(株)神戸製鋼所(TSR企業コード:660018152、兵庫県、東証1部)の相次ぐ性能データ偽装が、世界をリードしてきた日本の製造業の信頼を揺るがす事態に発展している。偽装だけでなく、二転三転する会見の不手際は、単なる一企業のモラル崩壊などの話で収まる段階ではなくなってきた。
 神戸製鋼所は20日、新たな疑惑と妨害行為が発覚したことで午後6時30分から都内のホテルで記者会見を行う。

神戸製鋼所の本社

地元取引先、金融機関の反応・・・

 データ偽装の情報はなかなか取引先まで伝わってこない。当初、偽装の発端がアルミ・銅の検査証明書の書き換えだったことから、取引があるメーカー担当者は「現状、マスコミ報道の範囲内の情報しか知らない」と危機感はみせていなかった。別の関連業者も、「今回のデータ偽装はアルミなど特殊鋼のため、今のところ普通鋼(鉄鋼)には特に影響はないのでは」、兵庫県西部の鉄鋼商社は、「もともと神戸製鋼所の製品は扱いが少なく、これといった影響はないと思う」と語っていたのだが・・・。
 その後もデータ偽装の製品が増え続け、主力の鉄鋼製品まで広がった。同時に、会社が公表した取引先は、当初の200社から500社に膨らんだ。地元の金融機関は、「現状は様子見の状況。まだ、(神戸製鋼所と取引のある)融資先への個別の取引状況などのヒアリングはしていない」と語る。だが、別の金融機関は、「取引がある融資先にはヒアリングを実施している。ただ、何分にも企業規模が大きく現時点での判断は難しい」、「直接・間接を含めて裾野が広い分野で、影響の有無は未知数。情報収集中」と、様々な反応をみせている。

出始めた「神戸製鋼所」製品離れ

 取引先1社は、「神戸製鋼所の製品扱いは少ないが、一連のデータ偽装報道で販売先から納入している製品のメーカーについて問い合わせが多数寄せられている」と語り、「汎用製品等にはデータ偽装はないと思うが、顧客は材料購入に際し、神戸製鋼所以外の製品を指定するようになった」と、すでに顧客の神戸製鋼所離れが起きていることを明かす。
 別の取引先も、「メーカー系商社から神戸製鋼所のアルミ板、鋼板、鋼管、アルミ鋳造品を含んだ製品を使用している場合、連絡して欲しい」との『データ改ざん調査票』が送付されてきたと語る。


 神戸製鋼所が取引先を公表していないため、取引先は独自に調査や影響把握に動いている。防衛省、国交省の納入業者は、「神戸製鋼所の線材使用の有無をヒアリングする」と連絡があったことを明かしている。
 神戸製鋼所の情報開示の遅れが官民を巻き込み混乱を招く中、10月19日、神戸製鋼所はTSRの取材に、「取引先への影響などに答えられる材料はない」とコメントしている。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年10月23日号掲載予定「Weekly Topics」を転載)

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