中性的なメイクを施し、ポップなニューウェーヴサウンドを特徴とする「ニューロマンティック」と呼ばれるムーブメントを牽引したバンドとして知られるDuran Duranは、結成から40年近くが経った今も活発な活動を続けるポップアクトの代表格。先ごろ行われた来日公演では、日本武道館でのライヴを大成功させるなど、80年代から現在に至るまで、ここ日本でも根強い人気を誇るバンドとして愛され続けています。

『グラビアの美少女』は、そんなDuran Duranの初期における代表曲の1つで、ファンキーなリズムに、シンセイサイザーを中心としたポップなメロディを組み合わせた、同バンドの音楽的特徴が色濃く出た楽曲。

エイティーズ・ヒッツを集めたコンピレーションアルバムでもお馴染みの曲であり、その親しみやすい曲調は、今も尚、"ポップソング"としての求心力と完成度を保ち続けています。

カメラをモチーフとし、ちょっとエロティックな匂いもするリリックも込みで、アダルトな雰囲気が漂う『SPEED GRAPHER』の作品性ともジャストフィットしていたこの曲。その選曲センスの高さが光る起用に、思わず唸ってしまいます。

YES『ROUNDABOUT』(『ジョジョの奇妙な冒険』ED)

世界的な人気を誇る漫画『ジョジョの奇妙な冒険』は、作者の荒木飛呂彦先生が大の音楽ファンということで、作中のキャラクター名やキーワードに度々、洋楽アーティストの名前が引用されることで知られています。

アニメ化の際にも、その意匠は巧みに作品内に取り入れられ、各シーズンの主題歌に洋楽を起用するという思い切った試みがなされました。

原作漫画の第一部から第二部を描いたファーストシーズンで使用されたのが、英国のプログレッシヴ・ロックバンド、YESの『ROUNDABOUT』(アルバム『こわれもの』収録曲)。元々、ジョジョという作品内において、プログレ関連の引用が多かった(特に、序盤から中盤にかけて)こともあり、ある種の必然性すら感じられる納得の選曲です。

超絶技巧を駆使した長尺の曲が多いプログレッシヴ・ロックですが、本曲も本来は8分以上に渡って演奏が繰り広げられるナンバーであり、それを1分30秒が基本がフォーマットであるアニメのエンディング曲として使用するというのは、かなり大胆なアイデアです。

しかしながら、本作ではエンディングアニメーションのセンスの良さと、各パートを切り分けて使用するという、これまた大胆な演出技法によって、YESを見事に"アニソン"という枠にフィットさせることに成功しています。

これ以降も各シーズンにおいて、The Banglesやパット・メセニー・グループ、Savage Gardenといった音楽性も多用な洋楽アーティストの楽曲がアニメ版のジョジョでは使用され、ファンの耳を楽しませてくれました。