ドキュメンタリーもあればフィクションもあり。学園を舞台にした生徒会長選もありますよ。選挙映画で投票者もモチベーションをアップしましょう!

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選挙映画と聞いて思い浮かぶ作品ってありますか? 米国の大統領選を描いた映画しか頭に浮かばないという人もいるでしょう。でも邦画にだってあるんですよ。というわけで、日米の選挙映画、いってみましょう!

投票の参考になりそうな? 日本の選挙映画


1.『選挙』(2006年度作品)
川崎市議会議員の補欠選挙に立候補した山内和彦氏(40)の選挙活動を追跡したドキュメンタリー。

駅前で道行く人に、自分の名前を連呼して「よろしくお願いします」と頭を下げ続ける山内さん。人の集まる場所に出向いては声をかけ、頭を下げ続け、党の後援会の人々に助けてもらい、周囲の人からアドバイスをもらい……。

しかし、政策は? 政治家としてどうありたい? 日本をどうしたい?というのがまったく見えてこないのです。これが選挙活動の実態。とにかく議員数が増えればいいのだな……というのがよくわかります。

電柱にも頭を下げる勢いで、ひたすら滑稽。海外では「これ本当か? 日本の選挙はこんなバカバカしいのか」と呆れられたのもごもっともです。でもこれ確信犯のような気がする。山内さんと想田監督が、そのくだらなさにスポット当てたのでしょう。

続編となる『選挙2』は、任期を終えたあと自民党を離れて、無所属として選挙に挑んだ山内さんを撮影。原発問題を封印するほかの候補者に業を煮やして、選挙カーも事務所もなしで闘う姿を描いています。

監督・撮影・編集:監督:想田和弘

2.『国会へ行こう!』(1993年度作品)
大学生の川合(吉田栄作)は衆議院議員の松平(緒形拳)を助けたことから、議員の秘書のアルバイトをすることに。政治の世界に入っていくが、報道されない政界の裏側はあまりにも歪んだ世界だった。離れようとしたとき、お世話になった議員の政治改革に感銘を受けた川合は続けることになるが……。

ピンチになったら内閣解散など、政界のトップのやることはいつの時代も一緒のようで……。主人公の青年が政治に目覚めて成長していく姿を描き、後半は選挙合戦もあるので、選挙前に見るといいかも!

監督:一倉治雄 出演:吉田栄作、緒形拳、宮崎ますみ、吉田日出子、松村達雄、金子信雄ほか

アメリカ全土が揺れる!上院議員選挙を追いかける!


3.『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』(2011年度作品)
ペンシルバニア州知事の広報官として活動するスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、オハイオ州予備選前に、ライバル候補の陣営のひとりから引き抜きの誘いがあったり、選挙スタッフのインターン(エヴァン・レイチェル・ウッド)の秘密に愕然としたり……。スティーヴンは選挙の裏側で起こるダークな一面に翻弄されていく。

政治の裏側は清廉潔白な世界じゃないから面白いのかもしれませんが、見れば見るほどウンザリするのも事実。知事を窮地においやる事件がいまひとつ脇が甘すぎたり、スティーヴンも簡単に敵の参謀に会ったり……って、そんなに簡単に敵に会っちゃうの?と驚きですが、アメリカはそのあたりドライなのかも。選挙は情報戦というのもよくわかる映画です。

監督:ジョージ・クルーニー 出演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エヴァン・レイチェル・ウッドほか

4.『候補者ビル・マッケイ』(1972年度作品)
上院議員選挙に担ぎだされたイケメン弁護士(ロバート・レッドフォード)が、選挙参謀に言われるままに操り人形のように選挙を突き進んで行く姿を描く。

アメリカの為ではなく、共和党を叩き、民主党が選挙戦に勝つことだけが目的のような選挙。自身の意志、哲学、思想は置いといて、周囲を取り囲まれて後戻りできなくなる主人公。ちょっと日本のドキュメンタリー『選挙』をほうふつさせる内容にビックリですよ。どこも一緒なんですね……。

監督:マイケル・リッチー 出演:ロバート・レッドフォード、ピーター・ボイル、メルヴィン・ダグラス、ナタリー・ウッド、ドン・ポーター

5.『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』(1999年度作品)
野心のかたまりのトレイシー(リース・ウィザースプーン)が生徒会長に立候補するけれど、教師のジム(マシュー・ブロデリック)は、かつて自分の同僚が彼女と恋仲になって教職を追われたため、危機感を感じて、彼女の当選を阻止しようとする……。

肝っ玉の小さい妄想教師に笑顔で嫌がらせをされるトレイシー。生徒会長になれば進学も就職も有利と、過剰なほどはりきって突き進むトレイシーは確かにうっとおしいが、どんな嫌がらせにも負けない根性は立派です。意外とこういう人が政界に進出していくのかも? 自分の考えや行いに迷いがなく、打たれ強く、ブレずに邁進していきますからね。

監督:アレクサンダー・ペイン 出演:マシュー・ブロデリック、リース・ウィザースプーン、クリス・クライン、ジェシカ・キャンベル、マーク・ハレリックほか

6.『チャンス』(1979年度作品)
俗世間を知らずに生きてきた庭師のチャンス(ピーター・セラーズ)は主人が亡くなったため解雇されてしまう。初めて屋敷の外に出たチャンスは経済界の大物の妻(シャーリー・マクレーン)の車にぶつかってしまい、それをきっかけに、彼女の夫と仲よくなり、大統領にアドバイスをする身分に……。

政治のことなど何もわからない男の言葉に含蓄があると勘違いされ、周囲に祭り上げられていく主人公を描いた風刺コメディです。

選挙戦はでてきませんが、庭師として樹木を育ててきたチャンスの言葉の意味を深読みして、先見の明ありと思いこんで行く周囲がおかしく、経済界だけでなく政界にも影響を与えてしまうのに驚き。なぜ見抜けないと思うより、チャンスの選挙戦を見てみたいと思わせるほど、主人公が魅力的です。

監督:ハル・アシュビー 出演:ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルヴィン・ダグラス、ジャック・ウォーデンほか

ほかにも『アホでマヌケな大統領選』(マイケル・ムーア監督作)や『ワグ・ザ・ドッグ〜ウワサの真相〜』、日本映画ではドキュメンタリー『立候補』もあります。

いろいろな選挙映画を見ると、フィクションとはいえない一面もあるのが面白い。そう、映画になるってことは、そこにちょっとだけ真実が見え隠れしているから。選挙って何ぞや?と思っている人は、投票前におひとついかがでしょう。
(文:斎藤 香)