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●各企業の経営課題とは?

日本能率協会は10月18日、「日本企業の経営課題2017調査結果(速報版)」を発表した。調査は8月7日〜25日、同協会の法人会員ならびに評議員会社1,319社、及び全国の主要企業2,141社の経営者を対象に、郵送調査法で行われた。有効回答数は337社。

同調査は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を明確にすることを目的としている。1979年から始まり、今年で38回目。

○企業規模によって異なる経営課題

2017年度の当面する経営課題は、「収益性向上」(42.1%)が前年度から2.4pt減少したものの、前回に引き続きトップに。次いで「人材の強化」(36.8%)、「売り上げ・シェア拡大」(33.6%)と続いた。

上位20項目を前年度と比較すると、「売り上げ・シェア拡大」(3位→2位/前回比+3.2pt)、「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」(5位変動なし/同+2.2pt)、「現場力の強化」(10位→8位/同+1.9pt)、「働きがい・従業員満足度・エンゲージメント向上」(16位→10位/同+6.7pt)などで上昇した。

企業規模別にみると、大手企業(従業員数3,000人以上)では「収益性向上」(47.4%)や「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」(35.8%)、中堅企業(従業員数300〜3,000人未満)および中小企業(従業員数300人未満)では、「売り上げ・シェア拡大」(中堅企業40.6%、中小企業51.3%)や「人材の強化」(中堅企業36.9%、中小企業48.7%)の比率がそれぞれ高い傾向にあり、企業規模によって課題意識が分かれる結果となった。

○主要事業等の今後の見通しは?

現在の主要事業の事業形態、ビジネスモデルの今後の見通しを聞いたところ、今後3年間においては、「通用する見通し」(44.5%)とした企業が最多だったが、今後5年間のスパンでは、「通用するか懸念がある」(53.4%)が最多に。次いで「大きく異なる形態に転換する必要がある」(19.3%)、「通用する見通し」(15.7%)、「わからない」(7.4%)と続き、7割超の企業が、現在の主要事業では5年後の見通しがつかないと考えていることがわかった。

なお、今後10年のスパンでは、約半数となる45.7%の企業が「大きく異なる形態に転換する必要」を認識している。

○46.6%の企業で新事業開発の成果有り

新事業開発の現状については、「成果が出ている」(出ている+ある程度出ている)企業が46.6%、「成果が出ていない」(あまり出ていない+出ていない)企業が41.5%と、その差はわずか。一方、今後の見通しについて「成果が出ることに自信がある」という企業は51.3%と半数を超え、「成果が出るか不安である」企業は36.0%だった。

また、新事業開発における課題状況は、「アイデアから事業プランへ具体化する段階」では79.8%の企業が「課題がある」(「課題がある」+「やや課題がある」)と回答。同様に、「新事業のアイデアの探索段階」では78.6%、「実行段階におけるプロジェクト管理や不測事態への対応」では72.1%、「具体化した事業プランを評価し、実行可否を判断する段階」が71.8%と、それぞれの段階において約7〜8割の企業が「課題がある」ことを認識していることが明らかとなった。

●人材不足と働き方改革

○質・量ともに人材不足

調査によると、事業を展開していく上で必要な人材について、量的に「足りる」(「十分に足りる」+「ある程度足りる」)という企業は36.2%。質的な充足度はさらに厳しく、20.2%だった。

そこで、必要な人材を充足させるための対策を挙げてもらったところ、「中途採用の積極化」(77.7%)や「働く女性の積極活用(非正規・パート含む)」(52.8%)、「働くシニアの積極活用(非正規・パート含む)」(46.0%)が上位に。新しいモデルである「クラウドソーシングの積極活用」(4.5%)や「インディペンデント・コントラクターの活用」(1.5%)は、少数にとどまった。

○労働時間関連を中心に進む働き方改革

働き方改革の取組状況を尋ねたところ、取組率(「既に対策済み」+「現在、推進中」)が高かった取組みは、「残業時間削減」(84.3%)、「休暇取得促進」(76.2%)、「勤務時間の柔軟性・裁量性向上」(51.7%)、「無駄な業務の削減」(68.9%)などで、特に、「残業時間削減」や「休暇取得促進」については、半数近くの企業がKPIを設定している結果となった。

一方で、テレワーク等勤務場所の柔軟性、雇用形態、新しい働き方に対応した人事制度対応などの取組率は低く、3割程度。副業や兼業、インディペンデント・コントラクターの活用などについてはさらに低い取組率となった。

働き方改革を推進するにあたって重視すべきことを聞いたところ、「不要な管理業務、無駄な打ち合わせ・会議の見直しを促進すること」(68.5%)や「働き方改革の意義を明確に現場に提示すること」(65.9%)を挙げた企業が多かった。

次いで、「ミドルマネジャーの理解と実践力を高めること」(58.2%)、「業績向上と働き方改革との矛盾が洗い出され、TOPからの方向づけがあること」(50.1%)と続き、トップによる意義の明確化と、ミドルマネジメントによる「業績」と「働き方」の一貫性ある両立が重視される結果となった。