映像テクノロジーの移り変わりに焦点
オランダ人アーティスト日本初個展開催

2017.10.21


Copyright by Joep van Liefland | Courtesy of NANZUKA

ベルリン在住のオランダ人アーティスト、ユップ・ファン・リーフランドの日本初となる新作個展を渋谷のギャラリーNANZUKAにて2017年10月21日(土)-11月18日(土)の開催する。

ファン・リーフランドは、1966年にオランダ・ユトレヒト生まれで、現在ベルリンを拠点に活動しているアーティスト。近現代の情報媒体、特に映像テクノロジーの移り変わりに焦点を当て、ビデオカセット、テープレコーダー、ブラウン管テレビなどといったアナログ電子機器をモチーフとした様々な作品を通して、媒体の非永続性、テクノロジーの変容についての考察を促している。

その代表的シリーズである「Video Palace」は、映像フィルム、VHSカセット、ビデオレコーダー、パラボラアンテナ、ブラウン管テレビなどを大掛かりなインスタレーションで見せる作品で、デジタル化が進んだ現在ではほとんど使われることがなくなったテクノロジーの成果物を化石のように、考古学的見地から解釈される対象として再展示するもの。また、「RGB」シルクスクリーン・シリーズは、アナログ信号によってモニター画面上に映し出された画像、つまり光の三原色R(赤)、G(緑)、B(青)の集合体を拡大し、キャンバス上にシルクスクリーンによって複製された作品で、もともとアナログの電気信号によって写し出されていた光を、キャンバス上に刷られた色の集合体へと光媒体を変換させることで情報の記録形式の移り変わりを暗示している。それら作品の表層からは1960年代を中心に注目を集めたオプアートの文脈も垣間見ることもでき、作品に備わる色・形を記号として用い、物質としての存在性よりも情報としての存在性を強めることによって、絵という媒体で存在していることの曖昧化、非永続性を強調しているようだ。

今回の展覧会では、前述のRGBシルクスクリーン・シリーズ、VHSビデオテープをモチーフにした平面・立体作品、コラージュ作品に加え、特に日本メーカーの製品を用いた「Video Palace」をキャビネット形式で見せるアッサンブラージュ(立体を寄せ集め作られたアート作品)にもチャレンジした作品が並ぶ予定だ。

本展に寄せてファン・リーフランドは、下記の通りコメントしている。
展覧会のタイトルである「TIME TO DIE」とメイン・ヴィジュアルには、複合的な次の意味が秘められている。「mortality = 避けられない死」、「transhumanism = 科学技術による人間の変異・進化」、「machines (robots/A.I.) taking over humanity = 機械(ロボットや人工知能など)が人間性を引き継ぐ」、「old technological systems dying = 死にゆく旧式テクノロジー・システム」、「bad food habits (the end of self-optimization) = 悪い食習慣(自己最適化の最後)」。 私の作品には、科学技術に対する強い衝動、テクノロジー周辺の事物を発端とする哲学的概念、過去との関係性を孕んでいます。今回、日本で展示することで、自分の作品が戦後の高度成長期を中心に発展した当時の日本の最先端技術、歴史的文脈において交差し、この場に作品として置かれた過去の遺物から、互いに共通する何らかの強いルーツ見つけることができれば、と期待しております。

初日の21日の夜には、アーティストも来日してのオープニングレセプションが開かれる。直接アーティストに解釈を聞きに行くのも良いかもしれない。

(Text:TOKYOIWSE編集部)


<展示概要>
Joep van Liefland/ユップ・ファン・リーフランド
「TIME TO DIE」

▪︎日程:2017年10月21日(土)-11月18日(土)
▪︎オープニングレセプション:2017年10月21日(土)18:00〜20:00
▪︎場所:NANZUKA
   [東京都渋谷区渋谷 2-17-3 渋谷アイビスビル B2F]
▪︎URL:http://nug.jp/jp/exhibition/2017joepvanLiefland.html

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