せっかくの週末は、普段の夕食では(きっと)出てこない“塊肉”にチャレンジしてはどうだろう? 実は塊肉って、ポイントさえ押さえればただ焼くだけで誰かを呼びたくなるほどの豪華な料理になる。その代表格「ローストビーフ」を、鋳鉄フライパンで作ってもらった。特別な予定を作らなくたって、旨い肉さえあれば、間違いなく“プレミアム・ウィークエンド”になる。

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塊肉は、下ごしらえさえ間違わなければ失敗知らず



「ローストビーフは赤身の牛もも肉、ブロックで350〜450gくらいが作りやすいですよ」

鋳鉄フライパンでの極上ローストビーフづくりを教えてくれるのは、料理研究家のマツーラユタカさん。まずは、肉の表面の水分をペーパータオルなどでふきとり、塩(小さじ1と1/2)、粗挽き黒こしょう(小さじ1/4)を全体にまぶして手ですり込む。そのまま30分〜1時間置いて、肉を常温に戻すのだ。

「表面だけ旨そうに焼けても中は生……なんて失敗は、焼く前の肉の温度に問題があるからなんですよ」

どんな塊肉でも常温に戻す作業は共通。“ウィークエンド肉焼きボーイズ”は覚えておきたいポイントだ。また、肉から出てきた水分は雑味の元。焼く直前にペーパータオルでふきとっておくのも、大切なプロセスなので忘れずに。



スキレットに米油やサラダ油などクセのない油(大さじ1)をひき、にんにく(1片・つぶす)を入れてまずは弱火に。食欲をそそる香りが油にしっかり移ったら、にんにくを取り除き、中火にして肉を焼く。片面ずつ10〜20秒くらい焼きながら、すべての面に順番に焼き色をつけていくのだ。

「こんがり焼けたら赤ワイン(100ml)を注いで、煮立ったら蓋をして弱火で5分蒸し焼きにしてください。分厚い鍋肌の鋳鉄フライパンは蓄熱性が高いので、強火でがんがん表面だけを焼くのではなく、じんわり優しく肉に火を入れられるんですよ」



アルミホイルを2枚重ねて肉を包み、10分ほど予熱で蒸らす。ホイルを外して、粗熱がとれたらラップで包んで冷蔵庫で30分以上冷やす。ホームパーティーなら、前日に焼いてひと晩寝かせるのもアリ。

冷やしている間に、肉汁やワインが残っているスキレットを利用してソースづくり。玉ねぎ(小1/2個・みじん切り)を入れて弱めの中火で2分ほど炒めたら、弱火にしてバルサミコ酢(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1/2)、はちみつ(大さじ1/2)、バター(10g)を入れ、全体が2/3量ぐらいになるまで煮詰める。ローストビーフは薄切りして、バルサミコソースやクレソンなどの野菜を添えれば、はい、完成!



鋳鉄スキレットで塊肉も思いのまま





ロッジ『スキレット9インチ』

価格:4320円

マツーラさんも愛用するのは、アメリカで120年以上も愛されるキャストアイアン(鋳鉄)の老舗、ロッジ。5mmの肉厚な鋳鉄が実現するのは、抜群の熱制御率力。だから食材を入れてもフライパンの温度が下がらず、火のとおりも均一。サイズは豊富で、無水調理ができる別売の蓋があれば、さらに重宝する。



釜定『ワンハンドパンL』

価格:6696円

400年の歴史を刻む盛岡の南部鉄器。明治に創業した釜定の三代目・宮伸穂のデザインするフライパンは、伝統的な製法を守りながら、現代のキッチンにも映えるすっきりとしたデザイン。写真手前の『ワンハンドパン』は直径21.5cmのLと直径15cmのSの2サイズ。



OIGEN『Palma(パルマ)』

価格:1万6200円

嘉永5(1852)年創業の南部鉄器の老舗OIGEN。この『パルマ』は、ジャスパー・モリソンがデザインを手掛けた鉄鍋で、直径24cm、重量2.5kgとなかなかの重さ。その一方で、両手で持てるハンドルの工夫など、その機能美にうっとりするはず。



家でも外でも活躍する、料理男子のためのフライパン



「鋳鉄フライパンってアウトドアで使うイメージが強いけれど、僕はほぼキッチンで使っています。分厚い鍋肌はじんわり熱が伝わるから、ローストビーフやステーキなど厚みのある肉を焼くのに重宝しているんですよ。餃子を焼くのにも便利で、とにかく焼き色がキレイにつく。テフロン素材のフライパンとは違う面白さがあるし、武骨で重いけど、男が使ってこそさまになるんじゃないかな」

マツーラユタカ/相棒の金子健一とともに野郎2人組のフードユニット「つむぎや」で、書籍、教室、イベントなど幅広く活動。身近な食材を使った、けれどなんだか今の気分に合う、おいしくて会話が弾むオリジナル料理を多数提案。『和食パスタ』(主婦と生活社)など著書多数。

text嶺月香里

cooking & stylingマツーラユタカphoto福岡 拓