少し前までアメリカでジェンダーが語られるときには、「Diversity(多様性)」という言葉が、よく一緒に使われていた。だけど、最近では「Spectrum(スペクトル)」や「Fluid(流体)」という単語の方が、耳目に触れる機会も増えた。

それぞれを分けるのではなく、ジェンダーが変化する可能性もあることを前提に、1つのものとして捉えようという思考が、メインストリームになっているようだ。

だとするならば、恋人や結婚、家族の定義も変わってくるんじゃないだろうか。そんな中、この記事で注目したいのは、時代の先をゆく家族のあり方。

母親同士、父親同士が結婚

写真中央に写るレズビアンカップルのMarielyとCarlaは、同時期に出産を経験。赤ちゃんたちの父親は、両端に写るゲイカップルのJuniとAlex。つまり、お母さん同士、お父さん同士が結婚をしているという家族のカタチだ。

これまでに至った経緯は、4人に共通する「子どもへの想い」だという。

自分の子どもたちには
親の顔を見せてあげたい

11年の交際を経て、結婚をしたMarielyとCarla。以来、お互いの夢を話すたびに出てくるのは「子ども」のことばかり。強い願望があるにもかかわらず、精子バンクを利用することは避けてきたらしい。そうさせていたのは、未来を想像するたびに思い浮かぶ、子どもからのこんな質問だったとか。

「誰が私のお父さんなの?」
「お父さんって、どんな顔をしてた?」

自分が子どもでも疑問に思うであろうことを考えたら、どうしても踏み切る決心がつかなかったという。

この悩みを本当の意味で理解してくれたのが、親友Alexのカップル。なぜなら、彼らもゲイカップルとして、同じ境遇に苦しんでいたから。

交流を深めていくにつれて、CarlaとMarielyは、「AlexとパートナーのJuniなら信頼できる、彼らに父親になってほしい」という想いが芽生え始めた、と。

様々な苦難を乗り越え、無事に出産することに成功したCarlaとMariely。また、それをサポートをしたJuniとAlex。4人が協力しあったからこその結果だろう。

ここで紹介した彼らの様相は、きっと無数に出てくるであろう可能性の1つ。この先進的な家族のあり方に時代が追いつくのは、ジェンダーを「スペクトル」や「流体」と捉える傾向を考えると、もうすぐなのかもしれない。

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