デイトナ24時間レースの活躍から愛称が付けられた

 フェラーリといえば歴代、数々の名車が名を連ねているのは、改めて言う必要もないだろう。現存モデルについては、芸術品同様、非常に希少価値があるとされ、価格は億レベルだったりすることも珍しくない。そのなかでも燦然と輝く1台がデイトナだ。

 登場は1968年で、1973年まで販売された。デイトナという愛称とは別に、正式車名があって、365GTB/4というのがそれである。意味としては、365はV12気筒の1気筒あたりの排気量(フェラーリの車名の数字が何を表すかは時代によって異なる)。GTはグランツーリスモで、Bはベルネッタ。クーペのことで、4は4カムを表す。

 デイトナという愛称は、プロトタイプがアメリカのデイトナ24時間で上位3位までを独占したことから、市販モデルにもデイトナの名が与えられたのだ。

 デザインは当然、ピニンアファリーナが担当し、風洞実験も繰り返すなど、空力を追求したことから、それまでにない直線基調で、シェイブが効いたものとなっている。またデザイン上の大きなアイコンとなっているのが、ヘッドライトだろう。当初はプレクシグラスと呼ばれるアクリル樹脂製のカバーが付いた固定式だったが、途中から、US仕様に統一してすべてリトラクタブルヘッドライトへと変更された。その美しさもあり、ランボルギーニ・ミウラの好敵手とされる。

 エンジンはV型12気筒で、4390cc。352馬力を発生して、最高速度は280km/hとされた。優雅なデザインとは裏腹に、走りはFRの特性を活かしたもので、豪快そのもの。それだけに、ル・マンや名称の由来となったデイトナ24時間でも活躍した。

 生産台数は約1400台と、ビンテージフェラーリにしては多いほう。また先ごろ日本の納屋から、5台のみが作られたアルミ製ボディのデイトナが発見されて話題になったが、これは走行距離はたったの3万6390kmであったなど、まさに奇跡の1台。

 オークションにて2億3911万6696円で落札されているが、バブル時は通常のスチールボディでも2億とか3億とかのプライスがついていたことを考えると、かなり安いと言っていいかもしれない!?

 (取材協力:マロニエ・オートストーリー・フォーラム)

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