堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える本連載。今回の相談者はミチコさん(仮名・32歳・不動産関連会社勤務)

「3日前、居酒屋さんに行ったのですが、そこで出されたお刺身が”ちょっとヤバいかな〜”という感じだったのですが、食べてしまったのです。そうしたら、その翌日から、強烈な腹痛と下痢が激しくて、救急車を呼びました。

結局、細菌性の腸炎ではないかと診断されました。ここ数日の食生活は、いつでもコンビニ弁当で、その居酒屋さん以外に心当たりはありません。
体の調子が悪いと、眠れないし、メンタル面もガタガタと調子を崩し、会社も休まねばならず、慰謝料を請求したい気分です。その場合、どのようにすすめればいいのでしょうか。そもそも、そんなことは可能なのでしょうか。こちらが飲食代を支払って、店側の衛生管理の不徹底にもかかわらず、私がイヤな思いをするというのは、どう考えても許せません」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

どんなに衛生状況に気を付けていても、細菌や寄生虫などによるリスクはついて回ります。

飲食店で食べたもので、体調の異変を感じたら、早めに病院で治療を受けてください。その上で原因がわかったら、時間を空けずにお店に連絡をするといいでしょう。

お店は不特定多数のお客さんが毎日来ており、ひとりひとりのお客さんを把握しきれていないところが多いです。

お店側から、“他に食あたりを起こした人がいない”などと言われ、お店側に非はないとされる可能性もあります。
そのことを踏まえ、さらに“個人的な体調不良では?”と一蹴されないように、証拠をそろえてから行く必要があります。

その証拠となるのが、レシートやお店で撮った写真などです。

そして、一緒に行った人がいるなら、その人の体調などを確認して、症状が出ていないかなど聞いてみて状況の確認をすることも大切です。

その上でお店に行き、誠意がない対応をされてしまったら、お店がある地域の所轄の保健所に連絡をし、相談してみてください。

最後に、お金のことですが、治療費の請求方法については、ケースバイケースです。

回復まで通院に日数がかかる場合は、その都度請求してもいいですし、後日まとめて請求する場合もあります。

しかし慰謝料については、治療が終わってから、交渉に入ります。入通院の日数、後遺症の有無などで金額が変わってきます。ミチコさんのようなケースの場合、お店からお見舞金が送られ、菓子折りなどで、双方の着地点を見つけることが多いようです。

食材が新鮮な場合でも、まな板や包丁が汚れていることが、食中毒の引き金になる場合も。



■賢人のまとめ
慰謝料と治療費の請求はできますが、時間を空けず、証拠を持ってお店に行くことが大切です

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/