AppleのiPhone Xの生産遅れは改善されつつあるものの、11月の発売前までに確保できる台数は200〜300万台にとどまるとのコメントを著名アナリストが発表しました。

TrueDepthカメラが生産遅延の原因ではなかった?

Apple製品関連の情報通として知られるKGI証券のアナリストのミンチー・クオ氏は、TrueDepthカメラに使用されるドットプロジェクタの生産が難航していることがiPhone Xの生産遅延の原因だと指摘してきました。
 
しかしながら、最近のコメントでは、TrueDepthカメラではなく、iPhone Xのフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit Board、略語FPCB)の歩留まりの低さ*が生産遅延の真の原因であるとの新たな見解を示しています。
 
*歩留まりとは、製造ラインで生産される製品から、不良製品を引いたものの割合のことで、不良発生率が高いことを「歩留まりが低い」といいます。
 

フレキシブルプリント基板の例


 
とりわけiPhone XのアンテナFPCBは、原料、製法、デザイン、生産工程、検証試験すべてが特殊であり、iPhone8よりも複雑な技術仕様となっているため、日本の村田製作所と中国のCareer TechnologyしかAppleの求める要件を満たすことができないといいます。
 
村田製作所は当初、アンテナFPCBの生産の60%以上を担当する予定でしたが、2018年第2四半期まで生産問題の解決が難しいとされ、Career Technologyが全生産を代わりに受け持ったとのことです。
 
クオ氏は、Career Technologyが11月の生産状況改善をもたらすと予測しています。

カメラモジュールのFPCBが2番目の遅延原因

広角カメラモジュールのフレキシブルプリント基板(FPCB)がiPhone Xの生産遅延の2番目に大きな原因だとクオ氏は語ります。
 
他のデュアルレンズカメラ搭載スマホと違って、AppleのiPhoneカメラは2つの個別のフレキシブルプリント基板上で広角レンズと望遠レンズそれぞれの制御を行なっています。
 
広角レンズモジュールのFPCB生産を任されているInterflexが生産を遅らせているとクオ氏は分析しています。

ドットプロジェクタの生産もやはり難航

TrueDepthカメラに使用されるドットプロジェクタの生産遅延の原因は、その検証試験過程にあったようです。
 
生産された3Dセンサーモジュールが人の顔をうまく認識できない問題は、モジュールに当てられる光の位置を調整するアクティブアラインメントもしくは環境試験によってクリアされたとのことです。
 
クオ氏は、2017年第4四半期のiPhone Xの出荷台数を3,000万〜3,500万台と見積もっていましたが、生産状況の改善は11月に入ってからになると予測されるため予想出荷台数を2,500万台〜3,000万台へと下方修正しています。
 
ただし製造上の問題の改善により11月からは生産台数が上向き、2018年第1四半期の出荷台数は、前期となる第4四半期との比較ベースで50%の大幅増になると同氏は予測しています。
 
 
Source:AppleInsider
Photo:Wikimedia
(lexi)