羽生結弦氏のGPシリーズ初戦は恒例の2位発進となるも、4回転ルッツという新たな仲間を得た実りある大会だった件。
おさまるところにおさまって恒例の2位発進!

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦・ロシアGPでの男子シングルの戦いが終わりました。注目の羽生結弦氏は大技の4回転ルッツを決めるなど、フリーでは1位となるもSPでの出遅れが響いて総合では2位となりました。毎年恒例のことではありますが、今季も初戦は2位発進となりました。

「恒例」という意味では別に痛くも何ともないわけですが、今季に限っては勝っておきたかったなというのが正直なところ。特に相手がネイサン・チェンであるならばなおのこと。やはり世間というのは常に世代交代というか、新たな物語の始まりを期待しています。王者に期待されるのは敗北なのです。

そのとき、世界最高得点を保持する現王者と、4回転5種というインパクトのある強みを備えて追いかける若者とがぶつかったら、防衛よりも交替を期待するような風が吹くものです。競馬などには「勝負付け」という言葉があります。両者の対決、その内容と結果から生まれる「何となくだけど、ずっと勝てる気がする」「ずっと勝てない気がする」という空気を示す言葉です。

勝たなければ生まれなかった自信が、勝つことで確信に変わる。そういうキッカケを与えることが、どれほど勝負を難しくするかは羽生氏自身もわかっているはず。だから先行者は勝って「な?」と勝負付けしたいし、追いかける者は上回って「いやいや」と序列を覆したい。肝っ玉の小さな外野のおせっかいだとはわかっていますが、小さな痛みを残す敗戦でした。うーん、勝ちたかった!

↓昨日、「全盛期の加勢大周」みたいな感じと書きましたが、何かちがうなーと思って考え直しました!


坂本一生のほうでした!

いろんなものがゴッチャになっていました!

珍しくライブ中継で始まった男子シングルの後半グループ。登場した羽生氏は、前戦オータムクラシックのときよりも衣装にほどこした金色の刺繍が太く、力強くなっているような印象。背中の星も含めて「金」のチカラが強く押し出されてきます。限界から逃げない、頂点から退かない、そんな意志や覚悟を内外に示すかのようです。羽生結弦トレーディングカードでもあれば、このままキラカードにできるくらいの輝きです。

↓どうでもいいけど、羽生結弦トレーディングカードは売れると思います!

「きのこゆづ出たーー!」
「何これ、卒アル!?マジで!」
「え?ブライアン・オーサーとか入ってるの」
「それ羽生結弦トレカちゃうやん…」
「うわ、オーサーのホロ加工のやつ出た…」
「若き日のオーサー、って何だコレ」
「サラエボ五輪Ver.とか知らないから」
「カルガリー五輪Ver.も知らんわ!」
「って、プーさんはモザイクかけるのか…」
「オーサーはカード化しておいて」
「プーさんはモザイクという」
「納得いかない感強みすぎ…」
「ん?何だこの女性とのツーショット…」
「これ安藤美姫のインスタの画像やん!」

僕は考えててすごい楽しくなってきましたけど、クレームは多い商品かもですね!

ベースボールマガジン社とかでやるときは「普通」のヤツにしてもらいましょう!

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公式練習では4回転サルコウからのコンボ、4回転トゥループからのコンボを決め、ショートプログラムでは回転不足を指摘された4回転ループもしっかりと決めるなど、ジャンプへの不安を感じさせない動き。ただ、実戦では初起用となる4回転ルッツについては転倒やヌケがつづき、練習では上手くいかないままとなりました。いいほうに転がるか、悪いほうに転がるか、はたして。

後半グループ5番手で登場した羽生氏は、まず冒頭の4回転ルッツに挑戦。高さ、回転、大丈夫。着氷はこらえるような形となりましたが、流れも出してしっかり加点がもらえるジャンプとして決めてきました。「入れる以上は質が高いジャンプが跳べるということ」という有言実行、まずは幸先のいい滑り出しです。

つづく4回転ループは3回転として実施、トリプルフリップは余裕をもって決めて、序盤の3連続ジャンプを終えます。つづくコンビネーションスピンでは締めのアップライトをビールマンスピンの形でやってきました。オータムクラシックでは実施しなかった得意技、「今日はやってくれた!」という喜びで、観衆からも大きな歓声が上がります。

しかし、演技後半に入ると乱れが。まず後半最初のジャンプで4回転サルコウからのコンビネーションの予定の箇所が着氷をこらえたことでコンボにできませんでした。さらに4回転トゥループからのコンボを予定した箇所も、最初のジャンプが2回転となってコンボにならず。

さぁ、これで演技中のコンビネーションジャンプ3回のすべてを、残るジャンプ3つで実施しないと損という状況になってしまいました。まずひとつめのコンボは、つづくジャンプを4回転トゥループ+3回転トゥループとすることで消化。つづけざまのイーグルから跳ぶトリプルアクセルも、両手を上げるダブルトゥループをつけてコンボにして2個目を消化。

