ある母親が先日「娘の作文が(中略)えらいイベントだからって先生達が張り切っちゃって(同)編集に編集を重ねさせて最早別物の作文になって」とツイート。さらに「良い作文だったから娘が書いた元の作文を返却して」とお願いしたところ、学校のミスで紛失していたことを伝えました。学校による作文の編集や紛失に法的問題はないのでしょうか。小笠原六川国際総合法律事務所パートナー弁護士の大部博之さんに聞きました。

賞金が発生するコンテストの場合は…

 大部さんによると、作文は「授業で使用するもの」と「コンテストに応募するもの」に分けて考える必要があります。

 前者については、生徒の作成したオリジナル部分と修正部分が明らかとなっている場合は問題ありません。それは単なる教育活動の一環といえるからです。しかし、誤字脱字というレベルを超えた修正を無断で行い、これを本人の作成によるものとして授業で使用した場合には、生徒の著作者を侵害したことになる可能性があります。

 一方で、後者については生徒に対する著作権侵害のほか、コンテストの主催者側に対し、別の問題が発生します。修正部分が作文の内容を実質的に変更するような場合、もはや本人の作成によるものとはいえず、これを生徒作成のものとして応募する行為は「偽装」と同じことだからです。

「もっとも、法的責任となるとコンテストの内容によります。入賞者に多額の賞金が発生する、または一定の認定資格が付与されるなどのケースでは、私文書偽造・同行使および詐欺罪が成立する可能性があります。しかし、単に主催者から佳作、優秀賞などの評価が与えられるだけといったケースでは、先生の道義的な責任はともかくとして、法的責任を問うことまでは難しいかもしれません」(大部さん)

 それでは、紛失についてはどうでしょうか。

「これは、生徒が提出した作文(が記載された紙媒体)の所有権が誰に帰属しているかによります。一概にはいえませんが、所有権が学校側に帰属する場合、学校側に対して作文の財産権侵害を問うことはできません。しかし、生徒が自分でコンテストに応募するつもりで、添削のためにいったん先生に預けたなどの場合は、生徒に作文の所有権が認められ、学校側に慰謝料を請求できる可能性があります」

(オトナンサー編集部)