これまで、LINEのテクニックを3ヶ月にわたり伝授してきた。

これはいわば、マンツーデートに漕ぎつけるための駆け引き。

この難関を突破し、いよいよデートに臨む諸君に捧ぐ『デートの答え合わせ』、開幕である。




明日香と出会ったのは、今流行りのデーティングアプリだった。

マッチした理由は簡単で、僕の方は“顔がタイプだった”から。きっと、明日香の方は僕の肩書き(コンサルタント)と年収を加味したのではないかと推測している。

丸くて大きな瞳に、少し眉にかかるくらいの前髪。身長162cm。

綺麗な顔立ちで、正統派美人とも言える明日香に会いたくなり、メッセージを送ったのが始まりだった。

正直、“デーティングアプリなんて”と、心のどこかで小馬鹿にしていた。

しかし実際に使用してみると、明日香のような可愛い子がいることに驚かされる。

何度かメッセージのやり取りを終え、遂に“会おう”ということになり、僕は店選びに頭を抱える。

万が一、会話が弾まなかった時のために静かすぎず、そうかと言って決してチープにはならない良い塩梅の店...

この頃にはもう僕たちはLINEのIDを交換しており、僕はLINEで待ち合わせ場所を指定した。

―明日、19時過ぎにお店を予約しました。外苑前駅の改札出たところに、19時でどうでしょう?


勝負はいつから始まっている?デートで気をつけるべき点とは


Q1:待ち合わせ場所は最寄駅で。これは正しいの?


しかし結局、明日香の仕事の都合で待ち合わせ時間は20時に変更となる。

僕の方はフリーでコンサル業をしているため、時間は自分次第で調整できる。だから19時からで全く問題なかったのだが、向こうが仕事ならば仕方ない。

1時間ほど近くのスターバックスで時間を潰し、街行く人を眺めながらデートに心を馳せる。

-そろそろ駅へ迎えに行こうかな。

そう思ったタイミングで、“職場からそのままタクシーで向かいます”という連絡が来た。

お店の場所、分かるかな?そう思いながら、先に『ガル エデン』へと向かう。

クラフトビールの種類が豊富で、料理と共にビールが美味しく飲める一軒家レストランは、男女ともにファンが多い店だ。




少しソワソワしながら明日香を待っていると、想像通りの可愛い子が店にやって来た。デーティングアプリも、捨てたものではない。

「遅くなってごめんなさい。」

そう謝る明日香に慌てて“全然待ってないよ”と答える。待っている時間が全く苦ではなかったから。

むしろこのデートが楽しみで、あっという間に時間が過ぎていたと言った方が正しいかもしれない。

実際に会うのは初めてだったが、既に何度もメッセージのやり取りはしていたせいか、初対面とは思えないほど自然に会話が進んでいく。

「祐志さん、実際にお会いした方が全然いいですね!こんな物腰が柔らかい方だと思っていませんでした。」

冗談交じりに明日香に笑われたが、たしかに昔からよく誤解される。背が高くて筋肉質なせいか、一見怖いと思われがちだが、(自分で言うのも何だが)結構優しい部類に入ると思う。

「明日香ちゃんは、イメージ通り。いや、更に魅力的、かな。」

写真も可愛かったけれど、実際に会った方が断然魅力的だった。

人の話をうんうんと聞いてくれ、まっすぐに見つめられると吸い込まれそうなほど、明日香は澄んだ瞳をしていた。

お互いの身の上話を一通りし、会話も盛り上がってきてそろそろこれから...というところで、初回のデートは一旦解散となった。

最初から、ぐいぐいと行き過ぎるのは良くない。そう思い、1軒目で次のデートの約束をして解散したのだ。


1軒目で解散は、吉か凶か?


Q2:2回目のデート。今回の悪かった点はどこ?


初回のデートを終えてからも、明日香とのLINEのやり取りは3日に1回くらいの割合で続いていた。

-次は、美味しいトリュフを食べに行きませんか?


前回のデートの際に、何となく次のデートの日程を出し合っていたので、2回目のデートもすぐに決まった。

初回でダメだったら、2回目はない。次もあるということは、良い流れと言っても良いだろう。

2回目のデートは西麻布にある『マルゴット・エ・バッチャーレ』にした。




勝負レストランと言ったら大袈裟かもしれないが、トリュフを丸ごと出してくれるこの店は、確実に女性の目がハートマークになる。

予約の際、前回明日香の仕事が20時前に終わったのを思い出す。また今回も遅くなるかもしれないし、明日香は溜池山王勤務だ。念のため21時からにしよう。

こうして、2回目のデートは少し遅いスタートとなったが、明日香は相変わらず可愛くて、緊張してつい早口で色々と話してしまう。

「ここのお店、来たことあった?」
「普段はどんなレストランに行ってるの?」

明日香は質問に対して一つ一つ丁寧に答えてくれる。ちょっと良いワインを開けながら、相変わらず楽しい時間は流星の如くあっという間に過ぎていく。

店を後にし、時計を見るともうとっくに23時は過ぎている。もう1軒行くかどうか悩みながらも、時間を計算する。

-さすがにもう1軒行くと、電車には間に合わないか...

明日香はたしか、麻布十番の方に住んでいると言っていた。まだ2回目のデート、わざと終電を逃させるようなことはできない。

泣く泣く2軒目を諦め、秋の夜風の心地良さを感じながら六本木駅まで歩こうとした時に、不意に明日香が立ち止まった。

「私、タクシー乗っちゃいますね。」

「本当?駅まで送らなくて大丈夫?」

「大丈夫ですよ〜。今日はありがとうございました。また今度」

そう言い残し、明日香は笑顔で手を振りながらタクシーに乗り込んだ。

去りゆくタクシーに手を振りながら、次回はどこへ行こうか、何をしようかとデートプランの妄想が広がっていく。

六本木交差点に差し掛かった頃、賑わう人ごみの中で僕は幸せな気持ちに包まれていた。



しかし3回目のデートはなかった。“また今度”と言われたものの、それが社交辞令だったと気がつくのにそう時間はかからなかった。

2回目のデートの時に話し過ぎたのか?それとも他に要因があったのか?

次に繋げられなかった敗因が分からず、“次はいつ会える?”とこちらが聞いたっきり、既読スルーになった明日香からのLINEを見つめている。

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