今の高齢者ですら90歳超の人は珍しくありません。これから順次、高齢者の仲間入りをしていく60歳以下の人たちは、90歳超、100歳超は当たり前という前提でマネープランを考えたほうがいい時代になりました。

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人生100年時代に突入。老後の未来予想図を考えてみましょう

人生が100年以上になると、マネープラン的に次のような問題が生じます。

▼1. 現役引退後(セカンドライフ)の期間が長くなる老後の生活費の柱は公的年金ですが、給付額は徐々に下がり、年金開始年齢も遅くなりそうです。ということは、セカンドライフが長くなるほど、老後資金として準備する必要な金額が増えることになります。定年延長や定年後の継続雇用、高齢者の働く場が充実してきているので働き続けて収入を得られますが、何歳まで働けるかは不透明です。

▼2. 入院が増えるので医療費がかさむ年をとるほど、病気やケガで入院する確率が高くなり、しかも、入院日数も長くなりがちです。しかし、公的健康保険の財政は厳しく、これからの高齢者に対する手厚い給付は望めません。というより、現役世代の負担を少しでも軽くするには、手厚い給付を望んではいけません。つまり、長生きするほど、かかる医療費も増えるということです。

▼3. 最後の数年は重い介護状態になる可能性がある80歳を過ぎると程度の違いはあっても介護が必要になることが多く、最後の数年は寝たきりや認知症など要介護度が重くなる可能性があります。医療技術が進歩して、認知症や寝たきりなど要介護の重度化を防げるようになればいいのですが、現段階では未知数です。ですから、介護費用の準備が必要になります。

これまでの老後資金は、主に生活費、リフォーム代や住み替え費用などの住宅関連費用、子どもの結婚・住宅取得の援助資金、死亡整理金(お葬式代・お墓代・相続費用など)で構成されていました。しかし、これからは、住宅関連費用、死亡整理金は変わらないかもしれませんが、長生きする分の生活費、健康維持費用(サプリメント代やスポーツクラブの利用料など)、医療費、介護費用を考慮しなくてはいけなくなります。

生活費の柱になる公的年金の給付額は、少な目に見積もるのが無難で、その他の費用はいくらかかるか予想できません。結果、老後資金としていくら用意しておけば妥協できるかわかりません。子どもの結婚・住宅取得の資金援助や、日常の生活費の援助をする余裕は、もはや、ないと思ってください。つまり、老後資金の構造が変わってきたということです。

サバイバルしていくためのマネープランとは?

生きていれば必ず訪れる老後。お金がないと老後生活は送れないことがわかったと思います。では、長くなりそうな老後を生き抜くには、どんなマネープランを考えればいいのでしょう? 筆者なりに考えてみました。

▼1.現役時代に稼いでひたすらお金を貯める共働きや副業をするなどでお金を稼ぎ、節約も実行してお金を貯めましょう。貯めたお金に働いて稼いでもらう資産運用もした方がいいと思います。ただし、働きすぎて体を壊したり、節約のしすぎで生活や人間関係に支障をきたさないよう、やりすぎには要注意です。なお、この方法の欠点は、日本の政治家と官僚が経済のかじ取りを間違えてハイパーインフレを招いたときです。せっかく貯めたお金の価値が急落するので、努力が水の泡になる危険性があります。

▼2.生涯現役で仕事をする 長生きすると、生涯現役というわけにはいかないかもしませんが、生涯現役を目指して60歳を過ぎても体が動くうちは働き続ける覚悟を持ちましょう。そのために、資格があった方が定年後にも働きやすいなら、若いうちから資格を取っておくなど、老後も意識したキャリアプランを実行しましょう。

▼3.働かなくてもお金が入ってくるようにする最後の数年間は働くことはままならない状況になる可能性が高いので、働けなくてもお金が入ってくるようなしくみを作れたら作っていくといいでしょう。たとえば、稼いだお金で不動産を購入して賃料が入るようにする、何かの商売を起業して自分が働かなくてもお金が入ってくるようにする、本の執筆やCD、アプリの作成などの権利収入が得られるものを作るなどが考えられます。

この3つのうちのどれかに絞るのでなく、やれることは並行して実行しましょう。どの方法にもリスクがあるので、それをヘッジする意味で1つに絞らない方がいいからです。この他に、思いついたことがあれば実行を。今や、1つの仕事で生涯を過ごせる収入を確保するのは難しいと思えるからです。つまりは、収入源をたくさん用意しておくということで、いわゆる複数の仕事を持つ「複業」のススメです。

そして、政治に関心を持つことも大切なことです。老後の生活は、年金にしても医療にしても介護にしても、社会保障に負うところが多く、その内容をよくするのも悪くするのも政治にかかっているからです。特に、20代・30代の人は、政治に関心を持たないと、50年・60年後の皆さんの老後をどうされてしまうかわからないことを肝に銘じておいてください。
(文:小川 千尋)