ただ、最後のジャンプは着氷後にすぐさまスピンに入る、いわば「ジャンプ+スピンコンビネーション」といった振り付けです。あまりにも時間的余裕がなく、ここをコンボにするのは難しい。羽生氏はおそらくコンボがあとひとつ可能であることはわかっていたのでしょうが、あくまでもジャンプは「一要素」として、演技全体の完成度を高めることを選びました。

得点の損得勘定だけで言えば、そこを「3A+3T」などのコンボにして、スピンをグッダグダにしたほうが基礎点は取れるわけですが、それはやはり邪法ということなのでしょう。美しいフィギュアスケートへのこだわり。ならば、「最後のジャンプでのリカバリ難しい問題」も意図的なスルーでいくしかありません。美しいフィギュアならば、全部決めるのが当然であり、リカバリ前提の組み立ては極上ではないのですから。

↓スピングッダグダにしてコンボつけるなど、美しいフィギュアではない!ということです!


コンボの有無ではなく、「美しいフィギュア」を目指す!

そして、美しいフィギュアができたなら勝つ!

↓現地のファンが日本語のバナーを掲げて応援する一幕も!

「ロシアより愛をこめて」ですね!

演技後に毎回寄ってくる子供といい、ロシアで愛されすぎている!

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コンボ抜けはまぁ端的な敗因ではあるのですが、それが抜けたままでもできることをちゃんとできていれば勝てた程度の最終的な点差であったことも確かです。たとえば最後の単独トリプルアクセルは、GOEの加点で0.86点しかつかない羽生氏的には失敗ジャンプ(SPでは加点3.00を獲得)ですし、スピンやステップ(レベル3判定)などでも2015年のSEIMEIのときには合計で1点ほど余計に取れていました。

まだ上があるし、もっとできるはず。ジャンプの成否といった狭い範囲の話にとらわれるのではなく、今の採点基準をも突き抜けていくような演技全体の質の高さをこそ求めていってほしい。演技すべてで採点基準の上限に迫るような美しさ、それが羽生氏の一番の強みだと思いますので。

さて、プーさんが乱れ飛んだあとの熱狂冷めやらぬリンク、最終演技者として登場したのはネイサン・チェン。4回転ルッツからのコンボ、4回転フリップと立て続けに大技を成功。しかし、演技後半に入るとコチラもお付き合いのように4回転トゥループが抜けて2回転になるといった失敗も。終盤のジャンプではセカンドジャンプとして跳んだ2回転トゥループが演技全体で「3回目」となったことで、ジャンプ跳びすぎ違反となりその部分の得点が抹消されるというトラブルもありました。

とは言え、2度目のトリプルアクセルということで、コンボにしなければ「3A+REP」の繰り返しジャンプ扱いとなる場面です。繰り返しのジャンプ扱いとなれば、基礎点が0.7倍となり演技後半のボーナスを含めても「6.55点」のジャンプとなります。しかし、セカンドジャンプをつけておけば、仮にそれがノーカン扱いでも「3A+2T(2Tはノーカン)=9.35点(単独トリプルアクセルと同じ)」になります。「REPになるよりコンボにしてザヤってノーカンのほうが得」なのです。

そこまで計算してやったわけではないのでしょうし、そこまで計算できているなら無駄にならない「2Lo」をつけたでしょう。しかし、中途半端に「このままじゃノーカン!」と思って跳ばないよりは、結果的に得をする格好となりました。僅差の争いだとこういう些細なことも勝敗をわけていくものですね…。

↓せっかく殿が演技中に素早く指摘してくれたけど、「よくよく考えたら跳んだほうが得」でした…!


殿:「トリプルアクセル…」
殿:「ダブルトゥループ…」
殿:「三度目のダブルトゥループですね」
実況:「得点として認められません」
SNS:「殿が気づいた!」
SNS:「ウソでしょ!すごい!」
SNS:「成長してる!」
(演技終了)
殿:「ただ、ダブルトゥループを」
殿:「3回行なってしまいましたので」
殿:「最後のトリプルアクセル+ダブルトゥループの」
殿:「ダブルトゥループは」
殿:「ゼロ点という形になってしまいます」

殿、その場面は「2T跳ばない」は「2T跳ぶ」より損だったよ!

惜しい!引っ掛け問題みたいでごめんなさい!

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まぁ、負けはしましたが、それはそれ。勝負は五輪の大本番です。今回は幸い「恒例の2位」ということで、イメージ的にもネガティブではありませんし、次戦以降で上げていけば大丈夫でしょう。それに4回転ルッツが成功したことで、構成面ではずいぶんとラクになりました。昨季のラインナップで「4回転5本構成」とするには「ループ、サルコウ、サルコウ、トゥループ、トゥループ」となり、抜けやすいサルコウで二度ドキドキすることになっていたところ。それが4回転ルッツという4種類目の4回転を得たことで、トゥループを二度跳べば「4回転5本」になりますし、得意のトリプルアクセルを2回跳ぶこともできるようになりました。

不満足、しかし収穫はアリ。

初戦としてはまぁこんなものではないでしょうか。今、ものすごくよくて本番のピーキングを心配するよりは、いいのではないかと思います。次、頑張りましょう!

エキシビションでは何が出るのか、気持ちはもう翌日を向いている!