第11回のテーマは「初めてのキス」

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10月25日から開催される「第30回東京国際映画祭」日本映画スプラッシュ部門に主演映画『二十六夜待ち』(12月23日公開)が出品決定!

そんな、『週刊プレイボーイ』が15歳の頃から撮り続けてきた、誰もが認める実力派女優・黒川芽以ちゃん(さん?)が今年で30歳!

その記念にデジタル写真集をつくりたい!ということで、彼女とのコラボを思い立った週プレは、カメラマン・熊谷貫氏が“黒川芽以と東京の夜”をテーマに撮り続けていく写真集用の撮り下ろしカットを交え、芸歴24年&女優歴20年という彼女が貴重なエピソードを惜しげもなく告白するエッセー連載。

写真集のメイキングと人気女優の素の言葉が絡み合いながら進行していく史上初のウェブ連載。30歳の黒川芽以による、30の言葉と30の夜をお届けします!

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女優歴20年、地道にコツコツの黒川芽以です!

いよいよ来週から「東京国際映画祭」が開催されますね! 主演映画『二十六夜待ち』では本格的なラブシーンに挑戦したのですが、こんなに濃厚なキスシーンも初めてだったんです。これまでデリヘル嬢などのセクシーな役も演じてきてるし、恋愛ものも多いのでキスシーンは何度もあるんですけど、“ディープキス”はやってそうでやってなかったんですよ。

初めてのキスシーンは、高校を卒業したくらいの頃。爽やかな青春ドラマでもなく、まさかの時代劇だったんです! 高橋英樹さんや安達祐実さんが出ていた時代劇『慶次郎縁側日記』の第3シリーズ。相手役の役者さんは30歳前後の方だったので、10代からするとすごい大人で! 雇ってもらった旦那さんと不倫関係になるっていうドロドロの展開だったんです。

雷が鳴っている中、和室で抱き合ってキスをするんですけど「やっぱりダメだ」ってドーンって突き放されて。わかりやすくロマンチックではなかったから、初々しい思い出はなかったですね。初めてってだけでも印象的なのに、時代劇で“不倫キス”ってインパクト強すぎて忘れられません(笑)。

それでも、若い頃はどうしたらいいのかなって悩んだこともありました。「こっちからでいいですか?」とか相手役の人に確認したこともあったかな。ウブだったから(笑)。でも、何度か役を演じてるうちに、ウブさは軽減していって…。例えば、ドラマで長いキスシーンを撮った時、ずっと唇はくっつけてないといけないんだけど、変に意識することもなくて心が無になっちゃうんですよ。たぶん、緊張するのは男性側なんだと思います。女優さんをキレイに見せなきゃいけないと思ってくれているので。こっちから撮ったら女優さんの鼻の穴が見えないようにとか、ちゃんと気にしてくれてるんですよね。

映画『冴え冴えてなほ滑稽な月』では、女同士のキスを経験しました。お互いSM嬢の役で、自分からするシーンがあったんです。歩道橋でチュッとするくらいなんですけど、実は私、こっちのほうが苦手で…。女のコとキスしたいなんて思ったことないし、どうしても考えられないんですよ! 酔っぱらって女のコにチューしちゃうとか絶対にあり得ない。どうしたらいいかわからないから、撮影前のごはん会で相手役のコにお願いをしたんです。

「女のコとのキスがわからなすぎて怖いから、1回しといてもいい?」って(笑)。「え…大丈夫ですよ」って言ってくれたので、口にチュってさせてもらったの。「よし、これでもう緊張しないから大丈夫」って。練習したかったというか、どういうものか…という意味で1回だけね(笑)。

あと、キスとはちょっと違うんですけど、ドラマで人工呼吸のシーンを撮ったことがあって。お父さんくらいの年齢の患者さんを蘇生させようとする看護師役だったんですけど、人工呼吸って相手の口にかぶせていかなきゃいけないじゃないですか。口を大きく開けてカプって覆わないといけないから、ある意味、すごいディープなんですよ。しかも、その日はクリスマスイブで! 撮影が夜遅くまで続いてたから「クリスマスイブの夜に何やってるんだろう…」って思いながらやってましたね(笑)。何より、これまでのキスシーンと比べて、一番ディープだったんですよ(笑)。

今回の映画『二十六夜待ち』では、今まで以上にディープなシーンをお見せすることになるのでドキドキしてます。まぁ人工呼吸もいい思い出ですけど、今年のクリスマスイブの夜はどこで何をしてるのかなぁ…なんて。ふふふ。

次回は、これまでに出会った「忘れられないあの人」について語ります!

(撮影/熊谷貫 構成/釣本知子)



●黒川芽以(くろかわ めい)

1987年5月13日生まれ。東京都出身。

1993年『揖保の糸』CMでデビュー。1997年に10歳でNHKドラマ『鏡は眠らない』に出演して以降、映画やドラマ・舞台と数々の作品に出演。これまでの出演本数は100作以上。主演映画『二十六夜待ち』は12月23日公開!

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